ふたごの兄弟、「お兄ちゃん」をジャンケンで決める!? 【しまおまほのおしえてコドモNOW!】 | Domani

Domani

ニッポンのワーママはかっこいい!

  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • line
  • youtube
  • search
 

LIFESTYLE子育て

2019.12.27

ふたごの兄弟、「お兄ちゃん」をジャンケンで決める!? 【しまおまほのおしえてコドモNOW!】

おしえてコドモNOW!は、エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出すというもの。毎回登場するのは、お話が得意な子もそうでない子も。コドモ連載の第2回が始まります~。

Tags:

第2回:アヤタくん(10歳)とハルタくん(10歳)

兄の権利はジャンケンで決める!?

アヤタくんとハルタくんは、ふたご。現在小学5年生で家の近所にある区立小学校に通っています。家族はお父さん、お母さん、そして保育園に通う4歳の弟コースケくんの5人。ふたりとも同じサッカー部に所属し、MVPの常連でもある実力派です。

ハルタ:昨日、幽体離脱してメッチャおもしろかった。

まほ:えっ、幽体離脱……?

アヤタ:それを動画に撮って……。

まほ:それ、どういうこと!?

アヤタ:下になるとコイツ(ハルタ)が重くて痛かったけどね。

まほ:……ああ! ザ・たっちね。

ハルタ&アヤタ:(うなずきながら)そうそうそう。

父:これがその動画で……。

まほ:……ハハハハ! あーこれはいいね。面白い! 真横じゃなくて、下の人が見えないアングルで撮るのがコツだね。そっくりだから、本当に幽体離脱に見えるよ!

アヤタ:ハルタは俺より重い。

まほ:双子でも体重違うんだ。

ハルタ:うん。ウチのほうがちょっとおっきいから。132センチ、25キロ。コイツ(アヤタ)がひゃくにじゅ……。

アヤタ:129センチ23キロ。

まほ:先に出てきたのはどっち?

アヤタ:俺が3分早めに出てきた。

まほ:後から生まれた方がお兄ちゃんなんだっけ。

ハルタ:昔はね。昔はそうだった。

まほ:今は違うんだ。

かつては、先に生まれた子を第二子としたようですが、今は順番通りに数えられるそうです。

まほ:じゃあ、アヤタくんがお兄さんってこと?

ハルタ:いや、違う。それは、正直言って……じゃんけんで決めた。

まほ:えっ!そうなの?

ハルタ:うん。

まほ:で、どっちがお兄さんになったの?

ハルタ:ウチ。

まほ:それ、いつくらいに決めたの?

アヤタ:去年くらい。

ハルタ:なんかさーコイツが「もうお兄ちゃん飽きたからあげるよ」って言いだしてさー。

まほ:それでじゃんけんすることになったの?

ハルタ:うん。

まほ:そこはあくまで勝負するんだね。譲渡するでもなく。アヤタくんはどうしてお兄ちゃんに飽きた?

アヤタ:なんかお兄ちゃんてさーなんていうの? なんかさーなんていうか……。

まほ:責任?

アヤタ:そうそれ、責任がさーあるっていうか……。

まほ:「お兄ちゃんだからガマンしなさい」とかあるわけ?

アヤタ:いや、そういう差別はない。

まほ:差別(笑)。

アヤタ:もっと前は500円で売った。

まほ:兄の権利?

アヤタ:昔ね。

まほ:そんなコロコロ兄と弟がやりとりされてるのかー。

見分け方の秘訣、聞きました。

まほ:ふたりの見分け方教えて。

ハルタ:コイツが目が片方二重でウチが一重。

まほ:難しい(笑)。

ハルタ:お母さんも昔片方一重で、なんか道具で二重にしてたら二重になったって。

まほ:(笑)。

母:ハハハ……。

ハルタ:でもね、あのね、一重って集中できるらしい。

まほ:そうなの!?

アヤタ:視野が狭いほーが集中できるって。

まほ:何で知ったの?

ハルタ:さんまのテレビ。

まほ:「ほんまでっか」か。

ハルタ:そう。

まほ:お母さんは、妊娠中に双子だって聞いてどう思いましたか?

