「昭和な?小学生4年生りんたろうくん」 の巻【しまおまほのおしえてコドモNOW!】 | Domani

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2020.11.13

「昭和な?小学生4年生りんたろうくん」 の巻【しまおまほのおしえてコドモNOW!】

おしえてコドモNOW!は、エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出すというもの。毎回登場するのは、お話が得意な子もそうでない子も。コドモ連載の第34回が始まります~。

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第34回:りんたろうくん(10歳)

すっかりリモートワークが当たり前になったこの頃。今回のこどもNOWもリモート取材でお届けします。画面の向こうに現れたのは色白で細面なりんたろうくん。取材が始まる直前まで宿題をしていたそう。連載をしていて本当に感心するのですが、取材した子どもたちはみんな遊ぶ前に宿題を済ませていると言うのです。今の小学生はサボる子がいないのかしら? わたしなんて全部後回しだったけどなあ……。

そんな訳で、宿題を終えスッキリしたりんたろうくんにインタビューです。挨拶をするとすぐに隣にいたお父さんは席を外しました。「僕がいない方がりんたろうは喋るんで」とのこと。

歴史の長い小学校に通っています。

まほ:こんにちは。

りんたろう:(黙ってお辞儀)

まほ:宿題やってたんだってね。

りんたろう:……はい。

まほ:夜ご飯はもう食べた?

りんたろう:……まだです。

まほ:……学校はどう?

りんたろう:うーん……まあまあ。

まほ:通常授業なんだよね。

りんたろう:でも……まだ給食は前を向いて食べてて……。

まほ:ああ、喋っちゃいけないって聞くよ。

りんたろう:そう……喋れない。

まほ:今10歳なんだよね?

りんたろう:……うん。

まほ:「2分の1成人式」やる年なんじゃない?

りんたろう:(眉間に皺寄せ、渋い顔をして)いや~ない。

まほ:あ、今どこでもやるのかと思ってた。

りんたろう:うちは前からなかった……たぶん。

まほ:そうか、そうか。じゃあ、りんたろうくんの小学校ってどんな感じの学校なんだろう。

りんたろう:うーん……古い。

まほ:校舎が?

りんたろう:いや、あの、年代が。

まほ:昔からあるってこと?

りんたろう:うん。

まほ:学校が昔からあるっていうのは、何がきっかけで知ったの? お祭りがあったとか?

りんたろう:入学式の時、140周年って言われて……。

まほ:140周年! それは歴史が長いね。わたしも入学式の時のことって意外と覚えてるな。2年生がキラキラ星を歌ってくれたこととか……。りんたろうくんも覚えてる?

りんたろう:うーん……何歌ったかはちょっと……。

まほ:まあ、そうか……。

りんたろう:あ、2年生の人が演奏を披露してくれた。

まほ:2年生の人(笑)。何の曲だろう。

りんたろう:えーっと、何だっけな……昭和の歌。

まほ:昭和の歌!

りんたろう:うーん、ソファ、レファ、ソ……。

まほ:えっ音符で覚えてるの!?

りんたろう:自分も2年生の時に演奏したから……。

まほ:そうかそうか。歌では覚えてないんだ。

りんたろう:うん、指の位置で……。

まほ:ピアニカかな。

りんたろう:うん。ミ、ソ、ミ、ソ……次は高いド? かな。

まほ:ちょっと待って、ピアノのアプリダウンロードして弾いてみる。

りんたろう:何だっけな……。

まほ:よし! ダウンロードできた! ソファ、レファ……わー音譜だけわかってもテンポわかんないと曲にならないね。ミ、ソ、ミ、ソ……。

りんたろう:……あ! 思い出したー!

まほ:なに!?

りんたろう:「学園天国」!

まほ:「学園天国」かー! それを入学式に演奏するんだ! そして、確かに昭和!

りんたろう:ハー(満足そう)。

まほ:よく「昭和」感をわかってるねえ。

りんたろう:お母さんたちが言ってた。

まほ:確かに。「学園天国」聴いたらわたしも「昭和だね」って言うわ。じゃあさ、りんたろうくんにとって「昭和」ってどんな時代のイメージ?

りんたろう:……うーん、戦争が終わった時代。

実は昭和なものが好き!

最初は照れ気味だったけど、だんだんエンジンがかかってきたりんたろうくん。様子を見に部屋にお父さんが入ってきました。

りんたろう:ねえねえ、昭和ってどんな時代? 

