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LIFESTYLE女の時間割

2021.11.28

大山加奈さん「性格も対照的な双子の娘たち。健康に育ってくれたら、それだけで十分なのです」

1日のもち時間は誰でも等しく24時間。けれど、時間の使い方や過ごし方にはその人のスタンスや個性が現れます。この連載では子どもをもち働く女性の“1日の時間割”を軸に、ひとりの女性の中の女・妻・母の3つの顔に迫ります。

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女には3つの顔、3つの時間がある…。今回の「女の時間割。」は、今年2月に双子のママとなり、復職後も次世代の子どもたちに向けてバレーボールの魅力を精力的に伝える、元日本代表バレーボール選手の大山加奈さんにお話をうかがいました。

大山加奈さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜 
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜 ←この記事

スポーツ解説者
元日本代表バレーボール選手・37歳
大山加奈さん

大山加奈さんの「母」時間をClose up 17:30@Entrance
1日1回、双子の娘たちと愛犬のだいずを連れて、にぎやかに散歩へ出かけます

「双子用のベビーカーは幅をとるので、外出時はなるべくみなさんの邪魔にならないように気をつけているところがあります。堂々とベビーカーで外に行けたらいいんですけど、どうしても周りを気にしてしまう。しかも都会はただでさえ狭い道が多いのに、うちの豆柴・だいずときたら狭い道が好き(苦笑)。そんなわけで双子とだいずを連れたお散歩はいつもひと騒動です」

「母」時間 大山加奈さんのとある日曜日

この連載では事前に“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。大山さんの「母」時間を紹介します。

  6:30 起床 授乳
  7:30 身支度、朝食
  8:30 授乳
10:00 離乳食、授乳、寝かしつけ
12:30 授乳
13:00 昼食
13:30 授乳、寝かしつけ
14:00 打ち合わせ
15:30 授乳
16:00 おやつ
17:00 授乳
17:30 愛犬と子どもたちとお散歩
19:00 子どもたちお風呂 
19:30 授乳、寝かしつけ
20:30 夕食
21:00 片づけ、PC作業など
21:45 お風呂
22:15 セルフケア
22:45 授乳
24:00 就寝

母がしてくれたのと同じように、子どもの人生を全力で受け止めたい

生後約半年の双子のママである大山さんの1日は、朝6時半からスタートする。毎日の時間割はほぼ規則正しく、とある日曜日の授乳回数は、24時に就寝するまで1日18回。

「今は自分の時間は一切ないです。母乳はひとりづつあげているので、終わるまでがひと仕事。最近はふたりとも少し大きくなってきて、ひとり5分、10分ですむようになりました。夜中に起きたりはしないので、そこはとても助かっています。特別なことはしていないのですが“奇跡のおくるみ”というのを着せると、なぜか条件反射的にずっと寝てくれるんです。

ちなみに、毎日16時のおやつ時間は私のです(笑)。16時05分からEテレで『いないいないばぁっ!』が始まるので、双子たちにそれを見せておいて、その間にコンビニスイーツを食べています。もちろん、子どもや愛犬と遊ぶのはとても楽しい時間ですが、気分転換やほっとする時間も大切にしないと、とてもやっていけません(笑)。おやつタイムのあとはまた授乳をして、その後にだいずと一緒に双子たちとお散歩へ出かけます。

双子を育てる大変さは、折に触れて感じますね。人に預けるしても、ふたりとなると大変です。シッターさんに預ける場合は、もちろん費用がかさみます。身近な人に頼む場合は、心苦しさがつきまといます。たとえばふたり一度に泣かれてしまうと、ひとりは抱っこできても、もうひとりは泣かせたままにしておかなければなりません。で、心が痛くなってしまうんです。知ってる誰かにその辛さを味あわせてしまうと思うと、やっぱり申し訳なく思います。今後、もう少し手が離れてきたとしても、子どもたちとの時間は大切にしたいですし、とはいえ、自分の子どもだけじゃない、たくさんの子どもたちのことも幸せにしたい思いは変わらないので…、そのバランスを見ながら、少しづつ仕事を展開していく感じですね。

私自身は3人姉弟で、弟と妹がいるんです。もちろんどこの家でも当たり前だと思いますが、うちの母も、片寄ることなく全員に120%の愛を注いでくれて、子どもがやりたいことに対して全力でサポートしてくれるような人でした。私もだいずと双子の娘がいるので、母と子どもの数は同じです。だいずに対しても双子と同じくらい愛情を注いであげたいと思いますし、そこは頑張りたいところですね。

母は55歳という若さでがんで亡くなってしまいましたが、私は人生のさまざまな局面で、母の言葉に救われて生きてきました。オリンピック直前に、腰の状態も悪く、監督には怒られまくって心も体も病んでいた時期に、『もう辞めたい!』と自分の気持ちをぶつけたことがあったんです。すると母は何も聞かずに『バレーボールはそんな辛い思いをしてまでやるものじゃないよ。帰っておいで』と受け止めてくれて。オリンピックに行けない自分には何の価値もないと思っていたし、娘が代表選手に選ばれたら、親は絶対に出てほしいに決まっている。なのに“帰ってきていいよ”と言ってもらえて、その言葉にものすごく救われました。

26歳で引退するときにも、長い間復帰を待ってくれたファンやチームメイトへの申し訳なさの中で、『裏切ってしまうと思ってなかなか踏み切れなかったけど、辞めようかなと思ってる』と打ち明けたら、『加奈は私の自慢の娘だよ。胸張って帰っておいで』と。それで引退を決意することができました。いつも、私のどんな決断も、母は快く受け入れてくれていましたね。バレーボール選手の私ではなくて、ただひとりの娘として見てくれていたので、そのスタンスはとてもありがたかったです」

