DV男性を結婚前に見抜けなかった理由
(取材データ)渚さん、36歳。熊本出身。沖縄で就職し、28歳のときに現地のイケメンと3か月でスピード婚。結婚後すぐに夫は働かなくなり、DVが始まる。3年半我慢したのち、離婚。
憧れの彼と急接近してそのままスピード婚!
DVとかモラハラって、結婚前に見抜けないの? そんな疑問をよく聞きます。
だけど実際、「まさかあの人が」と言われるような一見真面目で爽やかな男性が、結婚したら豹変したというケースがほとんど。今回取材した渚さんの元配偶者も、そのパターンでした。
渚さん:とにかく顔がタイプ。ジャニーズの●●くん似のイケメンだったので、初対面のときから気になってました。
熊本から、メンタルヘルス系の看護師の研修のために沖縄にやって来て、そのまま就職した渚さん。現地のあるコミュニティに入って知り合ったAさんにひと目で惹かれたのですが、ハンサムでモテる彼には常に彼女が途切れず、出会ったときも彼女が一緒だったそう。
そんなわけで、出会ってから数年は友人という関係性が続いていました。
渚さん:彼はグループ内でも明るくて社交的で、おまけにかっこいいので人気者。イケてるレストランのオーナーとも顔見知りで、いわゆるリア充タイプ。そんな彼に、まさかあんな心の闇があるなんて。きっと誰に言っても信じてもらえなかったと思います。
あるとき、そんなAさんが彼女と別れたタイミングで共通の友達と3人で遊びに行くことになり、当日その友人がドタキャンしたことから、ふたりの仲は急接近。
渚さん:当日、ふたりきりで出かけたんですが、それがすっごく楽しくて。夜中まで盛り上がったから、「また遊ぼう」ってなって、また3人で遊ぶ計画を立てたんですが、そのときも友達が当日来られなくなったのでふたりきりになったんです。
話を伺って、「それって、その友達がワザと仕組んだんじゃないんですか?」と思わず聞いてしまったような偶然が重なり、渚さんはそのあとAさんからデートに誘われ、結婚を前提に交際を申し込まれました。
あのとき踏みとどまっておけば……
そして交際3か月でふたりは婚約。このとき、渚さんは28歳。Aさんは31歳でした。
さかい:彼は今までも彼女が途切れなかったんですよね? 過去に交際した彼女とは結婚話にならなかったんですか?
渚さん:結婚願望はあったみたいで、私の前に付き合っていた彼女の実家に挨拶まで行って、その直後に別れてしまったみたいです。
私がこの質問をしたのは、DV男性は結婚前に自分の本性がバレないように結婚を急ぐ傾向がある、と聞いたことがあったから。
渚さん:お互い適齢期というのもあったし、結婚への憧れみたいなものがあったんですよね。あと、私は相手に合わせる性格なので、彼としては、そういうところも都合が良かったのかもしれません。
顔がめちゃめちゃタイプで人気者。密かに憧れてた彼とようやく付き合えて結婚となったら舞い上がる気持ち、想像つきますよね。
このあと、実は結婚前に「おや?」と思う危険サインがあったのですが、そこで踏みとどまれずに彼女はAさんと結婚してしまいます。
その、DV男性が結婚前に出していた危険サインとは何だったのか。そのお話は次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。