「家族書」とは
両家の家族構成を記したものが「家族書」と「親族書」と言われるもので、結納の儀式の一つとしてお互いに交換するものです。家族書は本来、家族全員がふたりの結婚に賛成している証として交わしたものでした。最近では、「これから〇〇家として末永く、よろしくお願いします」という思いを込めて取り交わす意味合いが強くなっているようです。両家の親族を紹介することで話題づくりにもなり、より親密な関係のきっかけになります。
・「家族書」は必要か?
結納の際に家族書が必ず必要というわけではありません。お付き合いが長く、お互いの家族構成などは既に知っている。という場合は、事前に打ち合わせをして家族書と親族書を省略しても問題はありません。用意する場合は、書く内容や様式についても両家で合わせて決めておきます。
・結納をしない場合はどうするか
結納を取り交わさない場合、家族同士の顔合わせの食事会などで渡しても構いません。最近ではカジュアルな感じで「顔合わせのしおり」などを作られているケースも増えています。
「家族書」を書くポイントと文例
家族書を書くためのポイントと文例について解説していきます。
・「家族書」とは
家族書は一般的に二親等までを記載します。二親等とは、父母、兄弟姉妹、祖父母まで。しかし、兄夫婦と同居している場合などは、同居人も合せて書くこともあります。逆に祖父母が離れて暮らしている場合は省略することも。また、家族の中に亡くなられた方がいる場合には、名前の後ろに(亡)と入れることもあります。もちろん省略しても問題はありません。
・「家族書」の書き方
名前と本人との続柄だけというものから、住所や年齢、職業、学歴などを載せる場合もあります。どこまでの内容で書くかは、両家で相談して揃えておきましょう。
・「家族書」の文例
先頭に、「家族書」、もしくは「家族」と書き、次に、本人と二親等(父、母、祖父、祖母、兄弟姉妹)までを書きます。書き方は縦書き。毛筆の場合もパソコンや便せんに書く場合も同様です。
名前と続柄だけの場合は、右から順に、父、母、祖父、祖母、そして年齢順に兄弟姉妹、最後に本人となります。
母方の祖母と同居していて掲載する場合の例
※住所を記載、姉が結婚していて別居している場合
「親族書」を書くポイントと文例
親族書を書くためのポイントと文例について解説していきます。
・「親族書」とは
親族書は、三親等までを記載します。家族書とは別に記載します。三親等とは、曾祖父母、伯父や伯母(父母の兄姉)、叔父や叔母(父母の弟妹)、甥や姪にあたります。
・「親族書」の文例
家族書と同様、縦書きです。先頭に「親族書」、もしくは「親族」と書きます。家族書以外の三親等にあたる叔父(伯父)、叔母(伯母)、甥、姪を記載しましょう。
書く順番は、兄弟姉妹が結婚していて配偶者がいる場合は、その方を前に書きます。そして「父方」と「母方」に分けてそれぞれ、伯父、伯母、叔父、叔母の順で記載。最後に同居していない祖父母を書くことが多いですが、祖父母が現役世代の場合は先頭に書くケースもあります。
「おじ」と「おば」の漢字は書き方をご注意ください。「伯父」は父母の兄で、「叔父」は父母の弟。同様に「伯母」は父母の姉で、「叔母」は父母の妹になります。
「家族書」「親族書」の書式と包み方
家族書と親族書のそれぞれの書式や包み方などについて解説します。
・書く様式について
毛筆で書くなら奉書紙という和紙を使います。パソコンで作成する場合は少し厚めの紙に印刷。こちらも両家であわせて揃えておきましょう。毛筆で書く自信がなければ、結納専門店などで筆耕(ひっこう)を依頼することもできます。
・書き方と包み方
奉書紙に毛筆で書く場合は、上下に折りたたみ横長に。折り目を下にして右から家族書を書きます。書いたものを縦に左、右の順で折りたたみましょう。最後に上包みをかけて「家族書」もしくは「親族書」と表書きします。
便箋やコピー用紙で作成した場合は、縦長の用紙を横に三分割して、右上の書き始めが上になるように、横に3つに折りたたみます。それを封筒に入れて表書きに。
「家族書」と「親族書」は別物ですのでそれぞれ包んでお渡ししましょう。また、「家族書」は贈り物ではありませんので、水引は不要とされています。
「家族書」「親族書」の渡し方
では書いたものをどのタイミングで、どのようにして渡せばいいのかを解説していきます。
・渡し方
結納の席では、他の結納品と同じように、白木台の上に置きます。一番下に「親族書」、「家族書」の順で置いて下さい。
・渡すタイミング
結納品の交換を省略する場合、特に決まったタイミングはありませんので、挨拶のあと、手土産などをお渡しする際に渡しましょう。
まとめ
家族書と親族書の取り交わしは、結婚という儀式の中でお互いの家族というものに注目する、最初のタイミングになるかと思います。結婚は当の本人だけの問題ではなく、その先にある家族というものに向き合うためのもの。しっかりとふたりで話して、何をどこまで書くのか、何に書くのか、どのように書くのか、家族を巻き込んでしっかりと決めましょう。
合わせて読みたい