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【目次】
「今は面白いと思う現象を、迷いなくできるようになったかもしれません」(岡部)
──YouTubeだけでなく、ライブやテレビを拝見していると、最近のハナコさんのネタは、どんどんシンプルになっている印象です。以前は、展開がふたひねりくらいあった気がするのですが?
秋山さん(以下敬称略):YouTubeの【HANACONTE】に関しては、特に中盤以降ですけど、締め切りに追われてたっていうのが、あるかもしれないですね(笑)。
岡部さん(以下敬称略):あははは。
秋山:明日のネタがないっていう状況だったんで、練るヒマもなくて。必死に想定だけ考えて、それをなんとか面白くなるように3人で演じてました。舞台コントは、今おっしゃっていただいて、初めてそういう面もあるかも、と思いました。確かに今年の単独ライブで披露した「ゴリラ」っていうネタは、ゴリラが檻から出てくるだけなんです。ほんとだ、なんでだろう?
──DVDの収録作品でいうと#78「財布、落としましたよ」とか、観ていて「次は絶対こうなる」ってわかるのに、やっぱり笑っちゃうんですよね。
岡部:「ここのこれが面白いでしょ」っていう、シンプルな着地点で、できるようになってきたというか。前はそれだけじゃ足りないかなとか、もっと工夫しなきゃとかもあったんですけど、迷いなくできるようになったというのが、あるかもしれません。
秋山:スキルが上がってきているんだったら、うれしいですね。
岡部:賞レース用にネタをつくろうと思うと、ここもっと展開が必要だなとか、ここボケ数少ないなとか、ここつかみまでめちゃくちゃ長いなとか。
秋山:詰め込むんですよね、めちゃくちゃ。
岡部:そういうのでやってましたけど、そんなことは考えずに、シンプルに、この現象が面白いから、ここを観てほしいという気持ちでつくれるようになったのかな。
──でも、あいかわらず最後のオチは平和ですよね。安心して観られるというか、温かい気持ちになれるというか。
秋山:なんとなく、後味がいいほうがいいかなぁと。絶対的なルールではないですけど、二択で迷ったら、ハッピーエンドの世界だったらいいなと思いますね。
岡部:後味悪いのは、そんなに好きじゃないというか。後味がいいほうが、観てよかったなってなるし。
「お母さん役は、僕の本当のお母さんをモデルにしているんです」(菊田)
── 一昨年のインタビュー(注:過去記事はこちら)でも、幅広い世代にコントを観てもらいたいとおっしゃっていました。そういう意味では、DVDにも収録されている#59「待ちわびた反抗期」は、最たるものですよね。
秋山:あー、びっくりしましたね。YouTubeでも、あんなに再生数が伸びて。
──188万回再生(10月25日現在)と、あのネタはダントツの人気なんですね。私、菊田さんが演じるお母さんが大好きで。
菊田さん(以下敬称略):あ! ありがとうございます。
岡部:確かに、お母さんハマり役ですよね。
菊田:リアルですよねー、なんか僕のお母さんって。
岡部&秋山&Domani:(大笑)
菊田:わかります、生々しいお母さんですよね。
──実家にいそうな。
菊田:あれ、僕のお母さんがモデルなんですよ。
秋山:ちゃんといたんだ、モデルが。
──似ていらっしゃるんですか?
菊田:そうですね、普段の感じっていうか。
──優しそうなお母さんですね。
菊田:そうですね、めちゃくちゃ優しいんですよ。はい。
秋山:……これ、ありですね。取り入れます。菊田のお母さん役から、なんか考えます。
──わー、ぜひぜひ! あと岡部さんの女の子役が好きです。DVDの#47「ロス〜大失恋〜」に登場するような。
秋山:YouTubeの中では、いろんな実験をしたつもりだったんですけど、このネタは、個人的には初の時事ネタだったんです(笑)。いろんな有名人が立て続けに結婚されて、その中に朝青龍さんがいらしたので、当然ファンの方もいるだろうと。
岡部:でも再婚だったんだよね(笑)。
秋山:それをコメント欄で知りましたね。知らないで台本書いちゃった!
── (笑)。あと今回、実際にDVDを拝見しても思ったのですが、最近の菊田さんは、大変ご活躍されていますよね。今年の単独ツアー『タロウ5』のときも、出番が多くて(注:菊田さんは、ほとんどネタに登場しないメンバーとして有名)。
岡部:あははは(笑)
菊田:あー。
秋山:普通なんですけどね。
菊田:『タロウ5』は多かったですよね。
秋山:そんなことない、普通ですよ。
菊田:いやいやいや、普段の俺からしたらね。だって『タロウ4』(一昨年の単独ツアー)なんて、ほぼ出てなかった。
秋山&岡部:(笑)。そんなことない。
菊田:僕、ほぼ舞台袖で観てましたもん。ヒマだなー、って思って。
秋山:「単独ライブ、ヒマだな」って思ってたの?
