人には人生3回のモテ期がやってくると聞いたことがあります。
が、これまでの取材で聞いた限り、フラれた経験は一度もなく、「人生で彼氏が居なかった時期は20代の太って居た時期半年だけ」とおっしゃっていた遥さん。37歳で離婚すると、またもや凄まじいモテ期がやって来ます。 そう聞くと、「結局美女は離婚してもすぐに次の相手が見つかって人生順風満帆って話かよ!!」と思うかもしれませんが、「モテ=幸せ」、とはならないのが人生のままならぬところ。ここからが遥さんの〝恋愛迷走期〟のスタートだったのです。
連載過去記事:第1回アラフォーになると独身よりバツイチがモテるってホント!?
第2回モテ美女が完璧主義者の夫とNYで新婚生活を始めたら・・・!?
第3回「子供は絶対に欲しくない」夫からまさかの告白
離婚後モテ美人に訪れた、恋愛迷走期のスタート
「恋愛迷走期」。それは、バツイチなら離婚後、誰もが経験する、避けては通れない道——。
遥さんのようにモテる人ほどハマりやすいともいえます。人生で大きな決断である「結婚」という選択に失敗した(ように感じてしまう)ことで自分の恋愛に対する直感に自信が持てなくなり、元夫とはあえて真逆な人を選んでみたり、まだ女としての魅力が自分にあるかどうかを確認するためだけに手近な誰かと付き合ったり、などなど。
私にも思いっきり心当たりがあります。そうやって、離婚後2年くらいは、恋愛のリハビリを繰り返していくものなのですが、遙さんも例外ではありませんでした。
——周囲から「理想のカップル」と思われていた遥さんが離婚したことで周りの人々に与えるダメージは予想以上に大きく、離婚の噂を聞いた後輩に泣かれることもあったそう。今まで、仲のいい自分の両親のような夫婦に自分もなれるものと思っていた遥さんも、メンタル的にかなり弱っていました。ただ、そんなときでも嫌でもモテる(一度でいいから言ってみたいわ〜)のが美女の宿命。
20代後半の超イケメン男性や、男手ひとつで息子を育てるバツイチ40代の男性など、次々にデートを重ねていきます。
さて、結婚相手が「自分の好みとはちょっと違った」という遥さんは、「付き合うなら好みのルックスのイケメンと付き合いたいな」、さらに、「楽しそうだから、●●業界の人がいいな」とも漠然と思っていたそう。
そうしたら、見事そんなイケメン●●業界男性を引き寄せてしまったのです。
さすが、「持ってる」女、遥……!
アラフォー美女を巡って●●業界の男性ふたりのバトル勃発!
遥さん(以下、は):「離婚した2ヶ月後に呼ばれた食事会で、●●社(業界大手)の男性たちも来たのですが、そのなかにSNSで知り合ったふたりの男性がいて」
さかい(以下、さ):「おお〜。引き寄せるの、早い(笑)! しかもそんなピンポイントで!」
ひとりは、SNSで有名人の知的な文化人タイプの男性Xさん。もうひとりは、SNSで知らないうちに繋がっていて、「この人誰だっけ?」と思ってプロフィールを見にいったら「見た瞬間にこんな人が存在するんだと衝撃を受けるほど、顔が好みだった」というZさん。XさんとはSNSで絡んだこともあったというので、すごい偶然です。
は:「ルックスはZさんが好みだったんですけど、彼はすごく遊んでそうなチャラい印象で。こんな人と付き合ったら苦労しそうだなあ、と思って、会うのは昼間だけにしてました。Xさんの方は天才肌で頭が良くて、元々知的な男性が好きな私は、最初Xさんみたいな人と付き合えたらいいなと思っていたんです」
結果的にXさんとZさん、ふたりとも遥さんに夢中になっていきました。そんなある日、Xさんと食事しているレストランにZさんが偶然訪れた際に、ちょっとした修羅場を迎えてしまいます。
は:「色々あって、でも最終的に私が選んだのは、Zさんでした。元夫は食事に行ったらメニューまで決めてくれるような、しっかり者。そんな彼と比べてZさんは、優柔不断でリードもしてくれないし、のんびりしていてさみしがり屋で、元夫とは正反対のタイプ。だから最初は物足りなさを感じていたんですけど、一緒にいるうちに段々居心地が良くなってきたんですよね」
ニューヨークで個人主義のJさんとの自立した結婚生活を送ったあとでの、遥さんと常に一緒に居たがる甘えん坊のZさんの存在は、彼女の今までのさみしさを癒してくれるものとなりました。
けれど最初に抱いていた、遥さんのZさんに対する「遊んでそう」というイメージが的中していたことが判明します——余談ですがだいたいそういう第一印象って当たってますよね——。 部屋には女性のものと思われるアイテムがたくさんあるし、チラホラ女性の影も。それだけならまだしも、なんと、Zさんには婚約者がいたことが発覚! ただし、親同士の付き合いからした政略結婚のための結婚で、肉体関係もない、というちょっと変わった関係。
は:「もちろんそれを聞いてショックだったんですけど、彼は『婚約破棄して遥と結婚する!』とプロポーズしてきたんです」
さ:「え! プロポーズ!? どうしたんですか、それで?」
は:「彼のことは好きだったけど、心から信用することはできないな、と感じてお断りしました」
ちょうどそんなときに現れたのが、ちょっと強引なタイプの経営者、Yさんでした。
——って、ここまで、離婚してから一度も恋の相手が途切れていない遙さん。
アラフォーになると出会いが少ないという話を聞くけれど、まるで遙さんの周りだけ出会いをどんどん引き寄せる、異次元空間が発生しているかのよう……!
ここからもドラマティックな体験談が続くのですが、長いのでまたまた次回に続きます。
※プライバシー保護のため、取材内容は一部変更してあります。
イラスト/naotte 取材・文/さかいもゆる
さかいもゆる/出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」、i-voce「ハリウッドセレブの恋する言葉」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。