母:若い頃に世界を旅していたんですが、一時帰国中に婦人科健診で治療が必要かもしれないと言われていたんです。帰国後の治療を決めて旅を続けた中でインドで偶然知り合った男性に「お前には絶対男の子が二人できるから心配するな」と言われ。その人の勧めもあり、インドで独特な(笑)治療をしました。

まほ:独特って……。

母:そこは秘密(笑)。それで旅を終えて帰国し、再検査したらすっかり良くなっていて。その後現在の夫に出会い、自然妊娠したんです。

まほ:すごい……小説みたい。

母:初めての診察の時に、「二人いるね」と言われ、あぁインドで聞いたのはこのことだったのかと涙しました。苦労や不安よりも先に、やっと出会えたという感動の方が大きかったです。

まほ:アンビリーバボー!

双子がお腹にいるのって、どんな気分なのかなーと軽い気持ちで質問したのですが、お母さんからは驚きのエピソードが。

そんな神秘の中で誕生し、成長したアヤタくんとハルタくんですが、いたって平穏な小学校生活を送っているようです。

ハルタ:この前さー、下駄箱の下の板に……。

まほ:すのこ?

ハルタ:そうそう、それに「ブルゾンちえみ」と「みやぞん」って落書きがあってさー。

まほ:うんうん、それで?

ハルタ:落書きがあって……あったって話。

まほ:(笑)。

移動教室の夜にあった男子のヒミツ。

父:ホラ、この間のあれ言えば?

アヤタ:え?  なんだっけ

父:遠足で……弁当の話。

ハルタ:ああ! あのね、この前の川場村で弁当自分で作った!

「川場村」とは群馬県にある世田谷区の交流地区で、区の小学生は5年生になると2泊3日の移動教室に行くのです。わたしも5年生の時に行きました。

まほ:すごいじゃん。

ハルタ:ほぼオレー、ほぼオレーが作りましたあー!

まほ:どっち泊まった?

ハルタ&アヤタ:ふじやまビレッジ‼︎

川場村にある2つの宿泊施設「ふじやまビレッジ」と「なかのビレッジ」。子どもにとってはどちらに泊まるかって結構大問題なんですよね。あくまでイメージですが「ふじやま」の方が名前が立派な気がしてみんな「ふじやま」に泊まりたがるのです。

まほ:「ふじやま」かー。いいなー。わたしは「なかの」だったなあ。

ハルタ:いまや「ふじやま」じゃなくて「初恋ビレッジ」だから。

まほ:どういうこと?

ハルタ:2日目のーあの、2日目のー(興奮気味)。

アヤタ:2日目のご飯の前!

ハルタ:そそ、2日目のご飯の前にー男子のほぼ全員が告白してほとんど成功した。

まほ:は!?

アヤタ:ねー。

まほ:みんな成功って、おかしくない?

ハルタ:(興奮気味)ひとりが始めて、あ、じゃあオレも行くよとかなって、みんなやりはじめた。

まほ:でも、好きな子ってかぶらないの?

ハルタ:いや、2人くらいしかかぶらなかったよ?

アヤタ:ウンウン。

まほ:それでほぼ全員成功ってどういうこと?

ハルタ:ダメだったら2人目に告白。

まほ:えーなにそれー。なんでそんなに軽々しく告白とかできちゃうの?

ハルタ:いや、そんな、めちゃくちゃ時間かかるよ。

まほ:(笑)

ハルタ:「や、どうしよう、待って待って待って」「やれよ、やれよ」「ちょ、待って待って」……て言って。

まほ:あーモジモジタイム。

ハルタ:ウチもどういう返事が来るかわかんないから眠れなかったもん。

まほ:すぐ返事来ないんだ。

アヤタ:次の日に来る。

まほ:ハルタくんも時間かかったの?

ハルタ:ウチは言葉じゃなくて、手紙。渡すのに時間かかった。

まほ:なんて返事きた?

ハルタ:教えない(ニヤニヤ)。

まほ:他の人はどんな返事もらったの?

ハルタ:それも言えないな。

まほ:なんだよー。成功したら付き合うの?

