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2018.04.11

セクハラについて番組で話したら「ブスの妄言」と100叩き|#MeTooについて思うこと【たむらようこの風通しのいい仕事道】

放送作家のたむらようこさんが働く女性目線で語る、仕事・環境をとりまくアレコレ。今回は「女性の働きづらさ」について綴ります。

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「#MeToo」の広がりと難しさに、女性の働きづらさを思う

あなたはSNSのコメントで「ブス」「ブス」と100回叩かれたことがあるでしょうか? できればだれもそんな辛い目に遭って欲しくないなと願っています。私はその経験があり結構凹んだからです。 去年、はあちゅうさんがセクハラ経験を#MeTooをつけて告発し、大きな話題を呼びました。ご存知の通り#MeTooは、ハリウッドの大物プロデューサーから性的被害を受けた女優が「セクハラや性的暴行を受けてきたすべての女性たちが『私も。』と投稿することで人々に問題の深刻さを知ってもらえるかもしれない」と始めたSNS上の抗議活動。去年の10月半ばに#MeTooへの参加が呼びかけられると、またたく間に全世界に広がり、日本でも大きな流れとなりました。

写真提供/Zinkevych(PIXTA)

#MeTooをつけた人を守る仕組みが大切

さて私がブスの100叩きに遭ったのは、その半年ほど前。『Wの悲喜劇』というAbemaTVの番組で「マスコミ女子のセクハラ・パワハラ」という回に出演したときのことでした。当時テレビでは、高橋まつりさんの過労死をきっかけに「電通」の働き方の問題点を散々報じていましたが、テレビ業界の内情も似たり寄ったり。女性であるがゆえの働きづらさも似たり寄ったり。それなのに自らを省みることなく一代理店だけの問題として扱う姿勢は、メディアのあり方として正しいのか。そんなスタッフの疑問から立ち上がったのが「マスコミ女子のセクハラ・パワハラ」という企画でした。ところが、カメラの前で実体験を語ってくれる女性は見つからないまま収録前日を迎え、結局、番組スタッフの私も出演したという流れでした。

当時、私は46歳。セクハラという世間的なイメージとは年齢が離れていましたが、昔のテレビ業界における犯罪スレスレなセクハラ行為と、現在、会社の後輩たちが受けているセクハラの両方を語れるという意味で、なかなか適任だったかもしれないと自負しています。ところが番組中に寄せられるコメントが、件(くだん)の「ババア」「ブスの妄言」「お前になんかセクハラしない」の100叩き。今思うと、#MeTooの発案者であるアリッサ・ミラノやはあちゅうさんのように、相手を実名で告発すれば「妄言」などと揶揄されなかったのかもしれませんが、たとえ正しくない行為をした相手とはいえ、一方的な告発でその後の人生を台なしにすることは、私にはできなかったのです。実名告発か妄言と叩かれるかの二択しかないのであれば、せっかく勇気を出して#MeTooに参加した人のその後の負担は限りなく重い。#MeTooをつけた人を守る仕組みこそ、必要だと感じます。

さまざまな面で、日本は女性が働きづらい

今はようやくセクハラに焦点が当たり始めたばかりですが、日本はさまざまな面で女性が働きづらいと感じます。とある番組制作会社に、とても優秀な女性ADさんがいるのですが、彼女は愛想笑いのひとつもしないし、何か間違いがあれば相手が先輩であろうとストレートに指摘するので周囲にちょっぴり疎まれています。でも本来(一部の職種を除き)仕事のスキルとして、愛嬌はマストではないはず。それなのに若い女性だからと、特にオジさんたちから暗にかわいげを強要されるのはオカシイですよね。愛想笑いをしなくても、だれもがその人らしく働ける会社を、社会を、作っていけるのは、私たち先輩世代なのだろうと、未来に希望と責任を感じます。

『教えてもらう前と後』 毎週火曜・夜8時〜好評放送中!政治からスーパーマーケットまで、教えてもらう前と後で世の中の見え方がガラリと変わる知のビフォーアフター番組。メインMCは滝川クリステルさん! レギュラー放送は、毎週火曜夜8時〜毎日放送制作TBS系全国ネット。

放送作家

たむらようこ

1970年生まれ。放送作家。「慎吾ママ」のキャラクターを世に送り出すほか、『サザエさん』『祝女』『サラメシ』『世界の日本人妻は見た!』など多数の構成や脚本を手がける。2001年に子連れで働ける女性ばかりの制作会社ベイビー・プラネットを設立し社長としても活躍。

Domani2018年3月号 新Domaniジャーナル「風通しのいい仕事道」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子

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