【目次】
あるステップファミリーの実態
(取材データ)
和美さん、43歳。22歳で出会った相手と2ヶ月でデキちゃった婚。子どもをふたり授かるも、9年目に離婚し、すぐに別の相手と再婚、新たにふたりの子どもを出産。元夫と現夫の子、4人を育てるステップファミリーの母親。
私がステップファミリーになった経緯
海外ではよく耳にする「ステップファミリー」。いわゆる、連れ子がいる再婚によって血縁関係にない親と子供が家族になることを指します。
最近だとふたりの双子を育てる歌手のジェニファー・ロペスが、同じようにふたりの子どものシングルファザーである元大リーガーのアレックス・ロドリゲスと婚約して、しかも家族ぐるみですごく仲良くてうまく行っているらしいのですが、日本ではそういうケースって、まだまだ稀な気がします。
今回はそんな、ステップファミリーで4人の子を育てるママ、和美さんのお話。ここで最初に説明しておくと、
・和美さんには最初の結婚で設けた、大学生3年生の息子と大学1年生になる娘の連れ子がいる
・再婚した夫との間には、小学2年生の娘と小学5年生の息子がいる
という家族構成。
取材する前の前情報として、「和美さんのふたりの連れ子の学費は和美さんが働いて出している」、というのを聞いて気になっていた私。例え血の繋がりがなくても、再婚したなら父親が払うものかと思っていたのですが、やはり連れ子となると肩身が狭いということなの…?
早速和美さんにステップファミリーとなった経緯を聞いてみました。
最初の結婚は交際2ヶ月の超・スピード婚!
和美さん(以下、か):最初の結婚は、付き合って2ヶ月でのスピード婚だったんです。2年くらい前から知っていた7歳年上の男性だったのですが、3月くらいからそういう関係になって、8月には妊娠発覚して9月には入籍しました。
和美さんは当時22歳。ちょうど大学院入試を受けて落ちてしまった直後のことでもあり、自営業のAさんと結婚すれば生活には困らないという考えもあって結婚を決めたとか。
けれどふたりめの子どもが生まれてすぐに、Aさんの会社が倒産。育児で精一杯だった和美さんに夫は「お金のことは俺がなんとかするから」と言い、どこからかお金を調達してきて普段と変わらない生活をしていたために、実感はなかったと言います。だけどそのうちに、各方面から借金返済最速の電話がかかってきたり、自宅に直接取り立てに来るように。
そんな状況を見かねて和美さんもパートに出るようになりますが、半年経っても状況は変わらないどころか、数百万円だったはずの借金が、いつしか一千万円以上に膨らんでいました。
か:夫は新しい会社を立ち上げると言いながら、実は毎日働きもせずパチンコに通っていたんです。それでうちの母が紹介した仕事に就いて働き始めたと思ったら、今度は浮気が発覚して…。
離婚半年で、既婚者だった上司とスピード略奪再婚
結婚9年目にして協議離婚が成立すると、和美さんは離婚の少し前から交際していた、既婚者だった上司と半年後に再婚します。
さかい(以下、さ):って、え? 略奪婚!? しかも初婚もだったけど再婚もスピード速いし!! 色々、どういうことですか(困惑)?
か:離婚を決意したときに、これからはシングルマザーになって夜働けなくなるからと昼間の仕事に転職して出会ったのが今の夫、Bさんなんです。8個上で仕事ができて、そのときは素敵に見えました。彼は当時奥さんと家庭内別居していたんですけど、私とのメールのやりとりがバレて離婚することになって。私の離婚もその後成立したので、一緒になることにしました。
子どもがふたりいるのに、離婚して半年で再婚とはかなり先を急いだ感じがしますが、これには理由があります。
か:子どもがいると、再婚のタイミングって難しいんですよね。そのときは3月に娘が卒園するので、苗字が変わることを考えたらここを逃すとタイミングがないな、と思って焦って入籍してしまったんです。
―このとき、息子さんは小学2年生だったけれど転校させることに。ふたりもいると、どちらもタイミングを合わせるなんて余計に大変そう。
だけど焦るとロクなことがない、というのが世の常。結婚なんて、その最たるものではないかと私は思うのであります。
再婚したのに愛が冷め切ってしまった理由とは
「今の夫と一緒にいるのは生活のため」。-再婚14年にしてそんな言葉を口にするほど夫への愛が冷めてしまった和美さん。今まで取材したバツイチさんは皆離婚して割りとハッピーになっていたと思うのですが、どうやら前の離婚を時折後悔したくなるほど、今の夫とあまり上手くいっていない様子なのです。
バツイチで再婚を目指している私にとっては、せっかく再婚したのに、どうしてそんなことになってしまったのかものすごく気になる。一体夫の何が不満なの!?
か:はっきり言って、彼が真面目に仕事していること以外、すべて不満です。普通のサラリーマンで、生活に困らないお金はちゃんとくれる。だけど子煩悩だった前の夫に比べて、育児は一切手伝わないし、連れ子いじめもひどかった。私の上司だったこともあるのかプライベートでも向こうが上で、彼の指示は絶対。かなり横暴な父親で夫だと思います。
えええええ〜〜〜〜〜〜〜。
バツイチだからこそダメンズを見抜く力が鍛えられて2度目は失敗しないものかと勝手に思っていたけれど、そんなこともあるのですね…。そして連れ子いじめとは、聞き捨てなりません。
和美さんが話してくれた、横暴な夫Bさんによる「連れ子差別」と、それでも彼女が離婚を思いとどまる理由については、次回へ続きたいと思います。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。