眉メイクで大事なのは立体感! もっさり見えを解消する下処理も肝心です
眉メイクは「色で地肌を埋めるもの」と考えがちですが、それだけだと“海苔のようにのっぺりした眉”になりやすいんです。「眉は立体感を意識したほうが自然な美眉になる」とヘア&メイクの佐伯エミーさんはいいます。
「眉を濃くしたり、太さを出そうとしたりして色をしっかりのせることばかりを気にすると、のっぺりした平面的な眉になってしまいます。大切なのは“立体感”で、ポイントは2つあります。
まずひとつは、毛流れで眉頭、眉頭〜眉山、眉尻それぞれの毛の向きに合わせて描き足したり、マスカラで整えることです。ふたつめは色の濃淡。眉頭は薄めにし、眉頭以外は自然なグラデーションをつけるとメリハリ感が生まれます。また、色をのせるときはパウダーとリキッドの2つを使うのがおすすめです。異なる質感をちょこちょこ重ねると濃淡ができ、“ナチュラルでもキリッとした眉”になります。
そして、意外と盲点なのが眉を描く前の処理。眉毛のなかの下地やファンデーションをスクリューブラシで取り、フェイスパウダーで軽く整えることが大切です。油分を含む下地やファンデーションが眉毛に溜まったままだと色がボテッとつきすぎたり、逆に色がつかなくなります。ちょうどいい抜け感が出て眉がキレイに仕上がるのでぜひ試してみてください」
美眉のために「するべきこと」
- 毛の向きに合わせて描き足したり、マスカラで整える
- 濃淡を意識して色をのせる
- 眉毛のなかの下地やファンデーションをあらかじめ取る
これも大事!
美眉のために「やめるべきこと」
- 「パウダーだけ」「ペンシルだけ」の単品使いはやめる
- 眉を切る、抜くをできるだけやめる(眉から離れたところの毛はOK)
- 一気に線を描いたり、パウダーをベタッとのせるのをやめる
単品で眉メイクをつくると、ひとつの質感しかないのでのっぺりします。立体感のためには、パウダー、アイブロウリキッド、マスカラの3アイテムを使うのが理想です。また、若い頃から眉を切ったり抜いたりしている人は多いですが、40代になると眉が生えにくくなってきます。立体感を出すためにも今の自眉を大切に伸ばすべきで、切る、抜くはやめるのがベター。眉を描くときは、“ちょこちょこ”つけることで立体感が生まれます。一筆書きのように線を描いたりパウダーをのせると、平面的になるのでNGです。
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佐伯エミーさん流! すっきり立体眉をつくる全プロセス
プロセス1. スクリューブラシでベースメイクをオフ
「眉毛のなかに入り込んでいる下地やファンデーションをスクリューブラシで取ります。眉頭から眉尻まで、ブラシを左右に動かして払い取るようにしっかりオフしたら、眉頭から眉尻へ毛流れを整えます」
プロセス.2 フェイスパウダーをつける
「フェイスパウダーをつけると眉毛の中がサラサラになり、アイブロウの色がキレイにつきます。ブラシにフェイスパウダーを含ませ、手の甲でトントンとなじませてから眉毛に塗布。眉頭から眉尻までブラシをクルクル動かしてフェイスパウダーをつけたら、最後に毛流れを整えます」
プロセス3. アイブロウパウダーを薄平ブラシでつける
「眉の形と色味を整えるためにアイブロウパウダーを使います。アイブロウペンシルを使う人も多いですが、ペンシルで描くときの筆圧が強いと眉毛が抜けてしまうことがあるのでパウダーがおすすめ。アイブロウブラシは薄く平たいブラシを使うと、細かい部分までキレイに描けます。眉頭は抜かし、眉の上と下を描き足して形を整えます。ブラシで一気に線を描くのではなく、5mm程度の線をちょこちょこと描くようにしましょう。眉全体にパウダーをつけるときもブラシでちょこちょことつけます。今っぽい眉にするなら“ストレートで、眉山はなだらかなアーチ形”ですが、自分の眉に自然に沿う形でもOKです。ただし、長すぎる眉尻は古臭く見えるので要注意。眉尻は、口角→目尻の延長線上よりも内側で収めましょう」
プロセス4. アイブロウリキッドで毛を描き足す
「毛が少なくて地肌が見える部分はアイブロウリキッドで描き足します。ここもペンシルではなくリキッドがおすすめです。眉頭を描くときは上向き、眉山までは横向き、眉尻は斜め下向きと毛の向きに合わせます。2〜3mm幅でちょこちょこ描くと、自然に増毛したように見えます。眉頭を描きすぎると『海苔眉』になるので気をつけましょう」
プロセス5. アイブロウマスカラで毛にハリコシをつける
「立体感のためにも自眉のハリコシをアップさせます。マスカラを塗るときの向きも大切です。眉頭から眉山へ横向きにつけるのは毛が寝てしまうのでNG!眉頭は上向き、眉山までは横向き、眉尻は斜め下にと、ブラシを細かく動かすことを心がけて。とくに大人は眉頭がポイントで、40代になるとまぶたが重く見えがちですが、眉頭を上向きにしっかり立てることで解消できます」
アイブロウブラシは「毛先の厚み1mm以下」がおすすめ!
▲(右)毛丈(長さ)が4.8mmがと短いので細かい部分まで繊細に描けます。日本の伝統色の朱色を施した筆の軸は、末広がりになっていて握りやすく、手にスッとなじむ独自のデザインです。白鳳堂 化粧筆 S163HS ¥3,410
(左)毛先が限りなく薄いけれど、しっかりとコシのあるブラシ。眉を埋めるもの線を描くのも思いのままにできます。ブラシの反対側にスクリューブラシがセットされていて便利。ディオール バックステージ アイブロウ ブラシ ダブル ¥4,400
アイブロウマスカラは細く短い毛まで拾うミニサイズを!
▲(右)うぶ毛の1本1本までキャッチする超極細ブラシ。みずみずしくなめらかなマスカラ液で、ダマや束になりません。また、カラーバリエーションが豊富で40代にうれしいダークカラー(写真:004番)まで揃います。アディクション アイブロウマスカラ マイクロ 全6色 各¥3,080
(左)極小サイズに加え、先に向かって細くなるツリー形のブラシで眉頭や眉尻などの毛まで根本からしっかり立たせることができます。眉毛を固めないやわらかい質感とお湯オフの手軽さも魅力。デジャヴュ アイブロウカラー 全4色 各¥880
●この特集に使用した商品の価格はすべて、総額(税込)価格です。
撮影/向山裕信(vale./人物)、高橋一輝(近藤スタジオ/静物) ヘア&メイク/佐伯エミー スタイリスト/柿原陽子 モデル/樋場早紀 構成/片山幸代
ヘア&メイクアップアーティスト
佐伯エミーさん
美容誌をはじめ、様々なジャンルのヘア&メイクを手がけ、女優やアーティストからも指名を受ける。流行りのメイクを独自に分析し、その人に似合うメイクを提案することが得意。また、スキンケアや美容ツールの指南役としても活躍。