離婚後の開放感から生来の恋愛体質が発揮される!?
浮気した夫と3年3ヶ月の泥沼裁判を経て、フリーとなった茉莉花さん。その開放感から恋に落ちたのは、16歳年上のダンディなオジさまGさんでした。茉莉花さん曰く、「かわいがってはくれるけど、愛してはくれない人だった」。旧財閥系家系出身の彼は人生経験や教養も深く、尊敬できる相手だったけれど「結婚は絶対にしない」というポリシーを貫く独身貴族。5年間付き合ったものの、常に茉莉花さんの片思いのような交際だったそう。
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ちなみに、この間(かん)、結婚を機に前職のアパレルPRを辞め専業主婦をしていた茉莉花さんは、元夫が家を出て行ってから飲食業のPR業として仕事を再開しています。その後Gさんと交際中には、ある業界のフリーランスPRとして独立。現在では、次々ヒット商品を手がける敏腕PRとして第一人者に。
―離婚してからキャリアで成功する女性の話ってよく聞くのですが、これってやらなきゃいけない(自分ひとりで食べていかなければならない)状況に追い込まれたから火事場の馬鹿力を発揮できたってことなのか、それとも、本来仕事に注ぐべきエネルギーや能力を持って生まれた女性が誤って(?)結婚生活だけに愛を注いでいると、神から授けられた天命を全うするために離婚する状況になってしまうのか…。一体どっちなんでしょうね。
そんなことを考えてしまうほど、この連載で取材した女性たちも皆さん、とにかくパワフル。ひとことで言うと、家庭には収まりきらない才能の持ち主ばかりなのです。もちろん、結婚と仕事を両立してる女性も世の中にはたくさん居るわけなのですが。
バツイチアラフォーの恋愛遍歴、まとめ。
さてさて、話が脱線しましたが、その後茉莉花さんが付き合った男性たちを並べてみると…。
・キッチン&ベッドが合わない男:
Gさんと別れた後すぐに付き合った仕事関係の男性。「溺愛してくれたけれどベッド&キッチンの相性が絶望的に合わなかった。
・愛情を底なしに欲しがるカオナシ男:
婚約して入籍の日取りまで決めたバツイチ男性Fさん。Gさんとの破局を教訓に結婚前に同棲を始めたはいいけれど、茉莉花さんも働いているのにも関わらず家事も料理も全部茉莉花さんが面倒を見て彼のお母さん状態に。→やってもらうのが当然という態度の彼に、茉莉花さんの堪忍袋の緒が切れて婚約破棄。「どれだけ愛情を与えても、もっとくれ、もっとくれって、なんだか『千と千尋の神隠し』のカオナシみたいな人でしたね…(遠い目)」
茉莉花さん(以下、ま)「Gさんとは、とにかくご飯の趣味が合わなかったし、食べ方がいわゆる犬食いで、彼と一緒にご飯を食べると美味しいって思えなかったんです。よく『男女の相性はベッド&キッチンが重要』、なんて言うけれど、あれって本当だなと。特にキッチンは一生続くもの。美味しいものを一緒に食べたいな、あの人に食べさせたいなと思えない人とは一緒になっちゃダメ。ご飯が合わない人とはベッドも相性が悪くて、結局2ヶ月も持ちませんでした」
なるほど。
ベッド&キッチンの相性は重要、と。
メモメモ。
ま「次につきあったFさんとは、ちゃんとベッド&キッチンの相性を見極めようと思って結婚前に同棲。でも彼のことを甘やかしすぎたみたいで段々つけあがってきて。彼が飼っている猫が彼の靴に戻してしまった汚物を、忙しかったからそのままにしていたら帰宅した彼にキレられたんです。でも私にだって仕事があるし、そもそも彼の猫だし(苦笑)。その上、不機嫌になった彼に2週間無視され続けて。その間も私が掃除した家で私が作ったご飯を食べてるのに、無視ってどうなんだろう、と。『私はあなたのママにはなれない』と、別れました」
31歳で離婚して、その後約6年で3人の男性たちと交際した茉莉花さん。なかなか恋多き女と見受けられます。
―ですがその半年後、ついに出会うのです運命の再婚相手と!!
SNSでの再会からの恋はアラフォーあるある!?
その相手とは、エスカレーター式の学校に通っていた茉莉花さんの中高大学時代の同級生。中学で同じクラスになったことがあるものの、特に仲良くもなく連絡が途絶えていたKさん。きっかけは、同じ同級生の女性がTwitterで「誰か日曜のブランチに美味しいエッグベネディクトを一緒に食べに行かない?」とつぶやいたところから。
ま「そのツィートを見て反応したのが私とKさんだったんです。久しぶりに会う3人で行ったそのブランチがとても楽しくて、その後夜にはもう一度私の部屋に再集合。『この20年間、どんなことがあったの?』ってKさんに聞かれたので、離婚のことや16歳年上のGさんを今も好きで忘れられないことなどベラベラ話したら、「山あり谷ありだったのに、そのスレなさっぷりはすごいね!」って(笑)」
これぞ、アラフォーからの出会いあるある! SNSで同級生と再会して付き合うって、本当にこの世代に多いパターンですよね。周りでも本当に多いので、アラフォーになって出会いがないと嘆いている方には、SNSで同級生と繋がってみることを強くおすすめしたい。バックグラウンドが一緒という事実のみで、新たな出会いよりも警戒心もなくすぐに打ち解けられてしまうから不思議。
―そんなこんなでふたりはお互いに心を開き、その後Kさんとの仲がさらに深まったのもTwitterのおかげだそう。
ま「ある日、知人を夕食に招いてご飯を作りすぎて余ってしまったときに、KさんがちょうどTwitterで『こんな時間まで仕事してて夕飯食いっぱぐれてしまった。ラーメン食べたら太るかな』って投稿してたんです。『うちにご飯食べに来ない?』ってコメントしたら、『行く行く!』って」
そんなことが何度か続いたあと、茉莉花さんはKさんと会っているとやたら楽しいということに気づきます。そして、別れるときはなんだかさみしい、ということにも。
そのことをあるとき女性の先輩に話すと、「それって、その人のこと好きなんじゃない?」と言われ、初めてKさんへの恋心に気づく茉莉花さん。
ま「いつも残り物ばかり食べさせていたので、彼のためにご飯を作って家に呼ぶことに。ご飯を食べているときに『最近わくわくすることってある?』って聞いたら、『今この瞬間』って言われて。『え〜、それって、そういうこと?』って聞いたら、『そういうこと♡』って。そのまま付き合うことになり、その日から彼を帰したくなくて一緒に暮らし始めました」
さ「うわ〜、茉莉花さんてば情熱的! そのときいくつだったんですか?」
ま「36歳かな。ようやくみつけた!、って気持ちでしたね。尊敬できて愛し愛されてベッド&キッチンの相性も合う、自分とバランスの取れたパートナーが彼」
う〜ら〜や〜ま〜し〜い〜〜〜〜!!、のひとことしかございません(キッパリ)!
長くなったので、このあと茉莉花さんが幸せな再婚とキャリアでの成功を手にするストーリーは、次回に続きたいと思います。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。