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2023.09.09

雪組公演『誠の群像』-新選組流亡記- 公演当時のエピソード! 綾 凰華さん出演の【時代劇専門チャンネル「華麗なる宝塚歌劇の世界」】収録レポート

PR /時代劇専門チャンネル

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24時間時代劇のみを放送している「時代劇専門チャンネル」には、宝塚歌劇の日本物作品を特集する番組があります。今回は雪組公演『誠の群像』-新選組流亡記-(’18年全国ツアー)にスポットを当て、沖田総司役として活躍した元宝塚歌劇団男役スター・綾 凰華さんにお話をうかがいます。

激動の幕末に生きた新選組隊士たちの誠とは。
綾 凰華さんと中井美穂さんが語る雪組公演『誠の群像』-新選組流亡記-

スカパー!などで視聴できる「時代劇専門チャンネル(CS292)」。数々の時代劇の名作が24時間365日見られるチャンネルで、毎週月曜日22時より放送されているのが「華麗なる宝塚歌劇の世界〜Season5〜」。宝塚歌劇の日本物作品だけを厳選して放送しています。

さらに、ご自身も宝塚歌劇ファンとしておなじみの、フリーアナウンサーの中井美穂さんが案内役を務め、宝塚歌劇OGをスタジオゲストやコメントゲストに迎えるナビゲート番組も!

9月は、2018年雪組全国ツアー公演『誠の群像』-新選組流亡記-をピックアップ(9月18日(月・祝)22時ほか放送)。スタジオゲストに、沖田総司を演じた元宝塚歌劇団男役スター・綾 凰華(あや・おうか)さんを迎え、作品にまつわるエピソードをいろいろうかがっています。

今回も番組収録におじゃまして、番組では見られない裏側のエピソードをお届けします。

浴衣を着た綾 凰華さん 膝から上

『誠の群像』-新選組流亡記- 公演当時の様子を振り返る作品鑑賞前の解説

場所は東京日比谷の東京宝塚劇場と同じビルにある秘密のカフェ。カウンターに鎮座している若は今回放送される『誠の群像』-新選組流亡記-にちなんで、沖田総司の家紋入りの羽織を着て、横には菊一文字の刀。中井美穂さんが待つそのカフェに登場したのは、元雪組男役スターの綾 凰華さん。

華麗なる宝塚歌劇の世界収録カフェ

誠の群像若

入ってきたとたん、「番組で見ていたところ(カフェ)だー!」とテンションアップ。浅葱色の浴衣にたおやかなまとめ髪の綾さんの姿は、涼やかさたっぷり♡ 浴衣にまつわるエピソードも番組でお話されていましたので、要チェックです。

本作は星組から雪組へ組替えして、大劇場公演『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』への出演を経てから、自身初の全国ツアーだったのだとか。「急な組替えで、その瞬間瞬間を生きていた感じでした」と慌ただしい状況の中でも、雪組のメンバーとのコミュニケーションは楽しかったのだそう。

浴衣を着た綾 凰華さん 上半身

星組に比べ雪組は日本物が多いという収録時の話題に触れ、苦労されたことを聞いてみると、

「雪組のみなさんは日本物のプロフェッショナル。知識と技術量が豊富なので、追いつけるように頑張りました。日本物でのたたずまいはシンプルで、例えばポケットに手を入れて男性らしいポーズをすることはなく、シンプルさを埋めるのは、ポーズでなく男気。そういう“日本男児”的な心意気を持って舞台に臨む姿を見て自分なりに勉強しました」と綾さん。

時代劇に出演している北大路欣也さんや松平 健さんを見て、「みなさん1本芯がありながらどっしり構えているので、その感覚を自分のものにしたくて。日本物を演じるときは一切腰が上がらず、本当に重心が下にあります。洋物の引き上げる感覚がないんです。だから演じていると腰回りがとても疲れてきます。帯を巻いているせいもあると思うのですが、衣装を脱いだ瞬間の開放感はすごいです(笑)」(取材会にて)

誠の群像舞台写真

中井さんが『誠の群像』-新選組流亡記-についてうかがうと、綾さんにとって思い出深い作品のひとつとのこと。組替えという、綾さんのタカラヅカ人生のターニングポイントの時期であり、深く心に残っているのかもしれません。

「この時代に生きた人たちの『国のために命をかける』という心情は、現代にはないこの時代だからこその感覚だと思うのですが、この人たちがいたからこそ私たちの魂がある…と思っています。心情の作り込みは、日本物ならではだと思います」と言います。

