こんにちは、editor_kaoです。
ベーシックな黒いコートを「今年こそ買い直そう!」と、決めてもう数年(汗)。懲りずに先日も、ショップクルーズしてきました。この冬はまだ、大きなお買い物していないし! と、自分に言い聞かせながら。
この「ベーシック」というのが、なかなか厄介で。流行にとらわれないからこそ、毎年活躍するわけです。今着ている黒いコートは、もう5年以上愛用中。ウールの一枚仕立てで、襟はテーラード、ひざ下丈で、ややゆったりサイズ。流行にとらわれず、どんな着こなしにも合うデザインです。そこがいい、そこがいいんですけど……先日、ひどく寒い日にクローゼットから出して着てみたところ、いよいよ「少しもの足りないな」と感じるようになってしまいました。その理由は、コートそのものにあるのではなく、「着ている自分が変わったから」ではないでしょうか。
ベーシックアイテムでも、「ちょっとした存在感」が大人には必要
30~40代の5年間って、女性は大きく変化しますよね。たとえ体重に差はなくても、シルエットは違ってくるし、髪のツヤや肌のハリもなくなってくる。その足りない部分を補ってくれるもののひとつが洋服で、特にコートは冬スタイルの主役。着るだけで様になるような、ちょっとした存在感が大事なわけです。
そう考えて、いろんなブランドの黒コートをチェックしてきました。今回も永く愛用するつもりなので、多少予算は張ったとしても「いいな♡」と思ったものを選ぶぞ! という確固たる気持ちで、真剣に探したんです。シンプルな黒いコートなんて、どのブランドでも扱っていますし、ハンガーにかかっているだけでは見極めが難しいから、試着もしてみました。パッと見では同じようでも、実際に着てみると印象も全然違いますし、重量感もだいぶ違う。そして何より先ほどの「ちょっとした存在感」という要素が、劇的に難しく。
存在感はあっても、怖い印象だけは絶対避けたい!
黒いコートだけに、迫力がありすぎると、なんだかやたら怖く見えてしまう。モードでもイキってるし、メンズっぽすぎても頑張っている感じがして、自分のキャラクターに合っていない印象です。では私が求めている「存在感」ってなんだろう……と改めてイメージしてみたのですが、どうやらそれは「女らしさ」ではないか、という答えにたどり着きました。黒いコートを着ていても、明るく、華やいで見えたら素敵です。ただこれも、トゥーマッチになると、大迫力が出て、怖くなる結果に。企業の管理職や起業家ならともかく(自営だけど)、そんなふうに見られたいわけでもないし、もっと地味な生き方してるもんなー、という気持ち。
大人の着こなしバランスって、本当に難しい
でも、生き方は地味でも、着こなしまで地味にしたくない。どうやら私の本当の悩みは、ここにありそうです。ファッションエディターという肩書きは、周囲から見ればきらびやかな印象ですが、扱っているものがキラキラしているだけで、自分自身の好みはまた別。ただファッションの楽しさも知っているし、ミーハーな部分もあるので、それなりに今っぽいものにも興味はあります。そのバランスが微妙で……。
というわけで、理想の黒コートはいまだ見つかっておらず、この冬も買い直さない結果になりそうな予感が、すでに満載。襟の大きさとシルエットにヒントがありそう、というところまではわかったのですが。それとも、そもそも黒じゃないの?大人の着こなしって、本当に厄介ですね。
【今日のひと手間】
私のウインター・ホワイト! カジュアルなアイテムなら気負わずに、取り入れられます。ユニクロのボアスウェットパンツと、Tevaの「リ エンバー モック2」。靴はカメラマンの友人が取材時に履いているのを見て、「何それ、かわいい!」と、教えてもらいました。暖かい&軽いからロケにも便利だし、冬の旅行にも絶対いい! かかとを踏んだらスリッポンにもできる、2WAY仕様です。
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