〝偏愛〟最高!毎日、私らしいをまとう
高橋リタさん/スタイリスト
いつでもどこでも心地よくて堂々とできる装いでいたい
シンプルでベーシックなのにちゃんと今っぽい―――絶妙なさじ加減のスタイリングで人気の髙橋リタさん。プライベートのおしゃれも気になるところです。
「言わずと知れた〝偏愛気質〟(笑)。好きなものの幅が狭く、掘り下げて極めたいタイプです。だから、同じアイテムをサイズ違いや色違いでそろえるのはあたりまえ。常に自分が心地いいと思える格好をしていたいから、毎日同じようなコーディネートになりますが(笑)、それでいいんです」
その言葉どおり、バンドカラーのシャツにクロップドパンツ、フラットシューズという組み合わせは、ほぼ毎日しているそう。
「スタイリストって1日の中でシーンの振り幅がすごく広い職業。朝、海でロケをして、そのあとにラグジュアリーブランドのリースに行って、夜はビストロでディナー…、なんていう日もざら(笑)。急に予定が変わることもよくありますね。昔は、着替えの服を持って出かけたり、靴を履き替えたりしていたこともあるんですが、荷物も増えるし手間もかかるし、忙しいなか、けっこうなストレス!だから動きやすくて、どんな場面でも自信をもって、自分らしくいられる〝シーンレス〟な装いを考えた結果、この組み合わせに行き着きました。フラットシューズはもともと、自分のスタイルのベースにあるアイテムですが、デザイン性が高くて自分らしく履ける、女性用のフラットシューズが増えたのも〝シーンレス〟な着こなしを実現できた一因かもしれませんね」
〝シーンレス〟で自分らしい着こなしが基本
「シャツもクロップドパンツも〝クリーン・知的・上品〟の条件を満たしているのはもちろん、年齢を重ねた体の丸みを上手にカバーしてくれるアイテム。〝エルメス〟のバッグやダイヤモンドが施された〝カルティエ〟の『タンクアメリカン』で女っぽさを」
シャツ・パンツ/セリーヌ バッグ/エルメス 靴/スタブス & ウートン ブレスレット[上・中]・時計/カルティエ バングル[ダイヤモンド]/ティファニー ストール/ベグ アンド コー
気負いなく着られるバンドカラーがお気に入り
「バンドカラーのシャツは、着るだけで決まるし、抜け感が出るから好き。まったく同じデザインをサイズ違いでそろえることも」
シャツ/[左2枚]セリーヌ・[右2枚]バグッタ
メンズブランドならではの渋さが◎
「イタリアはトリノでメンズのパンツブランドとして誕生した〝ピーティー〟とのコラボ。メンズ特有の小粋さと女性の体を美しく見せるシルエットを兼ね備えたパンツは、何本あってもいい」
パンツ/ピーティートリノウーマン
ないと不安になるスキンジュエリー
「いつも右手首にはこの4本。〝カルティエ〟の『ID プレートブレスレット』は名前入り」
ブレスレット/[イエローゴールド]カルティエ バングル/[ダイヤモンド]ティファニー
〝エルメス〟のバッグで奥ゆかしい華やかさを
「上品なゴールドの金具使いが好みの〝エルメス〟のバッグ。シンプルなコーディネートにジュエリーを差すような感覚で、取り入れています。右は最近買った『ヴェルー』、左は名品『コンスタンス』」
バッグ/エルメス
トラッド好きにはたまらないメンズ靴
「メンズライクな足元もマイベーシックですが、ローファーは特に偏愛度が高いアイテム。〝ウエストン〟は、レザーと木型の美しさがさすがです」
靴/ジェイエムウエストン
3つのキーワードで自分らしさを導き出す
そんなリタさんが、自分の着こなしにおいても、スタイリングを組む際にも軸としているのが「クリーン・知的・上品」という3つのキーワードです。
「コーディネートを考えるとき、まずは〝どういう自分になりたいか〟〝どういう自分に見られたいか〟を、冷静に分析&イメージすることが大事。もちろん、自分が心地よく過ごせて、ライフスタイルやT.P.O.に沿っていることもマストです。それらを加味したうえで3つのキーワードを決めて、それを満たす着こなしを考える。この作業を繰り返すことで、自分らしいスタイルが見つかるんだと思います」
それでは「スタイルを貫きながらも、古い人に見せない」ためには、どうしたらいいのでしょうか?
「トレンドって約2〜3年で変わるもの。だから、スタイリングの土台となるベーシックなアイテムこそ、アップデートが必要です。シャツのディテールや丈、パンツの股上やすそ幅…。確実に旬のデザインは変わるので、私もシーズンごとに必ず見直しています。こまめなアップデートを怠らないことによって、ベーシックなのに今っぽい、いつでもその人らしいのに今っぽい、が叶うのではないでしょうか」
知識や経験を積み重ねてきた大人であるからこそ、リタさんの〝偏愛〟はきらきらと輝いて見えるもの。
「日によって違う女性にはなりたくない。私は毎日、私でいたいんです。だからずっと同じような着こなしを、深掘りしながら楽しんでいくんじゃないかな(笑)」
愛して止まないトレンチも更新!
「スタンダードなのに、着てみるとモードでかっこいい。エディ・スリマンのつくるアウターが好きで〝セリーヌ〟で購入。ちなみにエディ時代の〝サンローラン〟のトレンチも所有しています」
コート/セリーヌ
上質な遊び心が香るネックレス
「『ティファニー キー』と天使『ケルビム』のチャームを選んで、ロングチェーンに通してもらいました。クルーネックのワンピースやニットのポイントに」
ネックレス[チャーム・チェーン]/ティファニー
レイヤードして奥行きのある香りに
「重ねづけしてオリジナルの香りを楽しんでいます」
ワイルド ブルーベル コロン 100ml¥16,000・イングリッシュ ペアー & フリージア ボディ クレーム・ネクタリン ブロッサム & ハニー ボディ クレーム 各175ml¥11,000(ジョー マローン ロンドン)
大人の肌はダイヤモンドで輝かせて♡
「20歳の誕生日に両親に『マスト タンク』を贈られて以来、その魅力にどっぷり。年を重ねた肌には輝きが必要なので(笑)、ダイヤモンドがあしらわれたタイプも順調に増え続けているところです」
時計/カルティエ
スタイリスト
高橋リタ
さまざまな女性誌やブランドのカタログ、コラボやディレクションなどで活躍するスタイリスト。シンプルベーシックを基盤にしたブレないスタイリングが、幅広い女性から支持されている。プライベートでは、東京と七里ガ浜を往来するデュアルライフを楽しむ。
Domani2020年10/11月号「ALL私物で見せてもらいました!『これが私の〝10年ベーシック〟。』」より
撮影/坂根綾子 構成/今村紗代子 再構成/Web Domani編集部
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