まほ:お父さんに聞いたら、答えられるに決まってるよー。

父:何言ってんだよ。りんたろうが好きなもの全部昭和じゃん。

まほ:そうなんですか?

父:好きな映画は?

りんたろう:ジャッキー・チェン(即答)。

父:アニメは?

りんたろう:アラレちゃんと、ガンダム(即答)。

まほ:ヘェ~! わたし、ジャッキー・チェンに会ったこと、あるよ!

りんたろう:えっ(目を輝かせる)。

父:スゲー!(興奮)

まほ:ガンダムって言っても色々あるんだよね?

りんたろう:話は「Zガンダム」が好き。「機動戦士」の方はモビルスーツの形が好き。

りんたろうくん、鼻息が荒くなってきて、お父さんの方をチラチラ見ながら話しています。りんたろうくんのご両親は古本屋さん。きっとお父さんとお母さんが「昭和」の先生なんですね。

まほ:ガンダムで好きな話とか、説明してもらえる?

りんたろう:エピソード40(即答)。「エルメスのララァ」。ララァとアムロが分かり合える回。これは運命……とかそういうのが解ってくるのが面白い。

まほ:ララァって女の子?

りんたろう:うん。

まほ:2人は恋人同士なの?

りんたろう:うーん、まあまあ……かな。ニュータイプ同士で……。

まほ:うーむ、これはガンダムが解っていないと全くついていけないな……。りんたろうくんは、どんな風にガンダムを見るんだろう? 共感したり?

りんたろう:自分がアムロの気持ちになって「この運命だったら、自分はどうだったろうなー」って考える。

まほ:ちなみに、アラレちゃんだけど。どんなキャラが好きなの?

りんたろう:ウンチ。

まほ:(笑)

今時の小学生らしからぬ!? 好きなドラマは?

りんたろう:あの……結構前の話になっちゃうけど、聞いてもいいですか。

まほ:はいはい。

りんたろう:……ジャッキー・チェンに会った時ってどんなだった?

まほ:ああ(笑)。たぶんりんたろうくんと同じ歳の時に、香港に家族旅行で行って。ペニシュランホテルって高級ホテルのロビーにある喫茶店でお茶だけしようって入ったの。高くて泊まれないから。そしたら、ジャッキーが打ち合わせかなんかしてたんだよね。サイン貰って、写真も撮って貰った。

りんたろう:へ~。

まほ:ジャッキーの映画では何が好きなの?

りんたろう:『酔拳』。

まほ:新しい方?

りんたろう:いや、一作目。

まほ:りんたろうくんは有名人に会ったことないの?

りんたろう:うーん……ないけど……家の前なら通ったことある。

まほ:誰の家の前?

りんたろう:伊東四郎の家。

まほ:今やってるテレビとかは観てる?

りんたろう:うーん……「時効警察」観てる。Amazonプライムで。

まほ:これまた、今時の小学生らしからぬ……。

りんたろう:「帰ってきた時効警察」と「時効警察はじめました」……。くだらない感じが好き。

まほ:今は「鬼滅の刃」とかじゃない?

りんたろう:いやー……観ない。観ようとも思わない。

まほ:えーそれじゃあ友達と話できないでしょう。

りんたろう:趣味が合うヤツがいない。

まほ:話を合わせるために観てみようとか思わないの?

りんたろう:ない。まったく興味がない。

まほ:ゲームは?

りんたろう:ない。

まほ:「あつ森」とか……。

りんたろう:いやー興味がまったくないから。

まほ:任天堂Switchは?

りんたろう:欲しくない。

まほ:ほえ~。

りんたろう:あ、タカシが来た。

まほ:友だち?

りんたろう:いや……。

まほ:あ、お父さん。お父さんのこと「タカシ」って呼んでるんだ。

父:そう仕向けたワケじゃないんですけど。「お父さん」って呼んでくれないんですよ。一度も。

まほ:お母さんのことは?

りんたろう:「ねえねえ」って呼ぶ。

父:でも、おじいちゃんおばあちゃんは「ジイジ」「バアバ」だよな。あ、でも僕の父親のことは「お父さん」って呼んでるな。僕や母がそう呼ぶから。

まほ:それよりお父さん、りんたろうくん、Switch欲しくないらしいですよ。

父:そうなんですよ。買ってあげるよって言っても「いらない」って。

まほ:スマホは欲しいんじゃない?

