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バレンシアの火祭り(ファヤス)はパンプローナの牛追い祭り、セビーリャの春祭りと並ぶスペイン3大祭りのひとつ。毎年3月12日〜19日に開催され、期間中は爆竹ショー、献花パレード、花火大会とイベントが盛りだくさん。そのクライマックスは街中に飾られた大小さまざまな張り子人形(ファヤ)に、次々と火が放たれる最終日の夜。まさにバレンシア炎上! 周囲は炎と煙、爆竹の音に包まれる!!

ファヤス

1.祭り期間中は、そこら中で爆竹やかんしゃく玉が鳴る。こんな小さな女の子が喜々として花火に着火する光景はさすがラテン。2.ひとつのプログラムが終わるごとに清掃車や清掃夫が出動するため、街はいつもキレイ。3.ちなみにこれが今年のNO.1。4.美しく着飾った女性たちもファヤと並ぶメインキャスト。5.1年がかりでつくられたファヤも、燃え尽きるまでたったの15分。あとに残るのは骨組みと灰だけ。祭りは終わり、明日からまた来年のファヤスへの準備がはじまる。はるかスペインの地で、諸行無常を感じる。

バレンシアの火祭り(ファヤス)

ファヤスは正式名称を「サン・ホセの火祭り(Las Fallas de San Jose)」という。サン・ホセとはスペイン語でイエス・キリストの父、聖ヨセフのこと。聖ヨセフの職業は大工。そのため彼らの守護聖人として崇められている。昔から大工の間ではサン・ホセの日に、端材や古道具を集め焚き火をしていたが、ある日、張り子人形が火の中に投げ入れられたところ、これはおもしろいと評判に。これがファヤスの起源だと言われている。

ファヤは、二ノットと呼ばれる張り子人形を組み合わせてつくる。その集合体が祭りの名前でもあるファヤスというわけ。ファヤは地元の組合が、スポンサーや有志に費用を募って制作。大きさによって「ファヤス・アドゥルトス」(大人のファヤス)部門、「ファヤス・インファンティレス」(子供のファヤス)部門に分類される。大きいものは、なんと高さ30m! 600体とも700体とも言われるファヤが、バレンシアの辻々を埋める。ファヤづくりは1年も前から構想が練られ、近年は風刺の効いたテーマが取り上げられることも多いとか。ファヤの素材は紙や木、発泡スチロール。その理由は最終日にあり。

最終日の19日、1年がかりでつくられたファヤに容赦なく火が付けられる。小さなものから次第に大きなものへ。日付が変わった20日の深夜1時頃、火の手は市庁舎広場にある巨大ファヤへ。祭りのシンボルとも言えるこのファヤが打ち上げ花火、仕掛け花火とともに豪快に燃え上がると熱狂の宴も閉幕。バレンシアでは、ファヤスが終わると春が訪れると考えられている。

ところで、2体だけ火の手を免れるファヤがある。2月中旬から3月14日まで人気投票が行われ、もっとも投票数の多かった作品(ファヤス・アドゥルトスとファヤス・インファンティル、各1点ずつ)は火祭り博物館に永久保存されるのだ。「次のファヤスまで待てない!」というせっかちな方は、火祭り博物館を訪れてみては?


【データ】
日本からスペインへの直行便はないため、ヨーロッパの主要都市を経由するのが一般的。今回はパリ経由でバレンシアまで約25時間のフライト(トランジット含む)。バレンシアは地中海に面したスペイン第3の都市。時差はマイナス8時間。サマータイム中(3月の最終日曜日の深夜2時〜10月の最終日曜日の深夜3時)はマイナス7時間。通貨はユーロで、2010年5月現在1ユーロ=117円。

取材・文・撮影/三澤和也
協力/スペイン政府観光局、バレンシア自治州観光局、バレンシア市観光局

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