ハルタ:いや、言うだけ

まほ:ますます、なにそれ!

父:タピオカデートしてたじゃん。

まほ:えー!

アヤタ:いや、でもオレが告白した女性は来なかった。

まほ:女性(笑)! アヤタくんも行ったの?

アヤタ:オレもいた。

ハルタ:コイツの女性も来てたらトリプルデートになってたよな。

まほ:(笑)!

母:タピオカ飲むお小遣いないって言うから、「バカヤロー! デートなら出してやる! 」ってお金持たせたんだよね。

ハルタ:うん。でも結局来なかった。

まほ:アヤタくん大人しいね。疲れた?

アヤタ:いや……。

母:ハルタ疲れしてるんだよね。

アヤタ:まあ、そんな感じ。

まほ:なるほど、ハルタくんおしゃべりだもんね。やっぱり、双子でも違うんですね。

母:双子の妊娠が分かってすぐに、SNSの双子コミュニティに入ったんです。双子の“親”コミュニティだとどうしても親目線なので、当事者だけのコミュティに。

まほ:たしかに、普通の子育てとは違いますよね。

母:双子が親や周りに言われて傷ついたこと、不思議な体験、お互いに対して思っていること、日常の様子などを学びましたね。

アヤタ:ハルタはねー、サッカーの練習とかしてても、友達来たら行っちゃうタイプ。

まほ:アヤタくんは……?

アヤタ:ちゃんとやる。

母:帰ってきて、洋服着替えたり、足洗ったりっていう準備も……。

ハルタ:ウチはやんない。靴下も、右と左が違うのも平気。

アヤタ:そうされると、オレが履く靴下もドンドン変になってくる。

まほ:靴下は共有だとたしかに困るね。洋服は?

ハルタ:いや、別。無い時は借りるけど。

母:なんとなく、アヤタは青っぽい服にしてますね。ハルタは派手めで。

父:服が混ざると全然わかんない。

ハルタ:黄色とか白はウチ。

まほ:髪型は……?

ハルタ:美容院に行って、別々の髪型をお願いしても、結局同じじゃね? って見た目になる。

まほ:なんでだろうねえ。

ハルタ:前にサッカーのコーチから、「どっちかわかりやすいように坊主にしろ」って言われて、ハンサム坊主にしたんだけど……。

まほ:ハンサム坊主?

ハルタ:上がちょっと長い。

まほ:初めて聞いた。ハンサム坊主(笑)。

ハルタ:ま、結局伸びて同じになるね。

母:学校の成績はほとんど一緒ですね。

まほ:そうなんだ!

ハルタ:テストとか、間違ってる場所は違うけど、点数は同じとか。

まほ:へー。不思議だね。

アヤタ:まあ、サッカーはオレの方が確実にうまいね。意識も高い。

ハルタ:んーディフェンスはね。ウチはオフェンスうまいから。どっちもどっちだね。

「ハルタ疲れ」した、なんて言いつつもふたりはずっとくっつきっぱなし。「いくら喧嘩したってそばを離れることはないから不思議」、とお母さんは言っていました。兄も弟もいつでも交換できちゃう、兄弟のようで友達のようでもうひとりの自分のようで。うらやましくなっちゃいました!

つづく

ママからのひとこと。

大人も子どもも、自分の話をじっくり聞いてもらえるのって嬉しいんだな、と再確認したインタビュー。とにかく、しゃべる、しゃべる!(笑) 本人たち曰く「兄弟じゃなくて、相方とか片割れ」という感覚だそう。いつもお互いを気にしていて、つるむと最強! だけど、負けたくはない。そんなふたりの関係が、言葉のはしばしに感じられて、笑っちゃいました。今日もきっと寝る直前まで、ふたりでじゃれ合ってるんだろうなぁ。
 母(写真事務所経営&建築設計事務所勤務)より

「しまおまほの教えてコドモNOW!」連載一覧はこちら

文・絵/しまおまほ 編集/小川知子  デザイン/根本真路

エッセイスト、イラストレーター

しまおまほ

1978 年生まれ。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。

Domaniの試し読み・購入はこちらへ

Read Moreおすすめの関連記事