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2022.02.18

自身の恋愛経験が反映されたシーンも!?|映画『ちょっと思い出しただけ』池松壮亮×伊藤沙莉スペシャル対談(前編)

1年ずつ同じ日を遡り、別れてしまった男と女の〝終わりから始まり〟の6年間を描いた映画『ちょっと思い出しただけ』。本作で、怪我でダンサーの道を諦めた照生を演じた池松壮亮さんと、タクシードライバーの葉を演じた伊藤沙莉さんに撮影秘話を伺いしました。まずはインタビュー前編からお楽しみください。

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コロナ禍の今だからこそ、本作の持つ可能性にグッときた(池松)

映画『ちょっと思い出しただけ』 ※現在公開中

©︎2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会

−Story
照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉。 物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。 愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日…。 コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。 そんな日々を”ちょっと思い出しただけ”。

−About
クリープハイプの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げた、本作の主題歌『ナイトオンザプラネット』。 『バイプレイヤーズ』シリーズ、『くれなずめ』などこれまで仲間たちとの友情を描いてきた松居大悟監督がこの楽曲を受けて、初となる完全オリジナルラブストーリーとして映画化。 これまで『君が君で君だ』などで松居監督作品にも多く出演してきた池松壮亮が主演を務め、今や数々の作品から引く手数多の伊藤沙莉と初共演を果たした。そのほか永瀬正敏、國村隼、尾崎世界観、河合優実、成田凌など豪華キャストが出演している。

――本作の出演の話がきたときの印象を教えてください。

池松壮亮さん(以下敬称略):この10年ちょっとの間で、東日本大震災から新型コロナウイルス感染症、東京オリンピックまで様々なことがありました。そんな中で、大切な家族や恋人、友人と会えなくなってしまった方や大切な場所を失った方はきっと大勢いらっしゃると思います。特にコロナ禍になってからは社会や人との繋がりを遮断され、世界中の人たちが自分の人生、居場所を振り返ったと思うんですね。そんな時だからこそ、この企画が持つ可能性を信じてみたいと思いました。

伊藤沙莉さん(以下敬称略):私はどちらかというと激しい描写のものや、最後に伏線回収をしていくような起承転結がハッキリした作品を好んでよく観ていました。だから普遍的な日常を描いた作品とは縁遠かったというか。なので、最初に台本を読んだ時は、どんな作品に仕上がるのかうまく想像ができなかったというのが正直な感想です。でも、完成した作品を観たらめちゃくちゃよくて…。本作に関わった方々の力はもちろん、このような作品に心を揺さぶられるようになった自分自身の成長も感じることができました。

――おふたりは本作が初共演となります。どのように足並みを揃えていったのですか?

池松:僕は初めましての方とすぐに円滑なコミュニケーションがとれるほうではなくて。急に距離を縮めるのがあまり得意ではありません。しかし、そんなことは言ってられません! 本作は男女の別れから6年間を遡るストーリーであり、照生と葉の関係性をしっかりと見せないといけない!ここはやるしかないな! と、それで伊藤さんになるだけ話しかけるようにしました

伊藤:話しかけてくださったこと、めちゃめちゃ覚えています(笑)。少しずつ葉と照生のほどよい距離感を作ろうとしてくださっているのが伝わってきました。おかげで、二人がタクシーに乗っている時の楽しいシーンを自然に演じることができたんです。

池松:葉の運転するタクシーに照生が乗っていて、ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』のワンシーンをモノマネする場面のことかな?

©︎2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会

伊藤:そうです。このシーンは最後に撮ったのですが、その頃には池松さんともだいぶ距離を縮められたので、とてもやりやすかったです。

池松:限られた時間の中でどこを目指すかというのは、伊藤さんと話し合ったわけではないのですが、なんとなくお互いに共有できていたんじゃないかなと思います。慣れてきたらだいたい本番で何か遊びをいれてみることをやっていたんですが、本当に迷った時だけ伊藤さんに聞いていました。その反応をみて、あれこれやってみようとトライしていました。

自分の恋愛経験が反映されたシーンがあるんです(伊藤)

――役に共感できる部分はありましたか。

伊藤:共感というか、自分の恋愛経験が反映されたシーンがあるんです。というのも、監督が台本を練り直しているタイミングで「伊藤さんの過去の恋愛話を伺ってもいいですか?」と事務所まで会いにきてくださったことがあって。その時に私は、「彼氏と喧嘩したときに思わず〝別れよう〟と言ってしまい、本当は引き止めて欲しいのに引き止めてもらえなかったことがあります」みたいな感じで話したら、タクシーで照生と葉が喧嘩するシーンに反映してくださって。

池松:照生がタクシーから降りたあとに葉が「なんで追っかけてこないんだよ!」って言うところのですね。

伊藤:足を怪我している照生に向かって言う言葉ではないでしょ(笑)と思いつつ、あんな風に私自身も強がってしまうことがあるので、とても共感しながら演じていました。池松さんも監督から恋愛話を聞かれましたか?

池松:恋愛の話は人にはなかなか…(笑)。

伊藤:私はてっきり照生にも池松さんの恋愛経験が反映されているのかと思っていました。

池松:全然違うと思います(笑)。松居さんをベースに僕がアレンジした部分はあると思うので全く別とは言いきれませんけど(笑)

終始和やかなムードでお二人が答えていたのが印象的でした。インタビュー後編もお楽しみに!

写真/三橋優美子 取材・文/奥村百恵

■キャスト・スタッフ
出演:池松壮亮、伊藤沙莉 ほか 監督・脚本:松居大悟 主題歌:クリープハイプ「ナイトオンザプラネット」(ユニバーサル シグマ)
■制作・配給: 東京テアトル
公式サイト
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Profile

池松壮亮

1990年7月9日、福岡県出身。2003年にハリウッド映画『ラスト サムライ』で映画初出演を果たす。トム・クルーズ演じる主人公と心を通わす少年役で第30回サターン賞の若手俳優賞にノミネートされた。近年の出演作に『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17/石井裕也監督作品)、『君が君で君だ』(18/松居大悟監督・脚本作品)、『斬、』(18/塚本晋也監督作品)、『宮本から君へ』(19/真利子哲也監督作品)、『アジアの天使』(21/石井裕也監督作品)などがある。公開待機作は映画『シン・仮面ライダー』(23/庵野秀明監督作品)など。松居大悟監督が手がけたクリープハイプのシングル「憂、燦々」(13)のMVにも出演している。

伊藤沙莉

1994年5月4日、千葉県出身。2003年にドラマデビューを果たす。昨年は映画『劇場』『ステップ』『タイトル、拒絶』『ホテルローヤル』『十二単衣を着た悪魔』などに出演し、第63回ブルーリボン賞助演女優賞、第45回エランドール賞新人賞の栄誉に輝いた。近年の出演作に連続テレビ小説「ひよっこ」(17)、「全裸監督」(19、21)、「いいね!光源氏くん」(20、21)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(21/ナレーション)、「モモウメ」(21)、映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」(21)、「シチリアを征服したクマ王国の物語」(22/日本語吹替版)、舞台「首切り王子と愚かな女」(21)などがある。ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)が放送中のほか、「拾われた男」がDisney+で今夏配信される。

 

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