もう無理をせず、頑張りすぎず、自分を大切に、自然体で…

「双子の娘たちには、ただただ、元気で大人になってくれたらいいなと思っているんです。できれば、ベビースイミングに通わせたいのですけど、母親がマンツーマンでつきそう教室に参加するのは難しい。子どもがひとりでプールに入れる年齢まで待とうと考えているところです。泳げるほうが絶対にいいですし、いざとなったら自分の命も守れますし。

ふたりの個性もはっきりしてきて、妹のほうは活発で暴れん坊。まだ6か月なのに“自分のことを立たせろ”と怒るほど。対照的に姉のほうは、でーんと寝転がるのが好きで、寝返りできるようになった時期も1か月ほど違いました。

ありがたいことに私が住んでいる区は、多胎家庭のサポートがすごく手厚い自治体なので、とても助かっている部分があります。家事・育児支援サービスを利用すると、利用料の一部を助成してくれるのです。きっとみんな困っているので、国や社会で多胎家庭を守って支えてあげて欲しいとすごく思います。

最近、都営バスの全線で、双子用のベビーカーを畳まずに乗っていいことになりました。やはり、積んだり下したりに時間がとられて怒る乗客の方もいらしたり、運転手さんが乗車拒否したりという場面もあったりします。決して私たちを特別扱いしてほしいということではなくて、ちょっとした優しさとか思いやりをもって見守ってくれたらとてもうれしく思います。双子をもつお母さんたちは、絶対に申し訳ない気持ちでいると思います。申し訳ないと思わずに出かけられて、電車なども利用できる、そんな世の中になってくれたらいいですね。

ちなみに双子用のベビーカーですと、コンビニにも入れません。入れるけれどコーナーは回れなかったり、回れたとしても、ほかの方の迷惑になったりするので、なかなか気軽には行けないんです。だから今の私にとっては、コンビニに行けること自体がものすごいぜいたくで。コンビニにひとりで行けるとうれしくて、つい爆買いしちゃうんですよね(笑)」

アスリートとしても、ひとりの女性としても、さまざまな困難を乗り越えて、自分らしく穏やかな生活を手にしてきた大山さん。最後に、彼女の今の座右の銘について聞いてみると…。

「これまではずっと“練習で泣いて試合で笑う”という言葉を座右の銘にしてきたんです。苦しい思いや辛い思いをしないと絶対に勝てないと思っていたし、試合で笑いたかったら、それぐらい厳しい練習をしてこなきゃいけないよねというふうに思って頑張ってきました。

でも、それだと自分の今の考え方にはマッチしないんですよ。今は“それって、本当に必要?”って思うんです。人生もスポーツも、楽しむことが何より大事じゃないですか。本気で遊ぶように楽しむことが、よい結果も導いてくれる。だからこの言葉はもう使わないと決めてから、新しい座右の銘はつくっていないんです。まっさらな気持ちで進んでいきます」


ひとつ質問をすると、立て板に水のようによどみなく言葉が流れてくる。でも、どの答えにも異なる他者からの視点をふまえた優しさや配慮がこめられた表現がなされている。喜びも悲しみも人一倍。彩り豊かな人生を送ってきた大山さんの言葉には、そんな人柄が感じられました。スピンオフでも、連載恒例の共通質問に彼女らしい視点から回答をしてくれているので、ぜひチェックしてみてください。

Profile

大山加奈

おおやま・かな/1984年、東京都生まれ。小学2年生からバレーボールを始め、小中高すべての年代で日本代表となり全国制覇を経験する。高校在学中に17歳で全日本代表に初選出。卒業後はVリーグの名門チーム、東レ・アローズ女子バレーボール部に入部する。18歳で世界選手権、19歳でワールドカップ、20歳で2004年アテネ五輪に日本代表のエースアタッカーとして初出場。その後、持病の腰痛の悪化で休養と復帰を繰り返し、26歳で現役を引退。現在は全国で講演活動やバレーボール教室での指導、メディア出演や大会解説など、多方面で活躍しながらバレーボールの普及に力を注ぐ。プライベートでは、31歳でメディカルトレーナーである男性と入籍。3年間の不妊治療ののち、2年のお休みをはさんでコロナ渦中に治療再開。体外受精で子どもを授かる。今年、36歳で双子を出産。つらい時期を支えてくれた愛犬だいずを含めた“5人家族”で奮闘中。
インスタグラム : @kanaoyama0619

撮影/眞板由起氏 スタイリスト/中村さよこ氏  ヘア&メーク/石黒恵理氏 構成/谷畑まゆみ

カシミアニットベスト¥15.950(#Newans)タイプライターシャツワンピース¥17.500(uncrave) ジョグパンツ¥7.990(UNFILO) イヤリング¥16.500(ete) ベビーカー マウンテンバギー<Mountain Buggy>デュエット<duet>¥126.500 バッグ、シューズ(スタイリスト私物)

協力社リスト
#Newans(オンワード樫山)03-5476-5811
uncrave(オンワード樫山)03-5476-5811
UNFILO(オンワード樫山)03-5476-5811
ete(エテ)0120-10-6616 
www.eteweb.com/
GRAYBEAR 
https://philandteds.graybear.tokyo/
代官山アドレス店(080-9682-1015)・グランツリー武蔵小杉店(070-8993-6439)

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