無邪気で子どもっぽい面も
天真爛漫という言葉は、子どもに対して使われることも珍しくありません。そのため「子どものように無邪気な性格」という意味で天真爛漫といわれる人も。
素直な性格の人には無邪気なところがあり、感情をストレートに表現するため思ったことが顔に出やすいのが特徴です。うれしいときには満面の笑みを浮かべたり、不満があるときには顔をしかめたりする場面もあるでしょう。さまざまなものに興味を持つ好奇心旺盛な人も、天真爛漫な性格と言われがちです。そのとき思ったままに行動する面があるため、気分屋だと思われてしまうこともあります。
天真爛漫の使い方をチェック
天真爛漫という表現は、主に人の性格などを褒めるときに使われています。具体的な使い方や、周囲の人に対して使う上での注意点を確認しましょう。
「素直」「無邪気」などを意味する褒め言葉
天真爛漫には、素直や屈託がないという意味があるため、相手の性格を褒める言葉として使われています。元気で無邪気な子どもや、明るい性格の人に使われることが多いでしょう。「天真爛漫な人ですね」とは、「素直な性格ですね」「飾らない人ですね」というポジティブな意味合いを表しています。会話の流れや文脈にもよりますが、基本的には相手にも好意的に受け取られるでしょう。
しかし、天真爛漫には「無邪気」という意味もあるため、大人に対して用いると誤解される可能性があります。実際に使うときは「素直で天真爛漫ですね」「天真爛漫なところがある素敵な人」などと具体的に言ってみましょう。
悪い意味で使われるケースがあることに注意
天真爛漫は悪い意味を持つ言葉ではないものの、中には皮肉として捉える人もいます。天真爛漫という表現は、「世間知らず」「配慮に欠けている」といった意味をこめた悪口にもなり得ることに注意しましょう。
天真爛漫な人は、悪く言えば子どもっぽく自己主張が強い部分があるとも考えられます。そのため、周囲を振り回したり場の空気を考えずに行動したりする人を、あえて「天真爛漫」と表現する場合があるのです。友人との会話では問題ないかもしれませんが、それほど親しくない人に対して使うと皮肉だと思われてしまう恐れがあります。天真爛漫は褒め言葉ですが、使う場面には注意が必要です。
天真爛漫の類義語にはどのようなものがある?
天真爛漫は、素直や無邪気など複数の意味を持っている言葉です。似たような意味を表す四字熟語をいくつか紹介します。
「天衣無縫」
天衣無縫(てんいむほう)とは、「作為的なところがなく美しい様子」を表す四字熟語です。自然で無邪気という意味があることから、天真爛漫と似ていると考えられます。
天衣とは天人が身に付ける衣服を指しており、無縫とは縫い目がないことを表す言葉です。天人の着るものには針と糸で縫い合わせた跡がないことから、技巧的でなく自然で美しい様子や、完成されきった完全無欠なさまを意味しています。天衣無縫は、芸術作品などに対する褒め言葉にもなるのが大きな特徴です。人の性質だけでなく、ものを形容する言葉としても使えるのが天真爛漫との違いといえるでしょう。
「純真無垢」
純真無垢(じゅんしんむく)とは、文字通り「純粋で汚れのない様子」を表す言葉です。人を疑うような悪意がまったくない、無邪気な性質を表す点が天真爛漫と共通しています。純真無垢も人の性格を表現する言葉なので、素直で屈託のない性格に対する褒め言葉として用いられるのが一般的です。
同じような意味を持った言葉としては「純粋無垢」があり、こちらも天真爛漫の類語として使用されます。元気で明るいイメージもある天真爛漫に比べて、純真無垢という言葉では誰かを陥れようとは考えない邪心のなさがより強く表されています。清らかで純粋な性格を意味するため、純真な子どもや素直な性格の人に使うとよいでしょう。
「明朗闊達」
明朗闊達(めいろうかったつ)とは、明るくて小さなことにはこだわらないさまを指す言葉で、ポジティブな意味合いが天真爛漫と共通しています。明朗とは字のごとく明るく朗らかな性質を表しており、闊達は心が広くスケールが大きい様子を意味する言葉です。
くよくよ悩んだり考えすぎたりしない性質を表現した言葉なので、「気持ちのよい性格をしている」という褒め言葉になります。前向きでハツラツとした人に使うとよいでしょう。前向きな性格を表すところが天真爛漫と似ていますが、明朗闊達に子どもっぽいという意味は含まれていません。あくまでも、明るく心が大きい人に対して使われる言葉であることを意識しておきましょう。
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