浴衣を着た綾 凰華さん 腰から上

『誠の群像』-新選組流亡記-で綾さんが演じられたのは、新選組の剣士・沖田総司。「新選組副長・土方歳三(望海風斗)の拠りどころであり、命短くも熱く必死に生きた人」だととらえ、沖田総司としての在り方をどう表現するか苦心したと語る綾さん。沖田の魅力のひとつとして、誰からも愛される存在というのがあり、「神に与えられた童子のよう」と形容される無邪気さに、芯の強さを重ね合わせて作り上げていったのだとか。

この作品の原案は、司馬遼󠄁太郎先生の『燃えよ剣』と『新選組血風録』。沖田の描写も多く、役作りとして参考にされたのでしょうか。

「小説の沖田像が世の中に根付いていますが、史実では、わりと男らしくて荒っぽい人物だったとされていて、それを知っている方は知っていると思うんです。なので、その厳しい面も要所要所で入れるようにしていました」(取材会にて)

中井さんとのお話でも、沖田総司が大好きで、その役を大切に演じたことが伝わってきます。綾さんご自身と共通する部分があるのかうかがうと、

「沖田総司はまわりに有無を言わせない天才ですよね。うーん、そこはまったく似ていないかな(笑)。でも、“稽古の鬼”だったとも言われているので、そこは共通点だといいなと思っています。あとは沖田の無邪気さ。私も天然と言われることがあり、まわりを和ませることができる雰囲気でありたいな」(取材会にて)

綾さんが思い出に残る場面のひとつとして挙げたのは、現・雪組トップスター・彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんが演じた山南敬助とのシーン。最終的に沖田が山南を介錯するのですが、「彩風さんとの心と心で対話するような役を、ここからたくさんいただきました」と話していました。山南とのシーンは番組でも深く語っていたので、ぜひご確認ください。

浴衣を着た綾 凰華さん 全身

土方歳三を演じた当時の雪組トップスター・望海風斗さんとのシーンも多く、とくに印象深い場面を聞いてみました。

「山南さんを切腹させるかどうかの会議での、新選組の鬼の副長として決断をしなければならない土方さんのヒリつきがものすごくて。『では斬る』と言うときはもう心を決めているんですよね。沖田は『本当にそれでいいの? 本心はそうじゃないよね』と思っていて、鬼である中の本当の土方さんを知っているからこそ、その苦悩にハッとするんです」(取材会にて)

番組では綾さんの好きないくつかのシーンを取り上げて、沖田の心情について深掘りしています。収録後の取材会では、番組で語りきれなかった好きなシーンとして、こんなお話も。

「土方さんの下駄の鼻緒が緩むシーンが心に残っています。何事もなくあのまま相撲を見に行っていたら、土方さんも少し気持ちが和むところだったと思うんですよね。鼻緒が緩んでしまって、近くにある履物屋に行くと、そこに(新選組に入り責任を取って殺された)高田(清作)の姉・お加代がいて。『鬼は裸足でいればいい!』と言われて裸足で去る土方さんの背中は、寂しそうであり、大きな宿命を背負っているようでもあり。今でもよく覚えています」(取材会にて)

当時の雪組トップスター・望海風斗さんにも大きなことを教わったと語る綾さん。役や舞台、自分自身に対しても、人生そのものを教えていただいたと言っても過言ではないほどお世話になり、心から尊敬しているのだとか。土方は孤高なイメージがあるけれど、「のぞさんご自身はオープンな方でいろいろな面を見せてくださり、組子のみんなもそんなのぞさんが大好きでした」

浴衣を着た綾 凰華さん 腰から上

番組収録は約1時間半。濃密なお話がさらにギュギュッと凝縮され、放送されます。そして次回の記事は、綾さんの取材会での様子をさらにじっくりとお届け。記事と番組、両方をお楽しみください!

番組情報

【華麗なる宝塚歌劇の世界~Season5~】
『誠の群像』-新選組流亡記-(’18年雪組 全国ツアー)
出演:望海風斗/真彩希帆/彩風咲奈 ほか
※前後解説付き ゲスト:綾 凰華
放送日時:9月18日(月・祝)22:00~/10月2日(月)22:00~

番組解説
武士としての誠を貫き戦い抜いた土方歳三の生き様と、彼と共に時代を生きた人々の姿を描く。

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撮影/田中麻以  ヘアメイク/塚原ひろの(ete) イラスト/春原弥生 構成・文/淡路裕子