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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2023.02.06

【シングルマザーの恋愛#60】失意のどん底で気づいたのは、彼の優しさと…

 

シングルマザー歴7年、38歳の会社員「あおいあん」さんによる恋愛コラム。母が癌になったという報告から一夜明け、気持ちの整理がつかないまま出社しようと最寄駅に着くと、そこには…。【毎週月曜19:00更新】

登場人物
あん(私)…メーカー勤務のシングルマザー。7年前に離婚し、実家に出戻り。38歳。
息子…生意気盛りの小学生。10歳。
Rさん…Hくんと同じ会社に勤める42歳。結婚歴はナシ。
Cちゃん…あんの同僚。33歳。
Kくん…あんの会社の後輩。25歳。
Oくん…Kくんの大学の同級生。33歳

【前回までの話】
40歳を目前に控え、「私、このままシングルでいいの?」と、ふと我に帰った私。再度恋愛に挑もうと、学生時代からの友達Hくんに紹介してもらったRさんとお付き合いすることに。お互いの”譲れない家族”の存在を確認した上で付き合うことになったのだが、Rさんのお母様や、元カノの存在、そしてRさんのきれい好きと、ちょっとしたわだかまりがあんの中で溜まっていく。そんなある日、会社の後輩Kくんからキャンプのお誘いが。後輩のKくん、その友達のOくん、同僚のCちゃんと息子でデイキャンプに。その日の夜にはRさんと約束があったが、発熱しコロナが疑われたためキャンセルに。しかし心配だったあんは救援物資を持ち自宅ドアの前まで行くと、部屋の中から女性の声を聞いてしまう。悩んだあんはRさんに連絡し、胸の内を伝えると、Rさんから「別れよう」と言われてしまう。Rさんと別れた後、会社帰りの私に毎週会いに来たOくん。そのOくんからクリスマス前々日に誘われ、”事実恋愛”という形のお付き合いがスタートしたが…。

前回の話▶︎私は都合のいい女?直球でぶつけてみたら…【シングルマザーの恋愛#59】

 

今までの人生で1番の苦しみの中で、Oくんが私の支えに

こんにちは。シングルマザー歴7年のあおいあんです。前回はOくんへ”事実恋愛関係”でいることの不安を打ち明けるも、心強い言葉をもらい帰宅。そこで母が癌宣告を受けたことを聞いたところまでお伝えしました。

母の癌宣告から一晩明けたとはいえ、出口の見えない苦しみはそのままだった。重い足取りで駅まで向かうと、そこにはOくんの車が止まっていた。私に気づいたOくんは車の外へ。私はOくんの顔を見るなり、また涙が頬を伝った。

Oくん「どうしたの? とりあえず乗って」

そう言うと私を助手席に乗せた。

私「ママが癌になったって…」

Oくん「えっ!?」

私「昨日あの後帰ったら伝えられて。私、ママが具合悪いことに気づかなかった」

Oくん「大丈夫だよ。落ち着いて」

そう言うとOくんは私を抱きしめて、母と同じように頭を撫でてくれた。

Oくん「苦しかったね。会社間に合わなくなるから、とりあえず車出発するけど大丈夫?」

私は頷くと、Oくんから離れた。

Oくん「急遽、今日から5日間出張になって、その前に顔見てから行こうと思ったら…。会社行ける?こんな時は無理しなくても」

私「しばらく息子には黙っておくことにしたから、会社に行かないと変だし。それに家にいたらずっと泣いていそうだから私」

Oくん「そんな時にそばにいられなくてごめん。でも連絡は取れるようにするから、電話でもLINEでもしてね。こういう時は遠慮とかしないで」

私は「ありがとう」と言って窓の外を見た。赤信号で止まるたび、Oくんが頭を撫でてくれて、何度も涙が込み上げてきた。会社近くまで来るとOくんは車を止めた。

Oくん「俺からも連絡するけど、返事したくなかったらそのままでいいから。こういう時こそ、いつもよりしっかり食べて、たっぷり寝ないと乗り切れないから、頑張って食べるんだよ。大丈夫。お母さんきっとよくなるよ」

私「ありがとう。聞いてもらえてちょっと落ち着いた。出張前なのにごめんね。気をつけて行ってきてね」

私は車を降りると、ぎこちない笑顔で手を振った。角を曲がるとき、振り返ってみるとOくんはまだ手を振ってくれていた。

母のことから少しでも離れられるよう、いつも以上に仕事に集中した。長い一日が終わり、会社の最寄駅に着くと、出張だと分かっていてもOくんを目で探している自分がいた。自分でも気づかないうちに、Oくんを頼りにしていて、自分が思ってる以上に、Oくんの存在が大きくなったんだと感じた。Oくんの声が聞きたいとスマホを手に取ってみたが、そのままバッグへしまった。ホームで電車を待つ列に並ぶと、スマホのバイブに気づいた。バッグから取り出し、画面を見てみるとOくんからだった。列から外れて電話に出ると

Oくん「仕事終わったよね? 今帰るとこ?」

私「うん。ビックリした。さっき声聞きたいと思ったけど、まだ仕事だろうと思って電話するのやめたから」

Oくん「連絡したくなったら遠慮しない約束だよ。仕事行って少し落ち着いた?」

私「うん。現実として受け止めなきゃって思えてきた。でも苦しくなったら夜電話しちゃうかもしれないけど、いい?

Oくん「いいよ。待ってる。じゃあ気をつけて帰ってね」

私「ありがとう。また後でね」

母や息子の前でいつも通りの態度ができるか不安で、家に帰るのがちょっとブルーだった私。Oくんの電話で、ひとりじゃないんだって思え、塞ぎ込んでいた心がほわっと温かくなった。

自分を奮い立たせ、さて、帰りますか!と再び列に並ぶと背後から「あんちゃん?」と男性の声が聞こえた。私が振り返るとそこにはRさんの同僚、Sくんの姿が。

Sくん「ひさしぶり! 元気にしてた? Rのこと聞いたよ。残念だったけど、まだ息子くん小学生だしね。手がかかるよね」

相変わらずペラペラ喋る人だなと思いつつ

私「色々相談に乗ってもらったのに、私のワガママですみません」

Sくん「俺のことは全然いいよ。せっかくだし、ちょっとお茶しない?」

 

私「ごめんなさい、ちょっと母の具合が悪いので、早く帰らないといけないから」

Sくん「そっか…。お母さん大丈夫? じゃあまた今度みんなで集まろうよ」

私「はい。また…」

なんとか逃げ切り電車に乗り込み、家へ着くとLINEが。スマホを取り出してみると、今一番目にしたくないない人からメッセージが。。。

次回に続く

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あおいあん

契約社員でメーカー勤務、現在38歳のシングルマザー。高学年になりちょっと生意気になった10歳の息子と実家に出戻り。40歳を前に「もう一度、女としての人生を!」と一念発起。離婚をしてから7年という恋愛ブランクを埋めるべく奮闘中。
▶︎ここに書き切れない子育ての悩みや、シンママに役立つ情報をアップ!Instagram



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