菊田:『タロウ5』は、確かにそうですね。
──菊田さんめちゃめちゃ出てるし、めちゃめちゃ喋ってるって。ネタは、秋山さんと岡部さんのおふたりでつくっていらっしゃいますが、何か意図が?
岡部:いや、毎回全然意識してないんですけどね。だから僕らからしたら、「あ、そう見えるんだ」としか。
秋山:ほっとしました。今そう聞いて。
──「頑張って」っていう気持ちになりました(笑)。
岡部:『タロウ4』も意識してなかったんで、いざ本番を迎えると、こっちは汗かいてるんですけど、菊田は顔色ひとつにやってるから、こんなに出番の量に差があったんだって、気づくんです。
「コント番組のレギュラーになれたなんて、今でも実感は半分くらいです」(秋山)
──ところでDVDの特典映像「ハナコTHEドライブ」で、10年後はどうなっているかといったお話をされていましたが。
秋山:ここ数年で仕事もいろいろ経験させてもらって、やりたいことが見えてきたという感じですかね。
──実は一昨年のインタビューで、今後の目標をお聞きしているんですが、「大きなセットでコントがしたい」とおっしゃっていて。それが今では本当に、『新しいカギ』(フジテレビ系列のコント番組)などに、出演されるように。
秋山:えー! 叶ってる。うれしい。昔の目標って、かわいい目標だったな。
──ほかにも『有吉の壁』だったり『クセがすごいネタGP』だったり、新しいネタを披露する番組が多いですよね。どういうペースでお仕事されてるのかなって。想像するだけで恐ろしいです。
岡部:ほんとだ。
秋山:あの“修行期間”があって……。
──YouTubeは修行期間だったんですか?(笑)
秋山:あ(笑)。あのYouTubeでコントを出し続けていた時期の中盤くらいから、ネタ番組が増えてきたんです。それで今はバランスを取ろうってことで、YouTubeはゲームをしたりとか、形を広げているんですけど。でもあの期間は、確実に今の糧になっていると思います。
岡部:秋山はだって、iPadを閉じている時間のほうが珍しい。
秋山:そうですね、もうずっとですね。
岡部:基本iPadに何かを打ち込んでいるんで。だから今、この時間は貴重かもしれない(笑)。
秋山:はい、今日はもう開かずに。たくさんインタビューしていただいて、ありがとうございます!
──少しは目や頭を休めてくださいね。でも先日の『キングオブコント』もそうでしたけど、今、コント界がとても盛り上がっていますよね。
秋山:今すごいですよね。
──『新しいカギ』にしても、テレビで大掛かりなコント番組が、もう一度始まるなんて信じられませんでした。
岡部:ですね。(昔は)絶対ないよって言われてたんですよ。
──それにハナコさんがレギュラー出演されるなんて、夢のようですね。
秋山:びっくりというか、今でもまだ、実感は半分くらいです。
──収録は楽しいですか?
岡部:すごい、毎回感動しますね。セットの豪華さもすごいですし。
秋山:スタッフチームもすごいですし。
岡部:カメラマンさんに感動します。ほかの番組とはちょっと違うというか。コントを撮るのが得意な方々がいらっしゃるんです。
秋山:うんうん。
岡部:すごくいい感じで表情を抜いてくれるんですよ。それに感動します。
秋山:その方たちが、うなるようなコントをしたいですよね。出演者チームみんなで。
岡部:うん。
秋山:「いいの撮れたね!」っていうのを、まずは1個でも増やすっていうのが、今の目標ですかね。それが視聴者の方に刺されば、またコント界の熱が上がるんじゃないでしょうか。
ご自身もキングオブコント2018王者でいながら、今でもお話をされる姿は、お笑いが好きで仕方ない実直な青年たち、という印象でした。さて、最終回となるvol.3は、DVDだけの特典映像について。ここから、菊田さんの快進撃が始まりますー!
撮影/高木亜麗 取材・文/湯口かおり
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『HANACONTE+』
コントを本気で映像化! ハナコのオフィシャルYouTubeチャンネル「ハナチャン」で公開されている100本を超える【HANACONTE】から、選りすぐりのコント15本を副音声付きで収録。特典映像は、本作に収録されるコントが選ばれた「ハナチャンライブ~HANACONTE徹底討論会!~」(2021年5月18日開催)ディレクターズカット版と、本作でしか観ることのできない撮りおろし映像5本を収録! ¥3,300(税込)2021年10月27日発売 発売元:Contents League 販売元:ソニー・ミュージックソリューションズ
Profile
ハナコ
はなこ/岡部大、秋山寛貴、菊田竜大で、2014年に結成されたお笑いトリオ。「キングオブコント2018」での優勝以降、大人から子どもまで、幅広い層に愛される人気芸人に。数多くのお笑い番組のほか、ドラマ出演や脚本での参加など、さらに活躍の場を広げている。今回のDVD発売のきっかけとなった公式YouTubeチャンネル「ハナチャン」も必見!