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LIFESTYLEいい女マナー系

2018.02.10

人気女子アナのその後の人生ー謹慎・退社からのリスタート|弁護士菊間千乃さん

第一線で活躍し続ける40代のあの人にももやもやしている時期があった!そんなもやもやとスッキリまでの道のりを語っていただきました。

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だれしも経験するモヤモヤ30代を経て、40代の今はスッキリ。そんな、少しだけ先を行く先輩たちの体験談を聞きました。

関連記事:30代女性が経験した私たちの〝モヤモヤ〟経験、あんなことこんなこと

「結婚して子供を育てながら、報道の仕事を続ける」
そんな人生設計がくずれてからが、本当のスタートでした

年齢の壁、仕事がなくなる不安はいつも隣り合わせ

フジテレビのアナウンサーとして、〝朝の顏〞を務めていた菊間千乃さん。大好きだった会社を35歳で辞め、弁護士に転身。合格まで寝ても覚めてもすべてを勉強に注いだ。華やかな世界からあえて険しい道を選んだきっかけは、女性アナウンサーならではの〝壁〞だったという。

「30歳手前で長年つきあっていた彼との結婚がなくなってしまって。28歳で結婚して、30でひとり目の子供を産んで、32でふたり目を産んで復帰する…そんな人生設計がくずれ、まぁ、次の出会いが来るまでは当面仕事に生きるしかない!と思っていました。ただ、30代になってから、20代のペースで仕事ができると思えなかったんです。私が入社したころは、35歳を過ぎて、バリバリ第一線で働いている先輩は少なかったので。レギュラー番組を持っていても、番組改編のたびに終わるんじゃないかとドキドキしていました。新人のころはお休みがあると不安で、土日も働きたいって思っていたくらい。女性アナウンサーは20代が勝負みたいなところがある一方、男性アナウンサーは、圧倒的に寿命が長い。

当時は、男女平等なんて考える前に、そういうものだと思っていました。もともとその危機感は持っていたので、入社時に、アナウンサーを10年やったら司法試験を受けるって会社に届け出ていたんです。法律という付加価値をつければ、女子アナ寿命を延ばせるんじゃないかって。そうしたら、ちょうど10年目にロースクールができたんですよ」

32歳で働きながらロースクール(法科大学院)の夜間クラスに通い始めた。しかしまもなく、未成年との飲酒騒動で一時は謹慎に。

「家や学校までマスコミに追いかけられ、世間に色眼鏡で見られる中、一生徒、一クラスメイトとして接し、さまざまな形でサポートしてくれた先生や同級生に本当に救われました。同時に、噂や情報で人を判断しない弁護士という職種の方々に惹かれました。数々の有名事件を担当してこられた先生方から、事件の背景や依頼者との密な関係、苦難を共に乗り越えたときの喜びを聞くにつれ、自分もこんな先生方と同じ業界で働いてみたいと思うようになりました。

仕事と勉強の両立に限界を感じ、ロースクール4年生になるときに、退社を決意しました。会社のみなさんは心配してくださって、 受かってから退社すればいいじゃないかと。ありがたいことですが、どうすればしっかり勉強できるのか自分がいちばんよくわかっている。私は小さいころから人の何倍も努力しないと結果が出ないタイプなんです。覚えるのにも時間をかけて何度も書いて体に染み込ませないといけなくて。落ちたときに『仕事があったからダメだったんだよね。辞めてたら受かったのに』と言い訳をしながら残り25年の会社員人生を生きるのは、嫌だなぁって思いました。怖かったけど、これまで頑張ってきた過去の自分が背中を押してくれたように思います」

留まったら澱んでいく 動くことで流れは変わる

1回目の司法試験は不合格。当時ロースクール卒業後に受験できるのは3回まで。追いこまれてはモヤモヤをつのらせた。

「成績がなかなか上がらなくて、勉強中に涙がこぼれるんです。勉強がイヤになってふて寝をしても、あーこのままここで死んだら、『元フジテレビアナウンサー(無職・38)孤独死』って書かれるんだろうなって思うと、怖くて怖くて。また机に向かうという繰り返しでした。ある日テレビをつけたら、夫婦でチーズを食べるCMが流れたんです。その幸せが私にはすごく遠く見えましたね。あんな平穏な日々が私にはやってくるのか、会社を辞めなければ…と頭をよぎったことは何度もありました」

38歳、2回目の挑戦で晴れて合格。尊敬する弁護士の事務所に入所し、弁護士として多忙ながら充実した日々を送っている。

「今は本当に楽しいです。事件のことはいつも考えていますね。同時に20件30件動いているのでやらなきゃいけないことが多すぎて、明後日以降のことは考えられません(笑)。それでも楽しいのは、必要とされていると思えるからでしょうか。事件自体は精神的に辛いものも多くて、落ち込むこともあるんですが、事務所の先生方に愚痴を聞いてもらって、アドバイスをいただいて、復活しています(笑)。クライアントさんにも恵まれていて、仕事を通して育てていただいているという感じがします」

プライベートでは、40歳のときはまだ独身。「〝なぜ結婚できなかったのか〞を、検証してみたんです。会える元彼には会ってみたりして。結論としては、あのとき結婚しておけばよかった…と思うことはなくて、『縁がなかったんだからしょうがない!』と確認できてスッキリ(笑)。その後、42歳で大学の同級生と結婚しました。司法試験に受かったときにFacebookで『おめでとう』と連絡をくれたことが始まり。子供が欲しくて病院にも通ったのですが、なかなか授からなくて今に至ります。残念とは思うけどそれも人生。抗っても仕方ないところは受け入れ、そこに留まらないようにしています。水も留まっていると澱んできますが、動いているうちに流れがよくなって澄んでいきますよね。

35歳を過ぎたら、あれもないこれもないではなくて、自分にはあれもこれもあると肯定してあげる。今まで頑張ってきた自分を褒めてあげましょう。このアイテムがそろっていなければ幸せになれません、なんてことはないですよ。欠けてる部分があったっていい。弱いとこもダメなとこも全部丸ごと受け止める。等身大の自分と向き合って、あ、自分なんてこんなもんよねと開き直っちゃうと、きっと人生は楽しくなると思いますよ」

菊間さんのモヤモヤヒストリー

30代のモヤモヤ
30代目前で結婚の予定が白紙になり、アナウンサーという仕事にも迷いが
ロースクールに通い始める
謹慎で全番組を降板
フジテレビ退社
1回目の司法試験に落ち、司法浪人で勉強漬けの日々
2回目の司法試験に合格
第1志望の法律事務所に入所

40歳を過ぎて…
結婚
弁護士として常時20件以上の案件に携わり、多忙ながら充実の日々

弁護士

菊間千乃さん

1972年東京都生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、アナウンサーとしてフジテレビに入社。「めざましテレビ」や「発掘!あるある大事典」などの人気番組を担当。2005年に大宮法科大学院大学へ入学。2007年にフジテレビを退社後、2010年に2度目の受験で新司法試験に合格。2011年より弁護士法人松尾綜合法律事務所に入所。著書に『私が弁護士になるまで』(文藝春秋)など。
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Domani12月号 スッキリ40代に聞く!モヤモヤ30代の〝切り抜け方〟より
本誌構成時スタッフ:撮影/中田陽子(MAETICCO) 構成/佐藤久美子、山梨智子(本誌)


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