大山加奈さん「なにかと価値観が異なるふたりでした。でも、気づけば互いに影響し合って、今があります」 | Domani

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WOMEN女の時間割

2021.11.26

大山加奈さん「なにかと価値観が異なるふたりでした。でも、気づけば互いに影響し合って、今があります」

1日のもち時間は誰でも等しく24時間。けれど、時間の使い方や過ごし方にはその人のスタンスや個性が現れます。この連載では子どもをもち働く女性の“1日の時間割”を軸に、ひとりの女性の中の女・妻・母の3つの顔に迫ります。

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女には3つの顔、3つの時間がある…。今回の「女の時間割。」は、今年2月に双子のママとなり、復職後も次世代の子どもたちに向けてバレーボールの魅力を精力的に伝える、元日本代表バレーボール選手の大山加奈さんにお話をうかがいました。

大山加奈さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜 
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜 ←この記事
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜  11/28 公開予定

スポーツ解説者
元日本代表バレーボール選手・37歳
大山加奈さん

大山加奈さんの「妻」時間をClose up 22:15@Living
夫は家事や育児を協力してくれるだけでなく、私のケアもしてくれる大切な味方

「腰や肩に持病があるので、ふだんからストレッチポールや筋膜ローラーなどを用いたセルフケアは欠かせません。本当に辛くなってしまったときには、夫にマッサージをお願いしています。本職がメディカルトレーナーなので、やってもらうと硬さがとれて楽になってくるんです。ただ、すごーく痛いので、リラックスするというよりは、どことなく治療みたいな感じですね(笑)」

「妻」時間 大山加奈さんのとある水曜日

この連載では事前に“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。大山さんの「妻」時間を紹介します。

  6:30 起床 授乳
  7:30 身支度、朝食
  8:30 授乳
10:00 離乳食づくり、授乳、寝かしつけ
12:30 授乳
13:00 昼食
13:30 授乳、寝かしつけ
14:00 打ち合わせ
15:30 授乳
16:00 おやつ
17:00 授乳
17:30 愛犬と子どもたちとお散歩
19:00 子どもたちお風呂
19:30 授乳、寝かしつけ
20:30 夕食
21:00 片づけ、PC作業など
22:15 ストレッチタイム、夫に体のケアをしてもらう
22:45 授乳
24:00 就寝

心を癒してくれた愛犬と、娘たちのおかげで子煩悩になった夫と

大山さんのインスタグラムを開くと目にとまるのは、愛犬の豆柴・だいずくんのかわいらしい写真たち。どれも愛らしく、見るものをほっこりさせる。昔から犬好きだったのかと思いきや、きっかけはご主人からの猛アピールだったのだそう。

「実は私、結婚前は犬が大の苦手だったんです。今までの人生、犬がコワくてコワくて避けて歩いてきたほどなんですけど、うちの夫は子どものころから犬を飼うのが夢という、大の犬好きだったんですね。結婚したら“犬を飼いたい、飼いたい”と、夫に毎日ずーっとせがまれ続けて、ことあるごとにスマホの中のかわいらしい画像や動画を見せられ、アピールをされてきたんですよ(笑)。その精力的なPRのおかげなのか、そのうち私もだんだんと“あれ?かわいいかもしれない”と思い始めたんです。

当時はちょうど、妊活を始めたころでもありました。家族の病気のこともあり、現役時代のハードな生活のことも気になっていたので、早く子どもを授かりたいと、不妊専門のクリニックのドアをたたいたのです。そんな状況の中で、最初の体外受精がうまくいかなかったときに、なんとなく“ちょっと犬を見に行ってみようか…”という気持ちになったのです。果たしてブリーダーさんのところに行くとだいずがいて、“はっ。この子、絶対うちに連れて帰りたい!”と、すぐに気持ちがかたまりました。

いざ飼い始めたら、自分のことをお母さんだと思ってくれている存在ができたことが、私にはものすごくうれしかったんですね。この子は私がいないと生きていけない。もうだいずがいればいい。だいずは私たちの子ども、とすら思えたんです。不妊治療のお休み期間にもう1匹迎え入れてもいいくらいに、だいずが心も体も癒してくれました。自然体でいられたことが功を奏したのか、おかげで双子を授かることができたのかなと思っています。

夫のほうは、シングル時代はもともと結婚願望がそれほど強くない、自分のスタイルをもった人でした。結婚後も、子どもについてはあまり積極的ではない、そんな様子だったんです。早く子どもが欲しいと願っていた私とは、そこが大きな価値観の違いでした。しんどかったところでもありました。治療についても、当時は“加奈がしたいなら”くらいの温度感だったので、不安な時期もあったのです。

