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LIFESTYLE 家事

2025.08.31

シャツの染み抜きは自宅でできる?素材別の対処法とコツを紹介【専門家監修】

お気に入りのシャツに染みが…. そんな時、すぐにクリーニングへ出す前に「自宅で落とせる方法」を知っておきたいですよね。ただし、油性・水性・タンパク質など染みの種類や、シャツの素材によって適切な処置は異なります。間違った方法は逆効果になることも。この記事では、素材別・汚れ別の染み抜き方法から、時間が経ったシミへの対処、応急処置やプロに任せる判断基準まで詳しく解説します。大切なシャツを守るための正しい知識を身につけましょう。

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Summary

  • シャツの染みは「油性・水性・タンパク質汚れ」で対応方法が変わる。
  • 洗剤は台所用中性洗剤や酸素系漂白剤などを用途に合わせて使い分ける。
  • こすらず押し出すように処理するのが基本、熱湯はNG。

シャツにできた染みは、すぐに落とせば簡単に取れることもありますが、時間が経つほど厄介です。クリーニングに出す前に、自宅でできることがあれば試したいと考える方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、素材や染みの種類に合わせた染み抜き方法を創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。忙しい日常でも取り入れやすい工夫や注意点を紹介します。

シャツの染み抜き、まず知っておきたい基本と落とし方の流れ

染み抜きは、順序を間違えるとかえって染みを広げてしまうこともあります。まずは、素材や染みの原因を見極めながら、初めてでも無理なく実践できる基本の手順を紹介します。

染みの種類によって落とし方は変わる|油・汗・食べこぼしの見極め方

シャツに付着する染みには、いくつかの種類があります。油が主成分の口紅やドレッシングなどは「油性汚れ」、汗やジュースは「水性汚れ」、ミルクや血液などは「タンパク質汚れ」と分類されます。それぞれに適した落とし方を選ばないと、かえって染みが広がったり、色が沈着してしまうことがあります。

まずは、何が付着したのかをよく思い出し、油分があるのか、水に溶けやすいのかを見極めるところから始めてみてください。

シャツ もつ手
(c) Adobe Stock

使う洗剤は何が適しているか?|台所洗剤や酸素系漂白剤の使い分け

染みの種類を見分けたら、次に考えるのは使う洗剤です。油分を含む汚れには、台所用中性洗剤が活躍します。軽くぬるま湯で薄め、染みに数滴たらしてやさしく叩きます。

一方、汗や皮脂の蓄積には酸素系漂白剤が効果的です。色柄物にも使えるものが多く、比較的安心して使えます。ただし、塩素系の漂白剤は白シャツに限定するなど、素材との相性に注意が必要です。洗剤は量よりも「選び方」と「使い方」が大切です。

染み抜きの手順と注意点|こすらず、押し出すように落とすのが肝要

染みを落とすときに強くこすってしまうと、繊維が毛羽立ち、かえって染みが定着することがあります。基本の手順は、洗剤をつけたら布の裏にタオルなどを当てて、上から軽く叩いて染みを押し出すこと。染みが広がらないよう、中心から外に向けてじわじわと処理すると効果的です。

また、熱いお湯は染みを固着させる原因になる可能性もあるため、ぬるま湯か水を使うのが安心です。慌てず、やさしくがポイントになります。

染みは種類ごとに対処法が違います。こすらず叩き出すのが基本。

素材や色によって変わる対応法|白シャツ・色物・綿・化繊の違い

染み抜きは素材や色によってリスクが異なります。ここでは、白シャツや色物、綿・化繊といった素材別に、それぞれ適した染み抜きの工夫をお伝えします。

白シャツはハイターで漂白してもいい?|注意したい条件とは

白シャツの染みには、塩素系漂白剤が有効なことがあります。ただし、使えるのは「綿100%」や「ポリエステル混紡」など、比較的強度のある生地に限られます。レースや刺しゅうの装飾があるものは、薬剤の影響で黄ばんだり変質することがあるため注意が必要です。

また、漂白剤を使用する際は必ず水で薄め、短時間で流すことが基本です。表示に「塩素系不可」とあれば無理に使わず、別の方法を選びましょう。

色柄ものには何を使えばいい?|酸素系漂白剤や重曹の扱い方

色柄シャツには、酸素系漂白剤が向いています。比較的色落ちしにくく、生地への負担も少ない成分で、家庭でも使いやすいのが特徴です。ぬるま湯に溶かしてから部分的に塗布する方法や、30分ほどつけ置きする方法が一般的です。

また、重曹と組み合わせると、皮脂汚れなどの酸性の染みにも対応できます。ただし、濃い色や繊細なプリントがある場合は、事前に目立たない場所で試すと安心です。

柄のシャツ
(c) Adobe Stock

綿・ポリエステル・ウールなど素材別に違う?|繊維に合わせた対処を

素材ごとに適した染み抜き方法を選ぶことで、シャツを長持ちさせやすくなります。綿は比較的丈夫で水洗いに強く、多少強めの洗剤やブラシの使用も可能です。ポリエステルは速乾性があり扱いやすい一方、熱に弱いため高温は避けます

ウールやシルクなどの動物性繊維は繊細で、水や摩擦に弱いため、中性洗剤を使い優しく手洗いするのが安心。素材表示を確認し、その特徴に応じた方法を選ぶことが大切です。

白は塩素系、色物は酸素系など。素材ごとに使える洗剤が違います。

時間が経った染みにはどう向き合う?|「落ちにくさ」に負けない対処法

気づかずに放置してしまった染みは、落としにくくなります。けれども、いくつかの工夫で改善の余地はあります。ここでは、時間が経った染みに対応する考え方を解説します。

乾いた染みはこすらずふやかす|つけ置きと温度の使い方

時間が経って乾いてしまった染みは、繊維の奥まで染み込んでいることが多く、そのままこすると傷みや色落ちの原因になります。

まずはぬるま湯を使い、優しくふやかすことから始めましょう。洗面器にぬるま湯を張り、染みの部分を30分ほど浸しておくと、汚れが浮きやすくなります。その後、中性洗剤や重曹を使って押し洗いすると、生地への負担を抑えつつ落としやすくなりますよ。

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