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LIFESTYLE子育て

2019.10.18

大好きなゲームの時間のためにしていることって?【しまおまほのおしえてコドモNOW!】

エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出す。コドモ連載の第20回が始まります~。

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第20回:ハジメくん(9歳)

インタビューが行われるカフェまで、駅から待ち合わせのカフェまで歩いていると、わたしの横を自転車で走る親子が通り過ぎました。お母さんの自転車の後ろに乗っている男の子は真新しいオモチャを大事そうに抱えていました。

「さては、サンタさんからのプレゼントだな」

この日はクリスマスの翌日。プレゼントと片時も離れたくない! そんな様子でオモチャを抱えている子どもを何人か見かけました。

カフェにつくと、自転車の後ろに乗っていたさっきの男の子が奥のテーブルで遊んでいます。インタビューするハジメくん(9歳)の弟のヒフミくん(5歳)でした。ハジメくんはお母さんとヒフミくんの後ろを走っていた自転車の男の子でした。手元にはやはりオモチャが。

サンタさんからのプレゼント。

まほ:それ、サンタさんから?

ハジメ:うん。

まほ:やっぱり。それは「スプラトゥーン」……かな?

ハジメ:そう。

まほ:ヒフミくんの銃みたいなオモチャは?

ヒフミ:「ルパンレンジャー」。

まほ:あー、なんか知ってる。

ウチの3歳8ヵ月の息子も、「ルパンレンジャー」をどこかで覚えてきました。同時に「パトレンジャー」とも言っていて、そういう番組が2つあるのかな?と思っていたら、「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」って番組なんですね。日曜の朝に早く起きたためしがないので、一度も観たことはありませんが……。

まほ:25日って火曜日だったよね? 朝、お家に届いてたプレゼント……中身を見てから学校行ったの?

ハジメ:ううん。

母:「帰ってからじゃないとダメだよ」って言われてね。

まほ:ガマンしたんだ。

ハジメ:(うなずく)

まほ:じゃあ、家にすぐ帰ったでしょ。

ハジメ:ううん。遅かった。

母:遅かったね。

まほ:えーそうなんだ。わたしだったら一目散に家に帰るけどなあ。

母:家と学校が5分の距離なんですけど、いつも30分以上かけて帰ってきてて。

まほ:プレゼント忘れてたの?

ハジメ:忘れてない。

母:昨日は終業式だったからね。

まほ:なるほどね。終業式の日って、友だちと別れがたかったりするもんね。荷物いっぱい抱えて帰った?

ハジメ:金曜までに持って帰った。

まほ:ヒフミくんは? 保育園? 幼稚園? 行ったのかな。

ヒフミ:ようちえん、ふゆやしゅみ。

まほ:あ、じゃあヒフミくんはプレゼントの開封をガマンせずにすんだんだ。

ちなみに。ウチのサンタは24日、振替休日の月曜日の朝にやってきました。保育園児は平日の朝に届いたプレゼントを帰るまでガマンするなんて、絶対できないですからね〜。サンタって気が利きますねえ。

まほ:で、もらったのがスプラトゥーンのフィギュアなんだ。

母:これをかざすと……。

まほ:かざす? 何を?

母:「Nintendo Switch」(以下、Switch)のコントローラにかざすと、このキャラがゲームの中に出てくるんだよね?

ハジメ:うん。

まほ:うそ〜。そんな機能があるんだー。フィギュアをもらったのかと思ってた。好きなゲームのフィギュア集めてるなんて、9歳なのにずいぶん落ち着いた趣味だなと……。この子はなんて名前なの?

ハジメ:「amiibo(アミーボ)」。

まほ:アミーゴってキャラなんだー。

ハジメ:ボ! アミーボ!

まほ:アミー坊か〜。

ハジメくんの家ではクリスマスの何日か前から窓際にサンタさん宛の手紙を置くことになっているそうです。いつの間にかその手紙はなくなり、クリスマスには手紙に書いたプレゼントが届くんだとか。

大好きなゲームの時間のためにしていること。

まほ:ゲームをする時間って決まってるの?

ハジメ:本を……読んだ時間。

まほ:へえ! 自己申告?

母:そうなんです。

まほ:それが本当かどうかって……。

ヒフミ:ねえ〜、ねえ〜。

母:まあ、そこは追及しないことにしてます。

まほ:どう? ハジメくん、ちゃんと読んでる?

