こんにちは、editor_kaoです。
前回のコラム【vol.85 大人のメガネ選びが難しすぎるPart2 完結編】で、メガネを購入した際に、あまりにわからなすぎて店員さんのセンスに頼ったという話を書きましたが、そのときに思い出した出来事があります。
インフルエンサー発のブランドって、どうして増えてるの?
最近デビューしているブランド、いわゆるデザイナー発信ではなく、ファッションディレクターやインフルエンサー、いわゆる芸能人といった方のものが、また増えてきたなぁと感じていて。でもアイテムを見てみると、その人の個性がすごく出ているわけでなく、ときにはかなりベーシックなこともあるから、これはどういう現象なんだろうと、ぼんやり思っていました。で、ある日友人に「確かに素敵ではあるけれど、わざわざこのブランドで買う必要があるのかな?」と尋ねてみると、こう返されたんです。
「みんな、何かしらの証明が欲しいのよね」
証明?いったい何の?
「だから、“この服は間違いない”っていう証明。服選びに自信がない人って、意外と多いと思う」
あー、なるほど。たとえばシンプルな白シャツが欲しいと思ったとしても、巷には膨大な数の白シャツがあふれている。でも自分の憧れる人が「これ!」と教えてくれたら、正しい買い物をしたと思える、ということですね。
今ならわかります、その気持ち。私だって一応、長年ファッションに携わってきた身だというのに、メガネを買うときは何もわからなすぎて、結局プロの目に委ねたんですから。職業としておしゃれについて考え続けてきたにもかかわらず、いざ自分のことになると、なーんにも判断できないことがあるんだと、まさか今になって実感するとは。
最新の悩み、センスのいいバッグチャームが欲しい!
もっと小さな話ですが、今の私がもうひとつ、悩み続けているおしゃれがあります。それが「バッグチャーム」。ハイブランドが提案して以来、今ものすごく人気ですよね。あれを私も試してみたい!と、ずっと思っているのですが、これがなかなか難しく。理想的なのは、いろんなモチーフのチャームをランダムに合わせて、バッグに遊び心をプラス……みたいなことなのですが、これこそ絶対的なセンスが必要!私はスタイリストやファッションディレクターではないので、高度なMIXテクニックなど、もちあわせていないのです。
あとこういう遊び心を伴うおしゃれは、身につける人のキャラクターが大事だと思っていて。いくらかわいくても、それほど好きでもないモチーフを取り入れるのは、なんだか抵抗がある……。たとえばアニメだったりスポーツだったりアーティストだったりと、好きなものがはっきりしていれば、迷わずにすむのですが。そこまで深く自分らしさを表せる(かつ身につけられる)ものって、私にはないな……(遠い目)。
インスタグラムで気になるチャームをスクショしたり、街で出会ったおしゃれな人のバッグをガン見たり、ブティックやセレクトショップだけでなく、雑貨屋さんなど、チャームがありそうなお店は軒並みチェックしたけど、どうにも私にしっくりくるものは見つからなさそう。もう疲れた……と、半ば諦めてしまいました。
かわいいチャームに、意外なところで出合う
ですが、ある日!これはまた違う友人なのですが、久しぶりに会ったら、バッグにかわいいチャームを付けていたのです。それはプードルみたいにもこもこした素材の、ミニポーチ。それ、私も欲しいんだけど!
「え、買えばいいじゃん!スリコで売ってるよ。330円とは思えないつくりよね」
ス、スリコなの!?今日の帰り、お店に直行します!
念のため申し上げておきますが、スリコとは「スリーコインズ」のこと。スリコはまだチェックしていませんでした。特定のモチーフではないけれど、素材がアクセントになって、手持ちのバッグが新鮮に映りそう。モチーフMIXまではいかなくとも、まずはここから始めたらいいのでは!それに形自体はシンプルだから、この先新しいチャームが見つかったら、プラスすることができます。
そういうわけで、今回は友人の持ち物を真似っこ!彼女もまた編集者なのですが、これまで、私以上に上質なものや美しいものを見てきた強者。彼女が選んだものなら正しいに違いないと、私も思ったわけです。
変なプライドを捨てて、欲しいものがあったら、誰の提案でも素直に受け入れる。この歳だからこそ、そういった小さなことに、こだわらなくなったのかもしれません。
【今日のひと手間】
これがスリコのプードルポーチ。ペットのような、モンスターのような雰囲気がかわいいです。色もブラックのほかに、ベージュやホワイトもあったのですが、まずはブラックで試してみることにしました。あまりに気に入ったら、色違いで買い足すかも!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ
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