仕事をしているときの自分は『好奇心旺盛』
「子どもが4人いることもあって、今は仕事よりライフに軸足を置いた生活をしています。でも、いつか子育ての手が離れたときのために、先々の仕事につながる情報収集はしておきたい。好奇心のおもむくまま、興味関心のアンテナを張っていられるために、自分時間をもつゆとりを大切にしています」
妻としての自分は『不器用で表現ベタな人』
「ここまでやってこられたのは、夫に支えられてきたおかげ。子どもたちのことや家のことのサポート、メンタル的な面でも支えてもらっているのを感じます。私は口ベタなところがあるので、自分の気持ちを上手に伝えられていないなと思っています。それだけに、夫への日頃の感謝は忘れないようにしています」
母としての自分は『思ったことは思ったときに伝えたいタイプ』
「子どもはいつか親元を離れていくものじゃないですか。自分で自分を大切にできる人に育って欲しくて、“頑張ったね”とか“かわいいね”などの勇気づけの言葉がけは、思ったときに伝えるようにしています。一緒にいられるうちに、できるだけ楽しい思い出を残せたらいいですね」
ファッションの世界から、健康にたずさわる仕事への転身を目指して
コロナ禍を経て、人々の健康志向が高まっている今。味の素ヘルシーサプライで勤務する岩井宣子さんの1日は、心と体の健康を整えるためのモーニングルーティンから始まる。朝は5時55分に起床して、歯を磨きながら“なりたい自分に近づく”アファメーションを行う。洗濯機を回したらレモン水を飲む。身支度をする間も、ビジネス脳をマインドセットする音声に耳を傾ける。
「今、予防医学を学んでいて、朝はレモン水やオイルコーヒーを飲むことを続けています。日曜日は朝ヨガをすることも。この習慣を始めてから体調がすごくいい感じです」
起床後の30分を家事と自分時間にあてることができるようになったのは、4年前に働き方を変えてパートタイム勤務を始めてから。現在のワークスタイルを選ぶまでに、岩井さんはいくつかの紆余曲折を経てきている。
キャリアのスタートはアパレルのショップ店員。洋服が好きでファッション業界に憧れて、独身時代はカリスマ店員を目指してすべての時間と情熱を仕事に注ぎ込んだ。成果を出し、社内表彰され、順調にステップアップして入社10年近くたったころに結婚を機に退職。長男出産後に自宅近くで働き始めるものの、産後に仕事のストレスや疲労が重なったためか、バセドウ病を発症してしまう。それでも仕事は続けたくて、次女を妊娠したとき、妊娠中でも勤務できる職場を求めて再び就職活動を。今の会社と出合い、時間の融通が効くパートタイムを選択した。
「産後半年くらいで次女を保育園に預けて、今の会社で働き始めたんです。当時は夜中の授乳で睡眠時間も短く、精神的にイライラすることもありました。仕事でもミスが重なり、なぜ自分はこんなにイライラしてしまうのかと内省をするうちに、心理学の本やスピリチュアル方面の情報に関心が向くようになりました。まずは自分を愛すること、自分を満たすこと。あせらない、人と比べない、気持ちを切り換える方法など、さまざまな気づきを得ました。ヨガを始めたり、家族で温泉に行ってみたり、ほかに楽しみをつくったのもよかったのだと思います」
子どもたちが成長して、長男はサッカーに打ち込み、次女がアトピー性皮膚炎をもったことをきっかけに、食について真剣に学ぼうと模索する中で予防医学へいきついた。
「洋服の世界から健康方面にも関心が広がっていく中で、ヘルスコーチという職業があることを知りました。健康にまつわる仕事をしてみたいという思いから、予防医学の勉強を開始。リモートワークのヘルスコーチビジネスを展開する『バーチャルヘルスコーチ養成講座』で、予防医学の先進国であるアメリカの最新知識を学んでいます。
ちなみにDomaniオンラインサロンに入会したのも、このころなんです。いつも行くヘアサロンに置いてあった『Domani』をなにげなく見ていたらサロンの告知ページが目に留まって。“入ってみたい!”と直感のようなものが働いて、すぐに申し込んでみました。入会していちばんの思い出は、サロンのスレッドに書き込んだ“やってみたい企画”から、実際にファッションスナップイベントが立ち上がったことです。facebookのグループページで自由に発信していけるというのが、面白くて楽しいですね」
