Q.離婚したいです。が、貯金もなく、調停や裁判の弁護士費用が工面できそうにありません。どうすればいいですか?(アパレル販売員・38歳・1歳のママ)
A.「離婚の申し立てをする調停や裁判には、一般的に弁護士を代理人に立てることが多いですが、その弁護士費用が払えない方のために、『法テラス』という、国によって設立された法務省所轄の法人が存在します。
『法テラス』の正式名称は日本司法支援センター。国の税金によって賄われていて、無料で法律に関する相談が出来る窓口が全国にあるほか、資力のない方に対して弁護士費用を建て替えてくれる、といったサービスもあります。
法テラスを介することで、弁護士費用を立て替えてもらえるだけでなく、その立て替え費用について月々3千円から5千円程度の分割返済が可能です。ただし、法テラスを利用するには所得の制限があるので、利用できるかどうかは確認が必要です。
また、一般の弁護士事務所であっても、法テラスに登録する弁護士であれば通常の弁護士費用の3分の2から半額程度で依頼できますし、弁護士費用の分割も可能になります。
ご参考までに、法テラスを利用した場合の弁護士費用は、金銭要求を伴わない単純な離婚請求だと着手金が20~25万円程度に諸費用3.5万円。報酬金が6.5〜13万円程度が目安となっているようです。慰謝料や財産分与、養育費などの金銭請求がある場合ですと、請求額によって着手金と報酬金にその分が増額されます。(実際に法テラスに相談される場合は、詳細については問い合わせてみてください。)
もし相談に行ってしっくり来る先生がいたら、まずは法テラスを利用してその先生に依頼できるかどうかを聞いてみるといいでしょう。
弁護士費用が高いからと躊躇することで、実はもらえるはずだった慰謝料や養育費が受け取れない、なんていうのはもったいないこと。
法テラスという組織自体には弁護士会内でも色々と賛否両論がありますが、この制度を利用することで、今までは経済的に弁護士への依頼が困難だった方々へのリーガルサービスの提供ができるようになったことは事実です。
もし、困ったことがあれば、法テラスの利用も含め、ぜひ検討してみることをおすすめします」(中川裕一郎先生)
お悩みに回答してくれたのは・・・
中川裕一郎先生
弁護士。東京中川法律事務所経営。https://tokyo-nakagawa.com
商社勤務時代にバックパッカー旅行に飛び出し、世界中を回ってみつけた、弁護士となって社会的正義を守るという生涯の目標のため、紛争を未然に防止し、目の前の依頼者を笑顔にするために日々奮闘中。親身になってアドバイスをくれる人情派弁護士として、依頼者たちからの信頼も篤い。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。Web Domaniの人気連載「バツイチわらしべ長者」で様々なバツイチたちの人生を紹介している。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」では、アラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。