温泉に入ったのに疲れるのはどうして？ 翌日のだるさを防ぐ入り方と工夫【専門家監修】

「温泉で癒されたはずなのに、帰り道はぐったり…」そんな経験をしたことのある女性は少なくありません。忙しい毎日だからこそ、温泉くらいは「ごほうび時間」にしたいもの。しかし実は、温泉で疲れてしまうのは、温泉が悪いのではなく入り方のクセや、その日の体調との相性が深く関わっています。

この記事では、温泉後の「だるさ」の正体から、翌日に疲れを残さない入浴テク、家族で温泉を楽しむときの注意点、そして疲労回復に導く入り方まで、わかりやすく解説。

40代の働く女性が「明日の私がもっと軽くなる」温泉との付き合い方をまとめました。

温泉で「疲れる」と感じるのはなぜ？

温泉に浸かると心までほぐれるのに、湯上がり後はどこか重たい…。この「ちぐはぐな感覚」は多くの人に共通するものです。しかしその裏側には、体が本来のバランスに戻ろうとする働きが隠れています。

温泉の「癒し」と「疲れ」が同時に訪れる理由を、ここで丁寧に紐解いてみましょう。

温泉後の「ぐったり感」は何が起きている？

温泉に入ると深部体温が上がり、血管が広がって血流が活発になります。すると緊張がほぐれ、副交感神経が優位に働き、体は急激にリラックスモードへ切り替わるのです。

その瞬間、心地よさと同時に「ふっと力が抜けたような脱力感」が訪れることも。これが多くの人が感じる「ぐったり」や「力が入らない」という感覚の正体です。

特に40代女性は、家事に仕事に常にオンモード。緩むスイッチが一気に入ることで、反動として強い疲労感を覚えることがあります。

ぐったりしたときには、「やっと体が休もうとしているサイン」だと思ってあげてください。

湯疲れ・湯あたり・スピリチュアル説まで

温泉で疲れる理由にはいくつかのパターンがあります。

● 湯疲れ
熱すぎるお湯・長時間の入浴により、体力を消耗して起きるもの。

● 湯あたり
一時的な変調症状のことをいいます。泉質が体質と合わず、軽いめまい・吐き気などが出ることも。

● 心と体の浄化反応（スピリチュアル説）
温泉に入ると気持ちがゆらぐ… そんな女性もいますが、これは「心が緩んだ証拠」としてとらえる考え方も。

どの理由であっても大切なのは、「無理をしないこと」。体と心の声に耳を傾けるほど、温泉は味方になってくれます。

温泉後の“だるさ”は体の自然な反応である可能性があります。

疲れを翌日に持ち越さないためにできること

「気持ちは癒されたのに、翌朝起きるとダルい…」。そんな残念な「温泉翌日疲れ」を避けるには、入浴方法・休息・水分補給の3つが鍵。

ここでは、今日から実践できるポイントを紹介します。

入浴時間・温度・タイミングの基本

温泉は「長く入ればいい」わけではありません。むしろ短め＋ぬるめが疲労を翌日に持ち越さないコツ。

● 温度：38～40℃程度（ぬるめが理想）
● 時間：10〜15分（疲れている日は5分でもOK）
● 時間帯：就寝1〜2時間前がベスト

その日の体調に合わせて、入浴時間を変える「ゆるさ」が大人の女性には必要です。

眠気・だるさのサインと上手な休み方

温泉後の眠気やだるさは、副交感神経が働き出した合図。つまり「体が休みたがっている証拠」です。

湯上がりすぐに歩き回ると逆に疲れが残るため…

● イスに座る
● 足を伸ばして数分休む
● 深呼吸でクールダウン

このわずかな時間のケアが、翌朝のコンディションを大きく左右します。

家族旅行でも、ほんの5分休むだけで翌日はぐっとラクに。その小さな余白が、旅の満足度をぐんと上げてくれます。

水分補給と体温調整を忘れずに

温泉は思っている以上に発汗します。入浴前後にコップ1杯の水を飲むだけで、だるさの軽減に繋がります。

さらに、湯上がりは体がほてりやすいため…

● 部屋を涼しめにする
● 風を軽く通す
● 冷たい飲み物を一気に飲まない

など、やさしく体温を落ち着かせて。

温泉効果を高めるには入浴の時間や休息の取り方が肝要です。

家族と温泉に入るときに注意したいこと

大人はリラックスできても、子どもや高齢者は温泉の刺激を受けやすいもの。家族全員が心地よく過ごすために、体調や年齢に合わせた「ひと工夫」が必要です。

子どもや高齢者にとっての「疲れやすさ」

体温調節がまだ未熟な子ども、調節機能が低下している高齢者は、温泉の温度や湿度に影響を受けやすい傾向があります。

● ぬるめの湯に5〜10分
● のぼせやすいのでこまめに休憩
● 入浴後は必ず水分補給

家族旅行では「楽しむことを優先しすぎないこと」が安心につながります。