今だからこそ考えたい〝日常〟について
イラストレーターNoritakeさんのイラストが表紙の1冊の絵本。とある日の外出先で立ち寄った店の片隅に置かれていたのを偶然見つけたのが、この本との出会いでした。
▲「へいわとせんそう」谷川俊太郎・文 Noritake・絵/ブロンズ新社
Noritakeさんのシンプルで牧歌的なイラストに一見似つかわしくないようなタイトルとのギャップが気になり、ふと手に取ったこちらの絵本。
昨年3月に発売されたばかりのこの本は、「スイミー」等誰もが読んだことのある絵本の翻訳等も多く手がけている詩人・谷川俊太郎さんとのコラボが当時話題になったのだとか。その題名の通り〝平和〟と〝戦争〟の状況下で、僕や私自身、その家族や世界がどう違うのかが、最低限の文章とシンプルなイラストのみで淡々と綴られていきます。
〝日常〟と〝非日常〟の差、〝敵〟と〝味方〟の違い。
平和の私と、戦争の私。
家族の風景、街並み、海、朝日…、何が違って何が〝同じ〟なのか。
ページを読み進めていくたびに、胸がしめつけられる一方でじんわりと胸を打たれたり。娘が小学校に上がる頃までを目処に、おすすめの本を集めた〝100冊の本棚〟を娘にプレゼントしてあげるのがささやかな夢ですが、この本は絶対に加えたいと思います。
〝いつも通りの日常〟は案外もろいのだということを日々感じがちな今だからこそ、ページをめくってみて頂きたい1冊です。
Domanist
杉本 緑
1児の母。洋服への愛が高じてアパレル業界へ飛び込み、某アパレル会社で企画、生産に携わる。舞台や落語などの芸術鑑賞で自らの感性を刺激。娘との日常を描いたユニークなイラストもSNSで発信中。
Instagram:https://www.instagram.com/green_sgmt/
あわせて読みたい
▶︎あなたは“ミッフィー”派?“うさこちゃん”派? あの名作絵本の意外な秘密【ワーママのカルチャー部】
▶︎絵本『このあと どうしちゃおう』に学ぶ「死」について話すということ