【目次】
そもそも「隠れジミ」とは
一体何のこと?
「隠れジミ」とは、肌の奥に潜むメラニンのこと。表参道スキンクリニックの渋谷友香先生によると、このメラニンが肌の表面に現れると、シミになる可能性があるそう。
紫外線を浴びると肌の中で活性酸素が発生しますが、この活性酸素の刺激を受けることで、肌の奥にあるメラノサイトという細胞がシミの原因となるメラニンをつくります。このメラニンが『隠れジミ』と呼ばれるもので、紫外線を多く浴びる人ほど、肌の内側にシミ予備軍となる『隠れジミ』が増える傾向にあります。
(渋谷先生)
一般的に、蓄積されたメラニンは消すことが難しいといわれているため、UVケアをしっかりして予防することが大切です。
強力な紫外線によって
「隠れジミ」が増加
旅行や海などに行って、この夏、紫外線をたっぷり浴びてしまった人も多いはず。この紫外線がやはり「隠れジミ」の原因になるのでしょうか?
夏に浴びた紫外線が特別に『隠れジミ』の原因になるわけではありませんが、紫外線量は日本のどの地域でも1月ごろから徐々に増えはじめ、夏に向けて非常に多くなります。そのため、夏は、『隠れジミ』の原因となる紫外線量に注意が必要な時期だといえます。ただし、夏だけUV対策をしていればよいという訳でもありません。紫外線は、じわじわと長期的に肌の奥の真皮へ作用するUVAと、“日焼け”のように急性の反応に大きく関わるUVBに分類されます。UVBは日照時間が長い夏に高くなりますが、UVAは年中高い状態が続くので、シーズン問わず注意が必要です。
(渋谷先生)
日照時間が短い冬でも油断は禁物! UV対策を怠っていると、「隠れジミ」の原因をつくってしまうかもしれません。
Domani Labメンバーの
「隠れジミ」をチェック!
目に見えないからこそ、いつ表面化するのかと不安が募る「隠れジミ」。実際、40代女性にどれくらい「隠れジミ」が存在するのか、日中、外で過ごすことも多いというDomani Labメンバー2名が機械を使った肌診断にトライしました。
肌診断したのはこの2名
左/医療関係勤務・鈴木まきさん
右/フリーアナウンサー・小野美希さん
鈴木さんの肌悩み
この夏、かなり紫外線を浴びたので、シミやくすみが気になります。肌が全体的に乾燥しているのも悩みのひとつ
小野さんの肌悩み
40代に入ってから特にシミ、シワ、ほうれい線が目立ってきました。顎のラインが以前よりもたるんできたような気も…
肌診断機「re-Beau 2」を使って
「隠れジミ」を見える化!
「re-Beau 2(レビュー)」は、隠れた「シミ」や「肝斑」、ニキビの原因になる「ポルフィリン」など、見た目では判断しづらい肌の状態をUV画像で撮影できる「肌画像診断システム」。肌表面に出てきていない「隠れジミ」まで映るので、肌の状態を視覚的に確認することができます。
鈴木さんの肌診断
この夏はかなり日焼けをしたので、『隠れジミ』がたくさんありそうで怖いです。ゴルフが趣味で、月に2、3回ラウンドしていますが、1度のラウンドで5〜6時間は野外にいますし、紫外線ダメージが大きそう。旅行も大好きなのですが、寒いのが苦手なので目的地はいつも南国! 開放感からこの夏は帽子も被らずタンクトップで過ごしていたため、自分史上最高に黒くなっています。
(鈴木さん)
診断結果 ▶︎ 顔全体に『隠れジミ』が点在
見た目には、あまりシミが目立ちませんが、「re-Beau 2」を使うと、隠れていたシミまで浮き彫りに! 渋谷先生に肌の状態を解説していただきました。
全体的に暗く見えるところはくすみ。頬周辺にモヤッと広がっているのは肝斑です。そして、灰色っぽいツブツブの中で、輪郭がぼやけているものが『隠れジミ』。特別多いわけではありませんが、肉眼で見るよりは多く感じるのではないでしょうか。
(渋谷先生)
小野さんの肌診断
アナウンサーの仕事をしているので、月に数回、外ロケがあります。朝から夕方までかかることも多く、そんな日は紫外線をたっぷり浴びているはず。プライベートでも、ほぼ毎日愛犬の散歩をしていますし、この夏は湖でウェイクサーフィンも楽しんだので、肌の状態が心配です。
(小野さん)
診断結果 ▶︎ 頬骨周辺にシミや「隠れジミ」が集中!
くすみは少ないですが、頬骨周辺に帯状の肝斑が広がっていて、シミや『隠れジミ』も集中しています。ほかには、目まわりと鼻に色素沈着が見られますね。普段、メガネをかけて過ごすこともあるのではないでしょうか? 何気なく使っているメガネでも、肌に刺激となることがあります。
(渋谷先生)
ふたりとも外出前には日焼け止めを塗って、UVケアをしているそうですが、こんなにも「隠れジミ」が! 残念ながら、外からのUVケアだけでは十分ではないようです。
「隠れジミ」には
インナーケアでUV対策を!