ハジメ:……。

母:一応、そのルールには従ってる……よね?

ハジメ:うん。でも……たまに、守らないことも少し、ある。

ヒフミ:ふにゃ〜。

まほ:ゲームするために本読んでるって感じ?

ハジメ:(うなずく)

母:最近は、「ゲームしたい! でも本読みたくない〜」って悶えてます。

ヒフミ:ねえ〜。いつ終わる?

ハジメ:でもさあ、計算ドリルやったりしてんじゃん!

まほ:計算ドリルでも加算されるの?

ハジメ:1枚15分。

母:あまりにも、「読みたくない」って言うから……。

まほ:ルールを設定する親も、大変だ〜。お察しします。ゲームは何が好き?

ハジメ:最近は、「スマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)」やってる!

ヒフミ:カービィちゅかってる!

グズってたヒフミくんが、急に元気になりました。ハジメくんも表情がパァっと明るくなり、声も大きくなっています。

ヒフミ:カービィちゅよいよ。ピカチュウもちゅかってる!

まほ:ゲーム、好きなんだね〜。

母:お父さんが好きなのよね。Switchが発売になった時も、何度も抽選に外れて……。

ハジメ:お父さんとふたりで並んで、ハーちゃんが当てたんだよ。全部で20個あって、11番で当てたの。くじ引きで。

母:ヨドバシに朝から並んでね……。

まほ:なになに? 抽選で当たったの?

ハジメ:違う。買えたの。

まほ:ああ、買う権利を抽選で得たのか。

は:ハーちゃんが当てたの!

まほ:20個Switchがあって、11番を引いて当てたってこと?

ハジメ:違う。20個あってー、11個めで買えたの。

まほ:20個あるSwitchのうち、11番目に当たったのかなあ。

ハジメ:うーん。

まほ:違う?

ハジメ:うーん。

まほ:なんか違いそうだね。

母:残り11個の時に買えたってこと?

ハジメ:ああ、そう。それ。

まほ:やっと答えにたどり着いた! Switch買えて、嬉しかった?

ハジメ:うん! うれしかったー(ウットリ)。

まほ:誰が一番最初にやったのかな?

ハジメ:お父さん。

まほ:友だち、羨ましがったでしょ。

ハジメ:え、お母さんがいっぱい家にくるから言ったらダメって。

まほ:内緒にしてたの?

ハジメ:うん。

まほ:え〜、自慢したくならなかった?

ハジメ:うーん、言わなかった。でも、ひとりだけに言ったけど。

まほ:羨ましがられなかった?

ハジメ:だいじょぶだった。お母さんさあ、大げさなんだもん〜。

ヒフミ:ふぇ〜まだ〜?

まほ:最初にやったゲームは?

ハジメ:DS。

まほ:何歳の時?

ハジメ:小1になるまでゲームはダメって言われててー、7歳の誕生日に買ってもらった。

まほ:ハジメくんはさあ、「ファミリーコンピュータ」って知ってる?

ハジメ:え、肌色と赤のやつ。

まほ:そうそう(笑)。「スーパーマリオ」は、やったことある?

ハジメ:あるけど、操作が難しかった。

まほ:えー! そうなの? 簡単すぎるくらいだと思うけど……。

ハジメ:単純すぎて難しい。

まほ:あー、「スプラトゥーン」や「スマブラ」に慣れているとそうかもね〜。

ハジメ:3Dのマリオの方が好き。

ヒフミ:ねえねえねえ〜まだ〜?

誰にも言えなかった習い事。

退屈そうだったヒフミくんは、迎えに来たお父さんに連れられて習い事のプールへ途中退席。あんなにグズっていたのに、店を出る時は「帰りたくない」とギャン泣きしていました……。

ハジメ:ふぅ……。

まほ:ヒフミくんはどんな子?

ハジメ:ヤなやつ。

まほ:でも、いないと寂しかったりするでしょ?

ハジメ:まあね、ちょっとさみしい。

まほ:でしょ?

ハジメ:でもさあ、最初からいなかったらさみしくないのに。

まほ:いやあ、それはそうなのかもしれないけどさあ。

ハジメ:3人(親子)がよかった……。

まほ:まー、そう言わずに……。

普段、ハジメくんは5歳のヒフミくんのわがままにグッと我慢しているそう。
「お兄ちゃんだから、弟に手をださない」と決めているそうなのです。

まほ:習い事はしているの?