心穏やかに生きることが、仕事や人生の成功を運んでくる
そんな岩井さんが今、課題に感じているのは、ヘルスコーチの資格を取得した後、どのようして実際の仕事に結びつけていくのかということ。
「ヘルスコーチという職業は、食事やライフスタイル、ストレス・マネジメントなどのアドバイスを通じて、人を健康な状態に導いていくのが仕事です。悩ましいのは、認知度がまだこれからの職業をどのように仕事として展開していくかという点なんです。いっそ起業しようかと悩んだ時期もありました。でも自分にとっては起業も初めてのことなので、未経験がふたつ重なってしまうのはあまりにも難しい。企業内でヘルスコーチをしている方もおられるので、私も今の職場を辞めずに、社内ヘルスコーチができたらいいなあと、そんなふうに思っています。
自分にできるアクションとして、実際にいくつか行動もしているんですよ。たとえば社内の方に向けて、猛暑時の水分の摂り方など、季節や天候に合わせた健康情報を提供して、朝礼のときにアナウンスしてもらうお願いをしてもらったり。また、インスタグラムでは健康についての情報も随時発信しています。募集したモニターの方に向けた、健康アドバイスサービスも実施しました」
5年後にはヘルスコーチとしての仕事を軌道に乗せて、場所や時間にしばられない働き方をしたいと考えている岩井さん。
「オンラインを介して行える業務なので、どこにいても仕事ができる。いずれは日本全国場所を問わずに仕事ができる環境を実現させたいと思っているんです。5年後はいちばん上の子は高校1年。いちばん下の子は7歳になります。そのころにはコロナもおさまっているのではないかと思うので、学校の長期の休みを利用して家族で海外旅行に行きたいなと思っています。
最近読んだ本の中に、“人は穏やかになればなるほど、大きな成功を手にできる”という言葉がありました。私自身、食生活を変えることで心が穏やかになって、イライラが減ってきているのを感じています。働くママにとって、自分がリラックスできる時間をつくることはとても大切。願わくば仕事、仕事、だけにならない人生を送れたらいいですね」
岩井さんに近況を聞いてみました!
今回、Domaniオンラインサロンfacebookページの“インタビュー配信イベント参加者募集”に自らエントリーしてくれた岩井宣子さん。人生初のインタビュー体験の感想と近況を教えてくれました。
「配信のときは緊張して、うまく感想が言えませんでしたが、うれしかったです。小学生のころは授業中に手も挙げられないようなクラスの中でもおとなしい子でした。 内心では目立つ子がうらやましかったので、 今回一歩踏み出してみたことで、いろいろな方に見ていただけたらうれしいです。また、インスタグラムへの投稿を続けていたら、LIVEコミュニケーションアプリ『Pococha(ポコチャ)』から「ライバーをやってみませんか」 と声をかけていただき、8月から“りこにこ”という名前でママライバーとして配信をしています。よかったらそちらものぞいてみてください」(岩井さん)
岩井宣子さんインスタグラム
https://www.instagram.com/norikoimama/
りこにこ(Pococha)
https://www.pococha.com/ja-jp/app/users/c3a42c63-aec4-40a7-a58d-d56987335792
※この原稿は「Domaniオンラインサロン」配信イベント時のインタビューと岩井さんへの事前アンケートをもとに構成しています。
構成
谷畑まゆみ
<フリーランスエディター・ライター・キャリアコンサルタント>
働く女性のインタビュー企画がライフワーク。2016年より「働くいい女」「女の時間割。」連載担当に。Domaniオンラインサロンでは、これまで「女の時間割。」にからめた配信に4回登壇。共著の『わかる!伝える!視線の心理術』(造事務所編・メディアパル刊)では、マスク着用やオンライン越しのコミュニケーションにおける悩みや不安の対処法について紹介している。