「寿司職人になってでも君と一緒にいたい!」
一度はアメリカ人と浮気してN.Y.に追いかけて行った妻を許して、結婚生活を続けた総一郎さん。再びN.Y.に語学留学したいという妻を送り出したのですが、期間を決めていなかったためか、1年経っても妻が一向に帰って来ない。
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総一郎さん:その間、休みの度にN.Y.に会いに行って一緒に過ごして、帰って来るように説得しました。「僕が仕事を辞めてN.Y.に来てもいい。N.Y.でラーメン屋でバイトしてもいいから、君と上手くやって行きたい」って。
さかい:すごい…。仕事を辞めてでも奥さんと一緒にいたいって、本当に愛してらっしゃったんですね。奥さんのどういうところにそんなに惹かれたんですか?
総一郎さん:彼女には常に、僕には理解できない謎の部分があったんです。人って全部理解してしまうとつまらないけれど、そのミステリアスなところが面白かった。
さかい:2年間も別居されていて、その間に総一郎さんに他の女性はいたんですか?
総一郎さん:僕は友達がたくさんいるので、さみしいということはなくて。他に女性は作りませんでした。とにかく、彼女と別れたくない。その一心だったんです。
奥さんをそこまで受け入れてなんとか上手くやって行こうとがんばっていた総一郎さんですが、結局A子さんが40歳になった年に離婚することに。
総一郎さん:人間って矛盾だらけの生き物。年齢が変われば、気持ちが変わるのも仕方ないことなのかもしれないですね。
―ここまで好き勝手やっても愛してくれる、こんな物分かりのいい大人の男性と別れちゃうなんて、すご〜くもったいない気もするけれど…。
40歳だからこそ、セックスをあきらめきれずに新しい人生をスタートさせようと決意した、A子さんの気持ちも私にはなんだかわかる。
なぜなら、私の周りでも長年連れ添った配偶者とマンネリになり、「これが最後の恋かもしれない!」とばかりに不倫相手にのめり込む40代の男女の話をよく聞くんですよね。それは年齢的にも肉体的にも激しい恋ができるラストチャンスだと思って飛び込みたくなる、人間の本能のようなものなのかな、と。
「40代の女の恋は激しく燃え上がる」というようなことを、あの恋多き女ジェーン・バーキンも言っていましたし!
性の不一致が原因で離婚してしまった総一郎さんですが、その後はマッチングアプリで婚活中。「僕はパートナーって人生を豊かにしてくれる、大切なものだと思うんですよ。だからまた、一緒に時間を共有できるようなパートナーを得たいなと思っています」。
私もその意見に賛成。かつて心から愛した人が居るからこそ、愛に敗れても、我々は結婚というものへの希望を捨てられないのかもしれません。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。