なのですが。いざ、双子の娘が生まれてきたら夫も一変。もう溺愛も溺愛で、とてつもない子煩悩力を発揮しているから驚きです(笑)。ここはお互い、気づかないうちに価値観が変わったのかなと思える部分ですね」

痛みと戦う人生を手放したことで、今の幸せと出合えた

「夫は私よりも5歳上ですが、家の中では黙って私に従ってくれている感じです。きっと、ストレスが相当たまっていると思います(笑)。本当は夫にも“自分はこれをしたい、あれもやりたい”と主張してほしいんです。でも基本的に、やりたいようにやってくれたらいいと言ってくれる。たぶん私がこうと思ったらガンとしてゆずらないタイプだとわかっているから、言ってもムダだと思って、ついてきてくれているんでしょうね。でも、たまにはわがままを言ってほしかったりもします。

彼はフリーランスとしてメディカルトレーナーの仕事をしているので、時間の融通を効かせてくれて、現状での家事分担は9:1です。私が1で(笑)、夫は料理から洗濯まで、ほとんどの家事をやってくれます。そのおかげで私は双子のお世話に集中できたり、仕事もさせてもらう時間がつくれています。ちなみに私の1の内訳は何かというと、週イチで掃除機をかけたり、たまにご飯を用意したり…もちろん、双子が生まれてからの話ですよ(笑)。

この大変な時期が終わったら、ふたりでこうしよう、ああしようというのは、今はまだ話せていないですね。ただ、娘たちとだいずが伸び伸び暮らせるようには、どうしていけばいいかという話はなんとなくしています。いろいろあった私の人生ですが、振り返ると常に恵まれている、ツイてるな、とは思います。大変なことがあるたびに、いつも助けてくれる人や支えてくれる人が現れてくれる。小中高と日本一になれたのも環境に恵まれたからだと、感謝の気持ちがあるのです。

ただ、もう1回同じ人生を歩んでくださいと言われたら…、それはイヤだと答えます(笑)。次があったら、今度は絶対に頑張りすぎない。痛い、無理っていうのをちゃんと言います。もう、小学校卒業間近からずっと腰も肩も痛かったんです。でも、我慢して言えなかった。そのころは絶対に自分が試合に出る、絶対に日本一をとると思っていたので、言わなかったんです。社会人以降のうつ症状で本当に心が疲れ果てていた時期も、なかなか人に言い出せませんでした。そのあたりをもっとちゃんと伝えられていれば、選手生命も長かったんじゃないかなと思います。でももし、選手生命がもっと長かったら、夫には出会えていないし、だいずとも出合わなかったし、双子の娘たちの顔を見ることもできなかったと思うと、全部ひっくるめて、私の人生、よかったのかなと。あのとき、引退していなければ手にできなかった、今の幸せ。チャラという言葉が適切かどうかはわからないのですが、でも、夫との出会いは、今までの大変だったことを全部チャラにしてくれた。人生変えてくれたなって思えています」


さまざまな人生の岐路やそのときのエピソードについて、真摯に丁寧に語ってくれる大山さん。だいずくんの話で印象的だったのは、その賢さが伝わってくるエピソードでした。
「甘えたなので心配でしたが、双子のこともちゃんと理解しているんですよ。昼間は邪魔をしないように大人しくしていて、いざ双子が寝たあとにそっと近寄ってきて、私の横にぴたっとくっついてきたりする。“なんだろう、このけなげさは”ってじーんとしてます」
そんな大山さんのVol.3の「母」時間も、ぜひご期待ください。

Profile

大山加奈

おおやま・かな/1984年、東京都生まれ。小学2年生からバレーボールを始め、小中高すべての年代で日本代表となり全国制覇を経験する。高校在学中に17歳で全日本代表に初選出。卒業後はVリーグの名門チーム、東レ・アローズ女子バレーボール部に入部する。18歳で世界選手権、19歳でワールドカップ、20歳で2004年アテネ五輪に日本代表のエースアタッカーとして初出場。その後、持病の腰痛の悪化で休養と復帰を繰り返し、26歳で現役を引退。現在は全国で講演活動やバレーボール教室での指導、メディア出演や大会解説など、多方面で活躍しながらバレーボールの普及に力を注ぐ。プライベートでは、31歳でメディカルトレーナーである男性と入籍。3年間の不妊治療ののち、2年のお休みをはさんでコロナ渦中に治療再開。体外受精で子どもを授かる。今年、36歳で双子を出産。つらい時期を支えてくれた愛犬だいずを含めた“5人家族”で奮闘中。
インスタグラム : @kanaoyama0619

撮影/眞板由起氏 スタイリスト/中村さよこ氏  ヘア&メーク/石黒恵理氏 構成/谷畑まゆみ

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