30おんな・喜怒哀楽
1.Nov.2004 Up Dated

求む!理想の出会い 2

「出会いがない」と嘆いている女性が多い中、友人Rはいつまでたっても出会いが途切れない稀な人物である。友人Rは今年43歳。私より10歳年上の明るく包容力のあるステキなお姉さんだ。共通の友人を介して出会い、もう4〜5年しょっちゅう会うわけではないものの、節目節目には必ず会い、お互いの近況を報告しあう仲といった感じ。

で、R姉さん、最近また久しぶりに会ったところ、猛暑だった今年の夏、悪化するアトピ−に苦しみ、四国のアトピー治療の名医に罹るために会社を辞めたという。体調が戻ったら復職をするという選択もありだった。でも、治療を終えた今、選んだ道はアメリカで働くということ。もともと海外生活が長く英語も流暢、アメリカで取得した宝石鑑定の資格もキャリアもある。これまでの恋人もみんな外国人だし……とはいえ、簡単な決断ではなかったはずなのに、最終的に前進することを選んだR姉さんに拍手喝采!

「R姉さん、最近どう?(出会い、恋人の有無)」
「それがね、アトピーが悪化する直前にひとつ変な出会いがあったのよ。変態よ、ザ・ 変態」
「変態!? 」身を乗り出す私。
「梅雨のころかな。宝石の新作を披露するためのショーがあって、モデルを使って見せるっていう結構立派なショーだったのよ」
知り合いに誘われ出席したパーティスタイルのショー。会場には美形の外国人男女のモデルが入り乱れ、それはそれは美しい光景が広がっていたという。その中に、ひときわ目立って美しい金髪青年を見つけたR姉さん。知人の主催者に「あの子とおしゃべりしたい」と紹介してくれるよう頼んだ。

イラスト

ほどなく金髪青年(仮にロバート)は、知人に引き連れられやってきた。 日本生まれ日本育ちのロバート。流暢な日本語だった。
「とってもハンサムなのね。モテるでしょう。彼女いるの?」
「イヤ、モテないよ。僕は難しいから。Rさんは恋人いるの?」
「今はいないの」
「じゃあ、僕と付き合わない?」 ……なんだ? この流れ。
ズバ抜けのハンサムとおしゃべりしていたら、つき合うことになった。そんなことってある?

R姉さんも一瞬驚いたものの、まあこんなハンサムくんとデートするのもいいかと、その後連絡を取り合い、頻繁にデートし、会えないときもメールをやりとりし、といういい感じのおつきあいが1か月ほど続いた。そしてある日、ロバートが言った。
「Rにとって僕は何? 」
何って、ナニ?と思いつつ 「今、いちばん好きな人よ。いちばん一緒にいたいと思う人がロバートよ」そう答えた。
「じゃあ、Rは僕のためなら何でもできる? 何でも言うことを聞いてくれる? 」
「……何でも、って。まあ、私ができることであればしてあげたいという気持ちはあるけど」
「じゃあ、僕のことを『ご主人様』と呼びなさい」
「ゴシュジンサマ!?」
「そう、だって何でも言うこときいてくれるんでしょ?」

何かのきまぐれか、なりきりごっこか。ま、一日つきあってやるか。R姉さんは、そんな姉さん心をだして、その日一日ロバートのきまぐれらしきものに乗ってみた。夕方、それまでとは打って変わった命令口調と、時折見せる危うい香りに危機を感じたR姉さんはきっぱり言った。
「ねえ、ご主人様ごっこはもういいでしょ?」
するとロバートは「何言ってるんだよ! Rはぼくのカワイイ奴隷なんだから、服従しろ」
カワイイドレイ? フクジュウ? 
つきあって1か月は本性を伏せていたロバート。「ご主人様と呼びなさい」と言われた瞬間からいよいよスイッチオン?

その後「Rのヌード写真を送れ」だの、あれしろこれしろと要求はエスカレートし、R姉さんが「そんなにヌード写真送れっていうなら、まず先に自分のを送りなさいよ! それが日本の流儀ってもんよ!」と訳のわからぬキレかたをしたところ、 即、スチール写真のような、局所を布で覆ったヌード写真が送られたきたそう。ご丁寧に、布使いのヌード写真を2パターンも送ってきたロバートに「局所を隠してるヌード写真はヌードと認めない。したがって、私も送ることはできない」という返事を出した。それにマジギレしたロバートは、Rを「裏切り者」呼ばわりし、関係は終焉。「僕は難しい」ってこういうことか、とすべての辻褄が合ったとさ。

エッチのときは、そのSっ気をかいま見せていなかったものか聞いてみた。
「それがね、至ってノーマルだったの。でも、ご主人様発言のころからその片鱗を覗かせ始めてたから、あのままいったら小道具が出てくるか、何か着せられてたかも。私がMだったら何の問題もないけど、むしろ相性バッチリよね」
こんなR姉さん。 つき合いはいつも本気。 どんどん出会ってデートして、までは本当。でも、年下男をはべらせて、適当にやってるクチではない。 本当に愛せる人を探しているのだ。

以前、日本人とはつき合う気がないのか聞いてみたことがあった。「避けてるわけじゃないけど、外国人のほうが年齢関係なく向き合えるからね。」今回の変態モデルしかり、いつも出会いと別れの顛末をおもしろおかしく話してくれるけれど、渦中にいるときはしっかりと傷ついてきたはず。誰かとつき合うことが怖くなった時もあったはず。でも、出会いがないとボヤきながら漫然と日々を過ごすより、ずっとずっといいじゃない? と思う。新境地のアメリカで、R姉さんにステキな出会いがありますように!


柿崎 こうこ

イラストレーター
柿崎 こうこ プロフィール
1970年 青森生まれ セツ・モードセミナー卒業
女性誌や書籍で活躍中 美容、旅、食が得意分野、ひとり作業が多い職業ゆえ取材で人に会うのも好き。
共著に「東京おんなひとり暮らし」(双葉社刊)
「ハッピー ローマ」(双葉社刊)など

※こうこさんへの感想、はげましのお手紙はこちらまで。

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