元花組トップスター・柚香光さんが語る『元禄バロックロック』の裏話【時代劇専門チャンネル「華麗なる宝塚歌劇の世界」】番組収録レポ

【目次】

12月は忠臣蔵モチーフのあの作品を放送。作品をより興味深く観るための番組ゲストに退団７か月の柚香光さんが登場

12月は忠臣蔵モチーフのあの作品を放送。
作品をより興味深く観るための番組ゲストに退団７か月の柚香光さんが登場

スカパー！などで視聴できる「時代劇専門チャンネル（CS292）」。数々の時代劇の名作が24時間365日見られるのが特徴で、毎週月曜日22時には「華麗なる宝塚歌劇の世界〜Season6〜」を放送。宝塚歌劇の中の、日本物作品を厳選してお届けしています。

さらに、ご自身も宝塚歌劇ファンであるフリーアナウンサーの中井美穂さんが案内役を務め、宝塚歌劇OGを番組ゲストやVTRゲストに迎えてお話をうかがうナビゲート番組もファンにとっては楽しみのひとつ。

12月の放送は、2021年の花組宝塚大劇場公演『元禄バロックロック』（12月16日（月）22時〜）。主人公のクロノスケを演じた元花組トップスターの柚香光さんをスタジオに迎え、作品にまつわる興味深いお話をうかがっています。

中井さんも驚き!? 「からあげの妖精」の“観劇のお供”は意外なもの

中井美穂さんとゲストがおしゃべりを繰り広げる、東京・日比谷の東京宝塚劇場と同じビルの中にある秘密のカフェ。Season6よりリニューアルしたカフェにやって来たのは、今年5月に宝塚歌劇団を退団した、元花組トップスターの柚香光（ゆずか・れい）さん。

黒のパンツスーツに身を包んだ金髪ショートカットの柚香さんは、現役時のクールな雰囲気はそのままにレディなニュアンスも感じられるスタイリッシュな印象。カフェの内装を見て、「かわいい〜」と笑顔に。

中井さんが退団して以降の変化をたずねると、「髪と爪が伸びました」。退団公演である『アルカンシェル』時には刈り上げしていた襟足が伸び、そこにいちばん時間の経過を感じているそう。最近はネイルも楽しんでいるそうで、この日も素敵なネイルを見せてくれました。指先がふと目に入ると、「光ってる！」とうれしくなるとのこと。

柚香さんと日本物作品の初めての出会いは、2012年の花組宝塚バウホール公演『近松・恋の道行』。柚香さんの浄瑠璃人形役がとっても印象に残っているという中井さん。柚香さんは「日本舞踊って面白いなと教えていただいた作品。日本物特有の劇場の空気感も初めて体感しました」。今でも、スポットの当たる中で人形として踊っていたときの空気感はよく覚えているそうです。

「たとえば踊りを少し教えていただくだけでも、『こういう動きがこれに繋がるんだ』『同じフリでも日本舞踊だと、こんなにたおやかな動きになるんだ』など…。舞踊というひとつの身体表現でも、筋肉の使い方が違うと未知の世界が開ける面白さがありました。

日本人のマインドやフィーリングがはまって作品の理解ができたときに、自分は日本の文化の中で生を受けて過ごしてきたことを改めて教えてもらえたように感じました。舞踊の先生の所作の美しさに惹かれ、それを学ぶことで自分にとって大切なものを知ることができました」

Season6から「観劇のお供」としてオススメのお菓子をゲストが紹介してくれます。私たちが思い描いている柚香さんの好きなものとはだいぶ違うものが登場。中井さんも意外に思ったようで、そのあたりの会話もぜひ番組でお楽しみください。

オリジナル作品だからこそ想像力を刺激される。みんなが幸せになる未来を考えられる温かい作品

『元禄バロックロック』は、花組誕生100周年の公演であり、トップ娘役に就任した星風まどかさんのお披露目公演でもありました。「これから新しい気持ちで頑張るぞ、という前向きな気持ちとともに、気の引き締まる公演でした」と柚香さん。楽しくて華やかなシーンがたくさんある中で人を思う切ない気持ちが根底にあり、主人公のクロノスケを演じながら心が温かくなったそう。

忠臣蔵をモチーフにしながら、ロックやポップの楽曲が散りばめられており、衣装もとても現代的。そんなビジュアルや舞台装置、音楽、脚本の流れがオリジナルである「クロノスケ」の役作りのヒントになったとも。「衣装の細部も本当に素敵。見事な刺繍がされていて、本当は手に取ってじっくり見ていただきたいくらい。映像では近くで見られると思うので、注目していただきたいです」。

相手役のキラを演じた星風まどかさんとは、この公演で初顔合わせ。「ポスター撮影で初めて一緒に長い時間を過ごしたことを覚えています。言葉にしなくても私が思っていることをキャッチする力があり、彼女も口にはしないけれど『こうしてみます』という空気感を出してくれました」。

お稽古でも最初こそ緊張したものの、役のパワーや作品が持つ幸せな空気感で徐々にほぐれていったそう。星風さんとのシーンでいちばん印象に残っているのは、物語の最後の場面。ふたりでどんな未来を描いていくのかを温かく教えてくれる、そんな場面をお互いに育てていくことで、より関係の深まりを感じたと言われていました。