ヘッドハントされて現職に。国内よりも海外をメインにしたPRが功を奏し、成果を出しつつあります
今月の女:脇山亜希子さん
寺田倉庫・執行役員広報担当 公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会 理事・42歳
人生はアグレッシブに! 毎日濃密な時間を駆け抜けています
寺田倉庫で執行役員広報担当として働く脇山さんの一日は、自宅マンションのベランダに並ぶバラや観葉植物の手入れから始まる。
「朝の水やりや剪定(せんてい)は脳のストレッチ。オフィスは19時消灯なので、よそ見なしの濃密な勤務時間に脳がかなり疲労するんです(笑)」
戦略広報としてヘッドハントされ39歳で転職、倉庫空間を活用したビジネスの広報部門を統括。海外PRに着目、発信力を高めたことで年間10件程度だったメディア掲載実績を4桁に押し上げた。その手腕は10年勤務した外資系クルーズ会社で鍛えられたと振り返る。 「音楽好きな父の影響を受けて、声楽家を志して音大へ進学。イタリア留学中にホストファミリーと大型客船に乗船し、上質なサービス空間に思いがけず感銘を受けたのです」
翌年、25歳で日本に一時帰国した際、クルーズ会社の求人をみつけてすぐに応募。入社後はアフター6にスクールに通って、不足していたビジネス英語力の向上に努めた。3年後には管理職に昇進し、マーケティング&PRとしても大きく飛躍。過酷な勤務状況に耐え、体力とタフな精神力も培われた。10年がたち、Web広報として新しい経験を積もうと35歳で再び転職。女性が働きやすい恵まれた環境下で4年ほど過ごしたころ、ヘッドハンターからのオファーを受けて現在に至る。 「不満のない会社を辞めて転職したのは、私があまのじゃくなのと、常に挑戦できる環境に身を置かないと、いつか広報としての限界が来ると感じていたから。人生をどう切り開いていくかは、日々の選択と気持ちしだい。自分のためだけに生きられる贅沢な時間を大切に、今は働く自分を楽しんでいます」
Profile
わきやま・あきこ/1976年、東京都生まれ。武蔵野音楽大学声楽学科卒業後、23歳でフィレンツェに音楽留学。しかし日本での就職を求めて外資系クルーズ会社内定を機に25歳で帰国、マーケティング&PR職の経験を積む。35歳でスマートフォン広告会社に転職。ヘッドハントを受け39歳で寺田倉庫に戦略広報担当として入社。41歳で執行役員広報担当に。時間ができた週末は友人を招きホームパーティで料理をふるまう。
Domani2018年9月号『女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch! 働くいい女の「水曜14時』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華(P-cott) 構成/谷畑まゆみ