「隠れジミ」の予防には、“日焼け止め”や日傘などによる“物理的な遮断”で紫外線を防ぐことに加え、早めのインナーケアが必要だそう。
紫外線を未然に防ぐことと共に、浴びてしまった紫外線に対するケアも重要です。それが、内側からの“抗酸化対策”。緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイド(野菜の色の成分)には紫外線によって生まれる活性酸素を除去する働きがあるため、カロテノイドを多く含む食材を継続的に摂取することも『隠れジミ』予防につながります。
(渋谷先生)
緑黄色野菜は健康だけでなく、肌にもうれしい食べ物なんですね!
野菜、足りていますか?「ベジチェック®」で推定野菜摂取量を測定
「ベジチェック®※2」とは、手のひらを約30秒センサーに押しあてるだけで皮膚カロテノイド量を測定できる機器。推定野菜摂取量や野菜摂取レベルがひと目でわかるため、生活習慣の改善にも役立ちます。そこで、野菜不足が心配なDomani Labメンバーに、こちらも体験してもらいました。
※2:表示値はあくまでも目安とお考えください。ベジチェックは医療機器ではありません。体格・体質等により、同じ量の野菜を摂取していても、野菜摂取レベルが異なることがあります。
鈴木さんのベジチェック®
子供がいるのでバランスを考えた食事をつくっていますが、実は私自身野菜が苦手。ただし、体づくりも意識して、ブロッコリーとパプリカは積極的に摂取しています。
(鈴木さん)
野菜摂取レベルは「6.0.」
野菜摂取レベルは0から12.0で測定され、目標レベルは7.0。これは野菜を1日350g程度摂取することに相当します。でも、この目標機を超えるのはなかなか難しく、平均値は5.6だそう(カゴメ調べ/23年1月~23年12月)。この数値から考えると、鈴木さんの測定結果は、あとひと息というところ。毎日、小鉢1皿くらいの野菜をプラスすると、目標値に達しそうです。
小野さんのベジチェック®
昼は外で食べることが多いので、夜、お味噌汁に野菜をたっぷり入れるようにしています。ランチにもできるだけサラダをつけていますが、毎日ではないので足りていないかもしれません。
(小野さん)
野菜摂取レベルは「5.3」
ランチのメニューを工夫したり、夕食に野菜をたくさん使うなど努力はしているものの、小野さんの測定結果はまずまずというところ。忙しくて摂取が難しい朝食にも野菜料理を加えると、目標レベルに近づけそうですね。
ふたりとも毎日野菜を摂るようにしているようですが、測定結果は平均値を超えるか超えないかというレベル。やはり、野菜などを継続的に十分な量摂取するには、もうひと工夫必要なようです。
「隠れジミ」の減少効果が期待されるのは、
にんじんに多く含まれる「β-カロテン」だった!
「緑黄色野菜のカロテノイドが『隠れジミ』予防につながる」ということでしたが、特におすすめの栄養素や食材はあるのでしょうか?
カロテノイドのひとつであるβ-カロテンは、肌に蓄積されやすく、常に肌に蓄えておくことで『隠れジミ』の予防機能が期待できます。しかし、β-カロテンは体内でつくり出すことができないうえ、日々の生活の中で減ってしまうため、β-カロテンを含む『にんじん』などの食材から継続して補給することが重要です。
(渋谷先生)
β-カロテンを効率よく摂取したい人には「にんじんジュース」がおすすめ
(c)Adobe Stock
野菜を効率的に摂取するには、そのまま食べるだけでなく、手軽に飲めるジュースなどで取り入れるのも手。
生野菜に比べると加工した野菜は栄養成分が減少してしまうイメージがありますが、β-カロテンは野菜ジュースにすることで約1.5倍も吸収率が高まる※3ことがわかっています。またβ-カロテンは脂溶性のため、油をプラスするとさらに体内に取り入れやすくなる特徴が! 野菜そのもので食べる場合は、油で炒めて食べるのもよいですね。
(渋谷先生)
※ジュースにすることで吸収率が上がる栄養素にはリコピン、β-カロテン等があります。
※野菜は加工によって失われる成分もあります。
※3:β-カロテン Livnyら(Eur.J.Nutr., 2003)
「隠れジミ」の予防には、外からのケアだけでなく、カロテノイドを多く含む緑黄色野菜を日常的に摂取することが大切だとわかりました。より効率的に取り入れるには、β-カロテンが豊富な「にんじんジュース」などもおすすめ。「隠れジミ」対策だけでなく、健康のためにも毎日の食生活で、賢く「カロテンチャージ※4」を取り入れていきたいですね!
※4:β-カロテンを摂取すること
協力/カゴメ
問い合わせ先/カゴメお客様相談センター
撮影/石山貴史 ヘア&メイク/甲斐美穂(ROI) 構成/木戸恵子
表参道スキンケアクリニック
渋谷友香先生
東海大学医学部卒業。卒業後は大学病院の形成外科にて勤務。美容外科・美容皮膚科の「表参道スキンクリニック」の名古屋院 院長、表参道院 医師を兼任。「外見が美しくなることで自信を持って内側から輝いてほしい」という想いから、ひとりひとりに合わせた美容医療を目ざしている。