人気モデル五明祐子さんは〝きちんと見える仕かけ〟で、カジュアルを大人に昇華する
洗練された大人のカジュアルスタイルが、五明さんの代名詞。ナチュラルなのに老けて見えない、その絶妙なバランスは是非ともマネしたいところです。
「ボーダー、デニム、かごバッグ…。基本的に好きなものは昔からあまり変わらないのですが、40歳を過ぎたころから〝周囲への気づかい〟を意識するようになりました。若いときに着ていたような『Tシャツ×デニム、以上!』という、超シンプルカジュアルは大人には通用しません。どうしても〝部屋着〟っぽく、だらしなく見えちゃいますから。仕事であれ、プライベートであれ、それは一緒にいる相手に失礼かなと思って。なので、アクセサリーをちゃんとつけたり、色小物で盛ったりと〝+α〟の部分を意識するようになりました」
さらに〝顔映り〟も重要なキーワードになったと話します。
「〝好きな色〟と〝肌映えする色〟なら、迷わず後者を選ぶように。ベージュやグレーなどのニュアンスカラーって、色味によってはくすんで見えることがあるので、試着して慎重にチェック。店員さんに意見を求めることもよくありますね」
自分の〝性格と生活〟にフィットするかを軸に
〝自分らしさを貫くこと〟と〝頑なになること〟は表裏一体だったりしますが、そのあたり、五明さんはとても軽やかです。
「店員さんのアドバイスは、よく聞くほうかも。他人の目に自分が〝実際〟どう映っているのか、が気になるんですよね。出かける前『どっちの靴にしようかな』と迷ったときも、全身鏡に映った自分の姿をスマホで撮影して見比べたりします。鏡を直接見るときは〝自分の目線〟だけど、撮影した写真を見るときは〝他人の目線〟になるから、客観的に判断できていいんです」
40代ならではのアイディアに富んでいるのに、あくまで〝自然体〟。これも、五明カジュアルの大きな魅力です。
「自分らしいスタイルに必要なのって、『性格と生活に合っていること』かなって思うんです。私の場合、湘南に住んでいるので、歩きやすくてラクちんな格好がベース(もちろん、スタイルよく見せる工夫も忘れません)。それから細かいことが苦手なので(笑)、『着ればOK!』というシンプルな服が性に合っているみたい。トレンドのそでコンシャスな服なんて着ようものなら、なじみの居酒屋さんでジャマですから(笑)。自分が気持ちよく過ごせることを大事にしながら、周囲への気づかいも忘れない。このバランスで〝大人カジュアル〟を、この先も極めていきたいです」
モデル歴26年、現在44歳。『LEE』の誌面に登場するたび大反響の〝五明スタイル〟が堪能できる、初のオール私服&セルフコーディネート本。春夏秋冬の着こなしがなんと計200体。大人カジュアルのヒントが盛りだくさん。
モデル
五明祐子さん
18歳で『non-no』モデルとしてデビュー後、数々の女性誌や広告に出演。最近はテレビにも活躍の場を広げている。ブログ「オキラクDays」やインスタグラムで発信する、肩の力の抜けた大人カジュアルな着こなしも注目の的。
Domani2018年2月号『スタイルある女が「してること」「してないこと」』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/野呂知功(TRIVAL) スタイリング協力/石上美津江 ヘア&メーク/佐藤エイコ(ilumini.) 構成/今村紗代子