りんたろう:欲しいと思ったことがない。

まほ:すごい。尊敬しちゃう。仲良い友達はいる?

りんたろう:いる。ダイチとか。

まほ:ダイチとは何話すの?

りんたろう:リレーの順番とか。「あいつ早いから後ろの方だな」とか。

まほ:(笑)。

りんたろう:あと、係の話。

まほ:何係なの?

りんたろう:新聞係。

まほ:へえ~りんたろうくんの作る新聞、面白そうだなあ。編集長はりんたろうくん?

りんたろう:そういうの、決めないようにしてる。決めても面白くないから。

まほ:お父さん、読んだことありますか?

父:ないですねえ。持って帰ってきたことないよね?

りんたろう:欲しい人がいると、持って帰れるんだよ。

まほ:人気なんだ。

りんたろう:まあね。

まほ:新聞に名前はついてる?

りんたろう:ちょっと前まで「4の3おもしろ新聞」。今は「わくわく新聞」。

まほ:趣味の話だけど、友達と話したいなあって思わない?

りんたろう:思わない。押しつけても相手がわかんないと面白くないから。

まほ:大人だなあ。逆に鬼滅とかの話について行こうとは……。

りんたろう:思わない(キッパリ)。知ったかもすぐバレる。知ったかぶりやってたら、絶対バレるんだよ。

怖いのは、おばけよりも毒性のある生き物。

まほ:じゃあさ、りんたろうくんは1人でも嫌じゃないんだ。

りんたろう:うん、1人は全然だいじょうぶ。

まほ:なんか苦手なものとか、怖いものとか……。

りんたろう:うーん(渋い顔)。……ナイ。

まほ:オバケは?

りんたろう:信用してない。

まほ:信用(笑)。

りんたろう:一切、ってことはないけどぉ……まあ、信じてない。

まほ:お化け屋敷とかも平気?

りんたろう:お化け屋敷に入ったら、オバケに弁慶の泣き所ぶたれたことある。

まほ:ああ、怖いというより痛いね。

りんたろう:オバケが転んで……。

まほ:オバケが転んだら怖くないねえ……。夜に家でひとり、とかは怖くないの?

りんたろう:ここら辺セミとか何かしら虫とか鳴いてるから、怖くない……。……静かすぎるのは、ちょっと怖いけど……。

まほ:なるほどね。

りんたろう:……生き物とかが……。

まほ:あ、生き物が怖いんだ。虫とか?

りんたろう:……毒蛇とか……こうもりとか。

まほ:はは~毒や菌を持っている系かな?

りんたろう:蜂は、1回目は大丈夫だけど、2回目が怖い。

まほ:アナフィラキシーってやつだ。

りんたろう:コウモリは糞に毒性がある。

まほ:へえ~そうなんだ。毒が怖いんだね。

りんたろう:人間を襲ってきたりするのが怖い。

まほ:この間、ロシアで政治家が毒をもられたけど、知ってる?

りんたろう:知らない。

まほ:毒が怖いっていうのは、なんか、本でも読んだの?

りんたろう:(黙ってうなずく)

まほ:でも、滅多にないでしょう。毒蛇が襲ってくるとか。

りんたろう:まあ、血清があるからねえ……。サンゴヘビだったらイヤだな……。

まほ:サンゴヘビ、怖いんだ。

りんたろう:一番猛毒がある。

Switchにも鬼滅も興味が無くて、おばけよりも毒が怖いりんたろうくん。冷静に物事を見据えているようなちょっと不思議な男の子でした。1年後、2年後の彼はどんな考えを持っているんだろう。また聞いてみたいな。

ママからのひとこと

穏やかで優しく芯の強いりんたろう。君の好きな事はこれからももっともっと増えて、その沢山の好きな事を誰かと共有したりお喋りしたりするのがとても楽しいと思えたなら、それはすごく素敵だよね! 君の好きな事は今よりいくらだって楽しめる、面白くなる。そんな時間がこれから溢れますように!
                               母(古本屋)より

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文・絵/しまおまほ 編集/小川知子  デザイン/根本真路

エッセイスト、イラストレーター

しまおまほ

1978 年生まれ。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)など。初の本格長編恋愛小説『スーベニア』(文藝春秋)が発売中。

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