こんにちは、editor_kaoです。
今回は、服の話じゃなくて、ネイルの話をさせてください。私がネイルサロンに行きはじめたのは、いつからでしょうか。まだ、ジェルよりマニキュアのほうが主流の時代だったから……。あー、全然思い出せない。どうして通い始めたのかも、まったく思い出せません。そのくらい、私にとってネイルは、とても日常的なことになってしまいました。
2か月間、ネイルサロンに行けなくなって気づいたこと
昨年春の緊急事態宣言中は、まったくネイルサロンに行けなかったので、久しぶりに2か月くらい素爪(っていうの?)で暮らしていたのですが、それが、想像以上に苦痛だったのです。あのときは、誰もが自分の生活について振り返り、もっとシンプルに、軽やかに暮らしたいと考えていたころ。部屋を整理したり、ワードローブを見直したりしていましたよね。私も元来シンプル好きなので、「ひょっとしてこの先、ネイルをしない人生になるかも……?」と、内心思っていたのですが、結果はまったく逆で。もう、ネイルをしていない手が本当に本当にイヤで、宣言が解除されたら、すぐに予約を入れるんだ! と、息巻いてました。ヘアサロンに行けないのもイヤだったけれど、それと同じくらいだったのです。
ちなみに私、美容についてはかなり疎く、意識高くない系なのですが、ネイルはまったく別物だったらしく。それに改めて気づき、自分でも驚いた出来事でした。
こだわりは強いくせにアレンジは地味。面倒な性分なんです
なのに!それだけネイルにこだわっているにもかかわらず、選ぶ色は、めちゃめちゃ地味。ほとんどが手に自然になじむ、ベージュトーン。年に1、2回くらい、気分を変えて赤などにすることもありますが、普段はサロンのお客さんの中で、いちばんつまらない色を選んでいると思う。自分の中でしっくりくる何色かのベージュを、ただただ行き来しているんです。
そして、それだけシンプルなものの割に(それとも、だからなのか)、仕上がりには非常にうるさいのが厄介なところ。爪の長さや先端の形、ジェルの厚みまで、好きなバランスがしっかり決まっています。長く担当していただいているネイリストさんのおかげで、今では何も言わずとも素敵に仕上がるのですが、もし新しいネイルサロンに行くことになったら、面倒なお客さんだろうなということは、安易に想像がつくくらい。
だれかが華やかなデザインをしているのを見るのは楽しいんです。こだわりはある分、人のネイルも気になるので、たとえばショップの店員さんの爪がかわいかったら、話しかけることも。銀行員の方や宅配便の配達員の方とも、ネイル話で盛り上がったことがあります。「餃子の王将」でお会計したとき、レジの女性に手元をほめられたときも、うれしかった。不思議なことにネイルって、あまり知らない人同士でも、カンバセーションピースになるんですよね。
私にとってネイルは、気持ちを安定させるもので
人が華やかなネイルをしているのは好きなのに、自分は地味なネイルでいたい。この感覚って何? と、考えてみたのですが、きっと私にとってネイルは、「気分をアゲるもの」ではなく、「安定させるもの」なのではないかと。そういえば、忙しければ忙しいほど、心がザワザワしないように、いつものベージュを選んでいるんです。
「ネイルをすること自体がきゅうくつ」という意見もあるので、人それぞれですが、整った手元が、心の安定につながることを実感している身としては、ネイルカラーはしなくても、きちんとケアするのはおすすめです。セルフでもいいので! 爪がきれいだと、指や手の甲までツヤッとして見えるので、気持ちがいいんですよね。近ごろは手を洗う機会も多いですし、そろそろ乾燥も気になる季節。この機会に、自分の手元を見直してみては、いかがでしょう。
【今日のひと手間】
ジュエリー界では今、オパールの人気が再燃中。「そういえば……」と、思い出したのが、10代のころに、父から海外出張のお土産でもらった、オパールのネックレスでした(まだもってた)。デザインは、かなりクラシックなのですが、ふと思いついて、チェーンを40㎝から、70㎝のロングタイプに付け替え。するとカジュアルな雰囲気が生まれて、古い感じがしなくなったんです。もう身につけることもないと思っていったネックレスが、見事蘇りましたー!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