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FASHION ファッションコラム

2019.09.20

「らしさ」はおしゃれである以前に、大事なもの【この先、人生”たった5枚”で生きていくためのAtoZ】

そろそろ大人なんだから本当は好きな服を好きに着てみたいというのが本音。世間の目を気にしすぎた洋服選びくらい、つまらないものはない。おしゃれは本来、自由で楽しいもの。ここで語られるAtoZは本当に自分が好きな洋服だけを大事に着るためのヒントです。

【I/Identity】個性を大事に。自分がだれかわからなくなるようなおしゃれなら、しないほうがいい

 何年も前、メンズのファッションイベントに、 場違いながらも出席したことがあるのですが、会場にいらした男性の多くが「つばの広い中折れ帽・ベージュのステンカラーコート・極太黒ブチ眼鏡・リュック・あごヒゲ」だったのに驚愕しました。当時の最先端がこのスタイルだったのでしょう。しかし、普段見慣れていないこちら側にとっては、とにかく全員同じに見える。特に黒ブチ眼鏡&あごヒゲは、本来の顔立ちをわからなくさせていま す。でもこれって男性だけのことでなく、女性にも当てはまりませんか? 雑誌やインスタグラムに登場しているそのシーズンの鉄板コーディネー トをまんま身につけると、着る人の個性や魅力が失われる危険性が。ワーママのオフの日の定番「Tシャツ・フレアスカート・スニーカー」――ワーママ同士の間では差別化できていても、世間からは「みんな同じ」に見えるかもしれないのです。そこにどう個性を加えるか、色使いでもブランド選びでもいいから、もう少しだけ踏み込んで考えたいものです。

 自分が何者であるかわからなくなるようなおしゃれなら、しないほうがいい。〝らしさ〟っておしゃれである以前に、大事なものだったりしますから。

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Domani10/11月号 『読む』〝たった5枚〟より
イラスト/そで山かほ子  構成/湯口かおり 再構成/Web Domani編集部

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