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2020.12.25

坂本美雨さんが子どもと接する上で大切にしていること【スペシャルインタビュー】

 

ミュージシャン・坂本美雨さんが夫、娘とともに登場!家族との毎日、子どもと接する上で心がけていること、2021年にやりたいことなどを語ってくださいました。

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かぞくのじかん〟が少ないぶん、娘といるときは愛を伝えすぎてうざがられます(笑)

坂本美雨(ミュージシャン)
山口博之(ブックディレクター・編集者)
なまこちゃん(愛称/5歳)

美雨さん/レースワンピース¥89,000・パンツ¥47,000(アプレドゥマン〈マサコ・テラニシ〉) キャミソール¥25,000(リ デザイン〈エズミ〉) ブーツ¥90,000(アンテプリマジャパン〈アンテプリマ〉) ピアス¥12,000(ロードス〈masae〉)なまこちゃん/ワンピース¥20,000(ヴェルニカ ルーム〈ヴォルニカ〉)山口さん/シャツ¥32,000・パンツ¥29,000(Mirok〈copano〉) 靴/参考商品(Mirok〈Makers〉)

 

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「娘が家族に加わったことで、当然のことながら、生活スタイルは娘中心の暮らしに変わりました。朝は私がごはんを食べさせて、夫が保育園に送っていく係。お迎えは私の担当なので、平日は16時までに仕事を終えるようにしてもらっています。といっても、夫婦ともに朝が弱くて寝坊しがち。娘だけが先に起きていたりすることも。『遅刻だ、間に合わないーっ』と夫が娘を自転車に乗せ、後ろに乗った娘が悠々とパンを食べていることもしばしばです(笑)。夕食も、仕事で疲れているのを察した娘が『今日、ヘトヘトなの? 外で食べて帰ろっか!』と言ってくれてジーンとしたり。

出産後、2か月で現場に復帰しましたが、レコーディングや打ち合わせなど、ものごころつく前から、たくさんの人がいる場所に身を置いていた娘は、現場の空気、大人の空気に敏感です。そんな娘の大人びた部分に、親として甘えてはいけないと思いつつ、『この人は、赤ちゃんのときから、私たちの言葉を理解している』という確信が私にはありました。

娘が2歳半のとき、母である矢野顕子のコンサートに一緒に行くことがありました。私だって緊張する場です。

『今日は、矢野さんの歌を心から楽しみにしている人たちがたくさんいる大切な場なの。矢野さん自身も、この日のためにいっぱい歌を練習してきたの。だから、静かに歌を聞こうね』

娘は、神妙な面持ちでうなずいて、コンサートが始まっても真剣に矢野さんの姿を見つめ、小さな声で『やのさん、じょうずね』と言って4曲目でスッと眠りました(笑)。

私も夫も、娘に対して、ただ単に『静かに!』とか『ダメ!』だとかは言いません。なぜダメなのか、なぜ静かにしないといけないのか。その理由を、言葉を尽くしてきちんと説明します。夫は、たとえ今はちゃんと理解していなくても、説明し続けること、説明する姿勢が大事だと言い、私も同感です。

それから〝大人の機嫌〟も無理して隠すことはしません。ひけらかすわけではなくて、本当に疲れているときや、夫婦ともに締め切りなど仕事が切羽詰まっているとき、心から悲しいとき…。親だって、いつも笑顔で完璧なわけじゃない。しんどそうなときもあるんだな、とわかってくれるといいなと思っています。

子どもであっても、ひとりの人間として接すること。この考え方によって、娘が背負うものが多くなるかもしれません。人の気持ちや感情のゆらぎに傷つくこともあるかもしれません。そこは全力でケアしながら、強さと繊細さ、優しさをもつ大人になってほしいなと思っています。

地方でのライブが多い私は、3泊くらいまでは夫に任せて旅立ちます。娘もよくわかっていて『歌の仕事でしょ。いってらっしゃい』と、ときには見送りもしてくれないほどクール(寂しい)。夫も出張が多いので、どちらか+娘で過ごす時間が圧倒的で、家族3人の〝かぞくのじかん〟はあまりありません。だからこそ娘といるときは『かわいい』『愛してる』を連発し、褒めまくり、娘に触れまくって、ちょっぴりうざがられています(笑)。

ある夜、こんなに小さくてもいつか巣立ってしまうんだな…と妄想してセンチメンタルな気持ちになっていたら、娘が小さな手で私の頰をはさんで『今、ここにいるよー』と言ってきたんです。びっくりして、涙があふれました。2021年は、そんな大人びた娘とふたりで、アイスランドを旅したい。もちろん、夫も合流可ですけど(笑)」

▲地方でのライブが多い美雨さん。なまこちゃんに「ママは歌が上手」と言われてデレデレ。撮影/前 大輔

▲昨年、親子3人で、ニューヨークとカナダを旅したときの写真。3人きりの旅は初めてだったとか。

▲誕生日は毎年、親友家族に祝ってもらうのが恒例。美雨さん、うれしくてとろけそうな笑顔!

ミュージシャン

坂本美雨

さかもと・みう(40歳)/1980年生まれ、東京都出身。1990年に音楽家である両親(坂本龍一氏、矢野顕子氏)とともに渡米。ニューヨークで育つ。17歳で音楽家としてデビュー。2013年初のベストアルバム『miusic~The best of 1997-2012~』を発表。2016年「坂本美雨 with CANTUS」名義にてフルアルバム「Sing with me Ⅱ」をリリース。 2018年「かぞくのうた」を配信リリース。ソロ活動に加え、2006年からシンガーソングライターのおおはた雄 一氏とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としても多くの音楽フェス等に出演中。2020年、結成14年にして1stアルバム「よろこびあうことは」発売。音楽活動の傍ら、演劇出演、ナレーション、執筆も行う。2014年に結婚、2015年7月に第一子を出産。

Domani12/1月号「2020年→2021年〝じぶんのじかん〟、〝かぞくのじかん〟。」より
撮影/三浦憲治 ヘア/Dai Michishita メーク/早坂香須子 スタイリスト/岩田麻希 協力/プロップス ナウ、EASE 構成/田中美保、上阪泰幸(本誌) 再構成/WebDomani編集部

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