チャンスを前にしたら、ときには勢いに身を任せてみる。人生も仕事も〝波〟の見極めが大切です
今月の妻:加藤愛子さん
Houzz Japan株式会社 代表取締役・35歳
来るべき子育てに備えて、モノも時間の使い方も整理中です
人生の岐路に立たされたとき、人は迷って動けないか、焦って早まってしまう場合が少なくない。世界最大級の家づくりとインテリアデザインのプラットフォーム「Houzz(ハウズ)」の日本支社代表である加藤さんのスタンスは明快だ。ゆったりとかまえつつも、来た波は逃さない。25歳でロンドンでリーマンショックを経験したときも、彼女の判断は冷静だった。
「当時、メンバーが次々に退職していったのは衝撃的でした。私も改めて自分の人生を見つめ直し、悩んだ結果、会社に残りながらビジネススクールに通うことを決めたのです」 MBA取得後、学校のOBから日本での事業展開を望む海外企業を紹介され、流れに身を任せるように転職した。会社を立ち上げて1年で黒字化を実現。加藤さんはそれを機に新たなチャレンジをしたいと退社。ベンチャー企業のコンサルティングをしながらビジネスセンスを磨く中で、友人から日本展開を計画中の海外企業の情報を知らされる。
「住まいづくりのお手伝いをするプラットホームは日本でのニーズがあると感じて、翌週に即渡米を。創業者と面談して気持ちが固まり、すぐに入社を決めました」 日本支社の代表取締役に就任し、事業拡大のために採用に力を入れつつ、女性が働きやすい組織づくりにも注力してきた。34歳で結婚。目下の楽しみは自宅の部屋の模様替え。 「実は年内に出産予定なのですが、焦って引っ越しをしないで、家の模様替えをすることにしました。人生はいろんな波が来るものです。立ち止まって考えるのではなく、波を見極め、自分の強みを最大限活かせる波に乗ることが大切だと改めて実感しています」
Profile
かとう・あいこ/1983年、東京都生まれ。幼少期をアメリカで過ごし、シカゴ大学経済学部を20歳で卒業。ゴールドマン・サックスに入社し、東京とロンドンオフィスに勤務。2011年にINSEADでMBAを取得。28歳でビューティー・トレンド・ジャパンの代表取締役に就任。コスメの定期購入サービスの日本法人を創業し、初年度の黒字化に成功する。31歳で現職に。34歳で結婚。家では食事中や寝室まわりでのデジタルデトックスを実践中。
Domani2018年11月号『女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch! 働くいい女の「金曜14時』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY)ヘア&メーク/久保フユミ(ROI)構成/谷畑まゆみ