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2005.3.15 UPDATE


土屋嘉久のシネマ紹介

どうも、つっちぃです。この「死ぬ まで愛して」ではなく、「シネマde愛して」では、これから上映される映画をひと足お先にご紹介。毎月何本も試写した映画の中から独断と偏見で1本を選び、僕なりの評価や採点をしちゃいます。それを信じるも信じないのもあなた次第! さあ、それではまず、今月の映画紹介からはじめましょう!

隣人13号
隣人13号 井上三太の最強伝説コミックが
ついに映画化!!
世界を震撼させる、ネオ・サイコ・
サスペンス・ムービーの生誕!!
2005年4月2日より、シネクイント、シネ・リーブル池袋、吉祥寺バウスシアターほか全国公開


これは事件である。「TOKYO TRIBE」「TOKYO TRIBE2」「TOKYO GRAFFITI」など、ストリート・センスに貫かれたエッジな作風で若者を中心に数多くの信者を持つカリスマ漫画家、井上三太が、'93〜'96年に発表した「隣人13号」。

かつていじめられっ子だった村崎十三は、一見穏やかな青年に成長して、建築現場の仕事に就き、とあるボロアパートに引っ越してくる。だが、彼のカラダには凶暴な別 人格“13号”が巣食っており、怒りの沸騰と共に顔を出す。そして少年時代の自分をいじめた赤井トールへ、10年越しの壮絶な復讐を仕掛けるのだった。しかし、その凶暴性は徐々に増していき、ようやく事の重大性に気づいた十三は、なんとか“13号”を抑えようとするが、もはや自分の力ではコントロールすることはできなくなっていた…。

三太作品の中でも異彩&異臭を放つストーリーが熱狂的なプロップス(支持)を集め、早くから映画化が望まれていた本作。バイオレンスを軸にした二重人格を扱った点で『ファイト・クラブ』(99)を、少年期の怨念を浄化させる復讐ドラマという点で『オールド・ボーイ』(04)を先取りした内容。「ホントは『隣人13号』の方が先なんだよ!」との思いと共に、誰もが実写 映像を夢見て当然だろう。そして、11年の歳月を経て、すべての関係者を驚愕させる(もちろん三太氏も)超強力な映画版『隣人13号』が遂に完成した!

隣人13号

PV発の映画監督・井上靖雄、衝撃のデビュー!!
井上三太×井上靖雄、天下無敵のコラボレーション!!
DJ、アパレル、CDプロデュース、フィギュア製作など、積極的にジャンルレスな活動を広げてきた井上三太だが、自作の映画化だけは中々了承しようとしなかった。それは雑誌で映画コラムを持つなど、彼が心から映画を愛してやまぬからに他ならない。『隣人13号』も、名前を聞いたら気絶しそうなほど、錚々たる映画監督陣からのオファーをすべて断ってきたのだ。

そんな三太氏が初めてOKを出したのは、なんと映画経験ナシ、また奇しくも同じ姓を持つ人物だった! その名は井上靖雄。RIZEやLOVE PSYCHEDELICO、元ちとせや韻シストなどのPVを手掛け、『日経エンタテインメント!』誌では、アーティストが選ぶ"撮ってもらいたい日本のミュージック・クリップ監督"ベスト5にランクインした俊英。井上三太は、彼の卓越したビジュアル・センスに惚れこんだのだ。

中村獅童&小栗旬がW主演で驚異の“二人一役”!!
井上ワールドを構築する豪華キャストにも要注目!!

むろん、映画の出来を決めるのは監督と原作者だけではない。まず主人公・村崎十三には、幅広いジャンルで活躍し、若手俳優注目度No1の小栗旬。ナイーヴな個性を生かし、正常と狂気のはざまで揺れる難役を見事にこなした! 熱烈な三太ファンの彼は、「この役を演じることに運命的なものを感じる」とまで語っている。

そして、十三の別人格“13号”を演じるのは、映画、TVドラマ、歌舞伎、CM、ミュージシャンなど、様々なメディアで活躍し、いまや時代の寵児となった中村獅童。今回は恐怖の顔面 メイクを施し、パーフェクトに壊れきった極悪非道の殺人鬼を怪演! あまりにショッキングな役柄ゆえ、「好感度を失うから観ないでください!(笑)」とまで語っているほど。

十三の人格を“13号”が乗っ取るのはゾッとする瞬間だが、同時に、我々誰もが持つ、裏側に秘められた暗黒面 を垣間見るような感覚に襲われる。そういった人間の真実を示唆する彼らの“二人一役”が、本作最大の観どころと言えるだろう。


(CAST & STAFF) 隣人13号
'04年11月17日 完成披露試写会@スペースFS汐留.