ハジメ:テニス。

まほ:珍しいんじゃない? どうして始めたのかな。

ハジメ:……(お母さんを見る)。

母:あ、わたしの……(笑)、わたしが……やらせたかったんです。

まほ:そうなんですね!

母:サンプラス選手が好きで……(照)。

まほ:ふんふん。

母:テニスの、孤独な感じも好きで。一人で考えて……強い子になれるんじゃないかって思って……。

まほ:なるほど。テニス以外では習い事してない?

母:えっと、前に……。

ハジメ:(母を睨む)。

母:やめよっか、ね。この話は……。

ハジメくん、習い事に関してどうやら触れられたくない過去をもっているらしいのです。それは、軽いノリで聞けないくらいその場に気まずい雰囲気を漂わせるものでした。

まほ:聞いてもいいのかな?

ハジメ:……。

ハジメくんを一瞬にして暗い気持ちにさせるある習い事。
お母さんの念願だったそれを、2年半続けて辞めました。男の子なのにタイツをはくこと、発表会でお化粧しなければいけなかったこと……。友だちには絶対に言えない習い事だったそうです。

母:踊っている最中は楽しそうにしていたんですけどね……。

ハジメ:無理矢理はヤだ。

母:今もやっていたことは誰にも言っていないんです。

まほ:そうかー。

ハジメ:「ヒー(ヒフミ)くんにもやらせる」って言ってたのにさ。

まほ:それは、ハジメくんと一緒に通うのが前提だったんじゃない?

ハジメ:それにさあ、ハーちゃんはさあ、小学校までゲーム我慢したのにさあ、ヒーくんはまだ幼稚園なのにSwitchもDSもやってる……。ヒーくんにもハーちゃんと同じ気持ちになってほしい。

まほ:辛いねえ。お兄ちゃん。

ハジメくん、習い事について記事にしてもいいけど、その場合このインタビューのことは友だちに内緒にするそうです。なので、習い事の具体名は伏せましたが……。

でも、将来、ハジメくんがこの時の経験を発揮できる場面がきっとあると思います。2年半もやってたんだから、力になっていないはずがないです。

ハーちゃんは、普通の男。

まほ:女子とは仲良い?

ハジメ:女子はキライ。

まほ:仲良い友だちは?

ハジメ:ゆうま、りょうき、えいすけ。

まほ:どんな友だち?

ハジメ:ゆうまはイイやつ。具合悪くなった時に保健室までお見舞いにきてくれる。

まほ:ああ、それは優しいねえ。

ハジメ:一番背が高いよ。

まほ:そうなんだ。何センチ?

ハジメ:126センチ。ゆうまは自分の弟がついてきても何も言わない。りょうきはゲームがうまい。えいすけはたまにカンチョーする。

まほ:ハハハ……。ハジメくんは?

ハジメ:ハーちゃんは……普通の男。

まほ:(笑)。ハジメくんは、学校でも自分のこと「ハーちゃん」て言うの?

ハジメ:いや「オレ」。

まほ:だよね(笑)。

「オレ」の発音は、「抹茶オレ」の「オレ」です。

まほ:間違って「ハーちゃ……オレ」ってなんない?

ハジメ:少しだけ。

まほ:友だちからはなんて呼ばれてるの?

ハジメ:「ハジメ」。

まほ:女子からも?

ハジメ:女子からは……「ハーちゃん」。

まほ:ハーちゃんなんだ〜。

ハジメ:うん……。

まほ:ハジメくん、ピンクの服着てるけど、それは女子っぽいとか思わないの?

ハジメ:昔はヤだったけどー、エグゼイドの影響で着るようになった。

まほ:なるほど。「仮面ライダーエグゼイド」はショッキングピンクだったもんね。

ハジメ:うん。かっこいい。

男の子盛りのハジメくん。
もし、大好きな仮面ライダーがあの習い事をやっていたら、続けられていたのかもしれないねえ。

つづく

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文・絵:しまおまほ 編集:小川知子  デザイン:根本真路

エッセイスト、イラストレーター

しまおまほ

1978 年生まれ。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。

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