相手や場面に応じて「拝見しました」と使い分け、加減を調整しましょう。
取引先への「拝見いたしました」の使い方とマナー
「拝見いたしました」は、好印象を与える敬語として標準的です。感謝の言葉を添えて使うとより丁寧さが増します。
例:「拝見いたしました。ご丁寧にご準備いただき、ありがとうございます。」
カジュアルな場面ではどう使う?
社内チャットや気軽なやり取りでは「拝見しました」や「確認しました」など、簡潔な言葉で十分です。反対に過剰敬語は浮いてしまうため、注意してください。

「拝見いたしました」を使ったビジネスメール例文集【シーン別】
様々なシーンで応用できる例文を用意しました。ぜひ活用してください。
資料や添付ファイルを受け取ったとき
相手から受け取った資料を確認したことを伝える際には、「拝見いたしました」を用いることで、丁寧な対応の印象を与えやすくなります。
【例文】
「ご送付いただきました資料、拝見いたしました。大変丁寧にご準備くださり、誠にありがとうございます。引き続き、よろしくお願い申し上げます。」
内容に感謝の一言を加えることで、形式的な事務的報告にならず、やわらかい印象を残すことができます。

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相手からの報告や連絡に返信するとき
問い合わせや報告メールへの返信では、相手の文面に目を通したことを伝える必要が出てきます。ここでは、あくまで確認段階であることを示すとともに、今後の対応を予告する表現が適しています。
【例文】
「ご連絡いただきました件、拝見いたしました。内容を確認のうえ、改めてご返信申し上げますので、少々お時間をいただけますと幸いです。」
返信の予定や対応意志を合わせて伝えることで、相手に安心感を与えることができます。
添付ファイルを確認したとき
添付ファイルの閲覧報告は、簡潔でありながら、丁寧さを損なわない表現が求められます。確認が完了した旨に加え、問題の有無に触れておくと、やりとりが円滑になります。
【例文】
「お送りいただいた添付ファイル、拝見いたしました。特に問題ございませんでしたので、このまま手続きを進めてまいります。」
スムーズな流れを示す表現により、相手側も次の動きが取りやすくなります。
クライアントへ報告するとき
取引先やクライアントに対しては、丁寧な敬語とともに、報告の根拠が伝わる表現が好まれます。閲覧したことに加えて、具体的な受け止め方やアクションを記載すると信頼感につながります。
【例文】
「本日ご提供いただきましたデータ、拝見いたしました。内容を確認のうえ、社内にて検討を進めております。改めて今週中にご報告差し上げますので、よろしくお願いいたします。」
状況説明と今後の見通しを添えることで、形式的な報告にとどまらない丁寧な印象を与えることができます。
最後に
- 「拝見いたしました」は正しい敬語で、目上の人にも使える表現です。
- 「拝見しました」と使い分けて、相手や場面に応じて選びましょう。
- 「拝見させていただきました」は二重敬語なので避けるのが無難です。
「拝見いたしました」は、謙譲語と丁寧語を組み合わせた複合敬語で、二重敬語には当たらず、ビジネスシーンで広く使われています。とはいえ、相手との距離感や文脈を考慮し、「拝見しました」や「拝見いたしました」を適切に使い分けることが、スマートな敬語運用のコツです。本記事の解説と例文を参考に、正しく丁寧な表現で信頼されるコミュニケーションを目指しましょう。
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執筆
武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
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