村崎十三:小栗旬
13号:中村獅童
赤井トール:新井浩文
赤井のぞみ:吉村由美(PUFFY)
石井智也
松本実
劇団ひとり
村田充(特別出演)
隣人・金田:三池崇史(友情出演)
原作:井上三太(幻冬舎コミックス刊)
監督:井上靖雄
製作:メディア・スーツ アミューズソフトエンタテインメント
制作:ピクス

配給・宣伝:メディア・スーツ 2004年/日本映画/115分  ●作品サイトはこちらから



(つっちぃ評)
この作品を観た後に、ある衝動にかられました。それは、僕が小学生の時によく遊んでいた伊倉くんや野田くんなどに、今すぐ謝りに行きたいという、いても立ってもいられない気持ち…。当時ガキ大将だった僕は、彼らと遊ぶ中で修行と称しては、嫌がる彼らに木登りを無理矢理させたり、プロレスごっこをしては技をかけまくっていました。ある時は、トイレの個室から出ようとした伊倉くんを外側からドアを塞いで困らせたりなんてことも…。

今思えば、僕は単なるイタズラのつもりでしたが、本人たちにとっては相当苦痛だったかもしれません。もしかしたら、彼らの心に“いじめられた”という一生消えない傷を残してしまった可能性もあります。だから謝りたい……そんなことを考えさせてくれるのが、今回の映画のすばらしいところ。

前評判では、マルチクリエイターでもある井上三太の漫画を原作に、ミュージック・クリップやCMを手がける井上靖雄が監督、そして人気の中村獅童が出演して、おまけに平川地一丁目がエンディング・テーマを手がけるということで、ただのスタイリッシュなサイコ映画かと思っていました。しかし実際は、それに加え人間の心の闇に光を当てた、とても考えさせられる作風に仕上がっています。

ただひとつ残念なのが、この映画が「R-15」指定だということ。確かに暴力的なシーンやグロテスクな映像もありますが、本来なら“いじめ”が深刻な問題となっている小学生や中学生に観てもらいたいと思うのです。デフォルメされた部分は大いにありますが、“いじめ”とは何なのかということを、相手の立場に立って考えさせてくれる優秀な作品なのですから、再編集である程度の手を加えてでも15歳以下の人が観られるようにして欲しいと思います。僕のような“おじさん”が観ても過去を反省するのだから…。


ドキドキ度 つっちぃつっちぃつっちぃつっちぃ

中村獅童と小栗旬の演じる正反対のキャラクターがみごとにマッチして怖さを演出。

フムフム度 つっちぃつっちぃつっちぃつっちぃつっちぃ いじめる側もいじめられる側もその対処法のヒントが、この作品の中にはある。
ショック度 つっちぃつっちぃつっちぃつっちぃ いじめられる側の心理が強烈に伝わってくる。そこまで思い詰めていたのかと…。


オススメ
スパイダー・フォレスト−懺悔−

スパイダー・フォレスト 〜懺悔〜
監督:ソン・イルゴン 出演:カン・ウソン/ソ・ジョン
2004/韓国/120分/全韓 配給:チョンオラムフィルム
4月9日より銀座シネパトス、池袋シネマ・ロサにてロードショー
交通事故に遭い、14日間の昏睡状態から目を覚ました男。記憶障害を負った彼が最初に思い出したのは、森の中の家での男女の惨殺死体。そして徐々に、男は驚愕の事実を思い出し始める。見知らぬ男の電話に導かれ森に行ったこと、そこで亡き妻に瓜二つの写真館のオーナー女性に会ったこと、そして森の中の別荘で婚約者の惨殺死体を見つけたこと。友人の刑事が森へ向かうと、証言どおりの現場が確認できる。今や第一発見者から容疑者になってしまった男は、混乱する記憶の中から、常に誰かが森にいた事を思いだす…。


土屋嘉久
カリスマ・バーテンダー:つっちぃ

年齢不詳。新聞配達、レストランの皿洗い、ショーダンサー、アンティークショップの店長、学習教材の営業、引っ越し業、高級会員制クラブの黒服、プールバーのマネージャー、カジノのディーラー、店舗設計の現場監督、モデル、イラストレーター、広告のコピーライター兼クリエイティブディレクター、WEBクリエイターなどなど、多種多様な職歴を持つ。東に悩める人があれば人生を説き、西につぶれそうな店があれば、バイトに励む。現在は、雑誌の編集の傍らいろいろなお店を渡り歩くさすらいのバーテンダー。
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