結婚15年目。じわじわと夫婦間に問題が増えてきた
42歳の奈々子さん(仮名)は、夫と息子と3人暮らし。結婚15年目を迎えましたが、夫婦間にはじわじわと問題が増えてきて、夫婦の存続すらが危うくなってきたことに頭を抱えていました。
「結婚当初はそんなことなかったんですが、だんだんと夫が変わってしまったんですよね。今では、浮気やマザコン問題があり、それらについていつも嘘ばかりつくので、夫のことを信用できなくなっていて夫婦仲も最悪です」
夫の浮気は結婚5年目に1回目、そして結婚9年目に2回目の浮気が発覚。一度目は目を瞑ったものの2回目の浮気は夫いわく「運命の恋だ」と言い出したこともあり、現在も相手の女性と完全には別れていない状況だそうです。そしてそれと並行するように、夫のマザコンが発覚…。奈々子さんは結婚当初とは別人になってしまったかのような夫との生活を続けるべきか、真剣に悩んだそうです。
浮気・マザコン…妻の指摘に嘘で返す夫
「たとえば、浮気相手の女性と明らかに会っていそうなのに、『仕事の関係者と会っていた』という程度の嘘は日常茶飯事。義父が他界したことで義母がひとりになったのですが、それをきっかけに夫の義母への思いが強くなったのか、家族より義母を優先することが増え、いわゆる“マザコン”になりました。
夫は家計に入れるお金を削ってまで義母に仕送りをし、息子には欲しいものを我慢させるのに義母にはホイホイとなんでも買ってあげています。そのことを夫に指摘すると、『母さんから昔借りていたお金を返しただけだ』などと平然と嘘をつくのです」
何度となく夫と話し合いをしたものの、夫は終始このような調子なので「話にならなかった」と奈々子さん。今は息子のためにと離婚を思いとどまっているそうですが、「子どもがいなければ、すぐにでも離婚したいほど夫に対して嫌悪感しかない」とため息をつきます。
「子どもが大学に入ったら離婚したい」と夫に伝えると夫も了承
そんな日々の生活に大きなストレスしか感じなくなってきた奈々子さんは、あるときに大きな決断を下しました。それは、息子が大学生になったらその時点で離婚をするという夫との取り決めでした。
「悩んだ末に、これしかなかったですね。今、息子は中学生ですのでまだ少し先の話ではありますが、一連の夫の行動を見てきて、もう私が夫に対して尊敬や愛情を抱くことは絶対にないと思っています。そんな夫と老後を過ごすのも想像できません。
息子も大学生になれば自立すると思いますので、そこまでは何があっても我慢をしようと決めました。これまではゴールが定められていなかったので憂鬱なだけでしたが、ゴールを明確にしたことで私自身、少し気持ちが楽になりましたね。夫に離婚の意思を伝えると、最初こそ戸惑っていましたがすぐに了承しました。今は、その日が来るまでに、私自身もできる限りの準備をしておこうという前向きな気持ちです」
夫婦は添い遂げるのが一番だという考え方もありますが、事情や状況が変わればそうも言っていられないのも現実でしょう。しかし子どものことを一番に考えて、離婚を踏みとどまる人が多いのも事実です。
奈々子さんのように、出口の見えないトンネルにいるかのような結婚生活に至ってしまった場合、将来的には離婚する取り決めをすることで、気持ちが前向きになることもあります。理想を抱くことも大切ではあるものの、事情によっては「夫婦はこうあるべき」という考えを捨てることも、新たな人生への意欲が湧いてくるきっかけになることがあるようです。
取材・文/並木まき