ご飯を加えてさらに炒めていきます。しょう油、白コショウ、うま味調味料を加え、木べらでご飯を切るように混ぜながら炒めます。あまり長く混ぜているとご飯の粘り気が出てくるので注意してください。
ご飯の白い部分がなくなったら、フライパンの底に広げるようにして、30秒〜1分ほど底に焦げ目がつくように焼きます。この工程で強火の中華鍋で作るケチャップライスの香ばしさを再現します。
一度ボウルや皿などに移しましょう。
【目次】
いよいよオムライス作りに突入
先程まではケチャップライス作りでしたが、ここからはオムライス作りに入ります。ここからは1人前ずつ作ります。
ラード小さじ2(またはサラダ油小さじ2)を入れたフライパンを中火で熱し、ラードが溶けたところに卵2個を溶いたものを注ぎます。
フライパンを回すように動かして、卵を広げます。卵が膨らんだら箸でつついて卵液を流し込みましょう。
卵が固まってきたら火を止めて、ケチャップライスを横一文字に置きます。
フライパンを逆手に持ち、皿をフライパンで覆うようにして中身を移します。ゆっくりと上手投げをイメージしてフライパンをかぶせると上手くいきます。多少、形が崩れても問題ありません。
キッチンペーパーで両側を押さえて、形を整えます。
でき上がり。好みでケチャップを少し添えてください。ケチャップの銘柄はカゴメかハインツがいいようです。現代ではうま味調味料の使用頻度は減ってきていますが、酸味を抑えて味を丸くする効果があり、こういった料理では力を発揮します。もしも、うま味調味料がない場合は砂糖でもいいですし、顆粒のチキンブイヨンなどでも代用できます。
洋食屋さんのオムライスは卵が半熟で、ご飯と卵が一体化したような濃厚なスタイルが増えました。一方、町中華風のオムライスは火が通りやすいように薄焼き卵でくるむ形。どちらがおいしいというのではなく、それぞれに良さがあります。
スプーンの背でケチャップを薄く伸ばしてから食べましょう。卵の黄色と赤いケチャップの組み合わせにはどこか幸福感があります。
(写真はすべて筆者撮影)
作家・料理家
樋口 直哉(ひぐち・なおや)
1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。
東洋経済オンライン
東洋経済オンラインは、独自に取材した経済関連ニュースを中心とした情報配信プラットフォームです。