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2019.06.01

嫌われても「愛してる」と言い続ける! 「強さと優しさ」のある人に育てるために。カナダ人イクメン・ヒューさんの場合/後編

外国人パパにはイクメンが多いらしい?! そんな噂を徹底リサーチする新リーズ。ふたりめは、4歳のわんぱく息子を大きな心で育てる、カナダ出身のヒューさん(後編)。

Text:
南 ゆかり(フリーエディター・ライター)
Tags:

今は愛情たっぷりに育てたいんです。

PROFILE
出身地/カナダ
家族構成/妻(日本人)、息子(4歳)
住まい/東京・渋谷区
職業/大学の英語講師

家の片付けと英語レッスンはパパに任せて! カナダ人イクメン・ヒューさんの場合/前編

怒ったくらいじゃ、怖がらないしへこたれない

「のびのび育てたい」と話しましたが、危険なときなどは、もちろん怒るし、大声を出すこともあります。でもすぐに「さっきは大声出してごめんね」って息子に謝るんですけどね。私、本当は心配性なんです。でも、息子は怒られても怖がらないし、まったくへこたれない。「僕は悪くない!」みたいな顔をして、とにかく強いんです。

でも妻に言わせると、僕のほうが「へこたれない」らしい(笑)。息子から「ダディ嫌い」と言われても、「いいよ、それでも僕は君を愛してる」と言い続けますからね。妻は「ダメなものはダメ」「ちゃんと叱る」って言うけど、僕は「そのうちわかるよ」ってなだめるんです。今の時期はパパよりママのほうが好きだったりもするけど、僕が息子を愛していれば、それでいいです。優しすぎるのかもしれないけど、今は愛情たっぷりに育てたいんです。

「愛されてる」と感じながら育てば、息子がもっている強さはそのままに、きっと優しい人になってくれるでしょう。目の前に困っている人がいれば助ける人になってほしい。自分を貫く強さをもちつつも、人には優しく。そして、間違ったとき、やりすぎたときは、ちゃんと謝る人に。これ、日本人のもつ素晴らしさでもあると思うんです。

飲み会よりも息子といるほうが好き

カナダの家庭では、ベビーシッターを頼むことは多いと思います。今うちでは、ベビーシッターの代わりに妻のお母さんが熱海から来て、息子を見てくれます。いつもではなくて、たとえば結婚記念日にふたりで食事に出かけてお散歩して、ほんの数時間だけど、貴重な時間です。記念日のレストランを予約するのは、もちろん私です。

妻が友達と出かけるときは、僕がお留守番。ときどき、深夜まで友達の家でおしゃべりしているみたいだけど、それも息抜きになるなら、いいんじゃないかな? 出かける前に妻が夕食を作っておいてくれて、出かけたら僕が息子に食べさせて、お風呂に入れて、歯磨きして寝かしつけて。そしていつものように片付けをして。

僕のほうですか? かつては飲み会に出かけたこともあったけど、今はずいぶん減りました。たまに出かけても、できるだけ息子が寝る前には帰ります。飲み会よりも、息子と一緒にいるほうが好きなんです。

−−「怒らなくても、いつかわかってくれる」というヒューさんの性格を、奥さまは「ロングスパンで考えられる人」といいます。息子さんの野菜嫌いも、ヒューさんは2年がかりでじっくり解消。これまでは「不安になったり」「結果をすぐに求めがち」だったという奥さまの気持ちも、ゆっくり和らいでいったそう。その結果「生きるのが楽になった」というのは、イクメンによる最大の効用かもしれません。

イラスト/松元まり子

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。半年にわたって取材・執筆した書籍『真夏も雪の日もかき氷おかわり!』が6月28日小学館より発売されます! ほかにOggi誌面「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」などなど連載中。

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