【目次】
vol.1:コロナ禍になって、おしゃれについて思うこと
はじめまして、editor_kaoです。
普段は、ファッション誌やウェブサイトで編集者として活動しています。得意なのは、大人の女性のリアルクローズ。インスタグラムでも、私服コーディネートを日々投稿しています。
さて、本日からDomaniでファッションコラムを連載することになりました。タイトルは『今日からは、自分のために服を着たい』。これまで、大人の実用ファッションをずーーーっと追い続けてきたわけですが、昔と今では、おしゃれの意味や価値観が、ずいぶんと変わったと思います。まあ、あたりまえではあるのですが、このコロナ禍において、それはさらに大きく変化したような。
おしゃれは、ひとりでも叶えられる日々のワクワク
でもそれは、“どうでもよくなった”と、いうことではなくて。あまり出かけないからと、いいかげんな洋服を着続けていると、だんだんせつない気持ちになってきますよね。ちょっと明るい色の洋服を着てみるとか、新しいアイテムに挑戦してみるワクワクって、やっぱりほかでは得られない喜びだと思うんです。あと、いろいろと制限がある生活の中で、おしゃれって個人で実現できる、数少ないお楽しみ。シーンが限られているからこそ、よりおしゃれとは素直な気持ちで向かい合いたい。そう実感しています。
今、ファッションサイトが伝えられることって?
これは自分の体験なのですが、昨年の春、東京で最初の緊急事態宣言が出たときに、「いったいこれから、ファッション特集はどうつくったらいいのだろう……」と、とても悩みました。それまでファッション誌やウェブサイトの軸とされてきた「このシーンにはこんな服」という定義が、根本から崩れてしまったんです。そもそも外にお出かけしないし、人に会わない。当時はお買い物もできない状況だったので、本当に提案できるものが何もなくて。ロケもすべて中止になったので、何度もコンテを描き直したり、まだ慣れないリモート会議で、あたふたしながらやりとりしたことは、一生忘れないと思います。今まで当然のように提案してきたことが、すべて表面的なものに見えて、どんな内容で原稿を書くべきか、ということも、ものすごく悩みました。「初めての取引先とのミーティングは、好感度の中にも華やぎを添えた着こなしで」とか言われても、ねぇ……。
人に会えないなら、自分のためにおしゃれをすればいい
特に働く大人の女性は、「どんな仕事をして」「だれと会って」「どう思われるか」で、毎日の着こなしを考えます。それは今も継続しながらも、リモートワークが増えたことで、以前より周囲のことを気にしなくていい日ができた人も多いはず。おしゃれが、オフィシャル向きというよりも、より個人的なものへとスライドしているのではないでしょうか。だったらこれからは、自分のためにおしゃれをしたい。
このコラムでは、周囲に振り回されることなく、自分のペースで楽しめる、大人のおしゃれについて書いていけたらと思います。おすすめのアイテムだったり、組み合わせだったり、ときには概念(!)だったりすることも。気分にフィットするものがあれば、ぜひ読んでみてください。それでは!
【今日のひと手間】
手を洗ったり、アルコール消毒をひんぱんにするようになってから、リングと疎遠に。
でもそれではさびしいなと、少し前にH&Mでめちゃ安リングセット(7〜10本くらいで¥999!)を買いました。
極細なので、安っぽく見えないのがポイントです。正直、変色はしやすいのですが(泣)、ここは割り切って。気分しだいで、いろんな指にレイヤードして楽しんでいます。
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