こんにちは、editor_kaoです。
定番ワードローブのひとつに、レザーのライダースがありますが、私はもっていなくて。もちろん、挑戦したことは何度もあるんです。20代のときからライダースのトレンドは何度も訪れ、そのたびに憧れて購入。ベーシックな黒のライダースから、女らしいベージュバージョン、ちょっとひねってスタジャンデザイン、エコレザーブームに乗って軽量タイプ……と、思い出せるだけで4枚。人気ブランドの「名品」と呼ばれるものを、着ていた時期もありました。
着こなしは思いつくのに、実際に着ると何かが違う
ただ、どんな方向から選んでみても、なぜかしっくりこなくて……。コーディネートはいくらでも浮かぶんです。私の大好きな、白のコットンスカートと甘辛MIXで着るとかわいいなとか、カーゴパンツとメンズっぽく合わせつつ、足元はヒールで外すとか。実際にそういったコーディネートで出かけて、ほめてもらったこともあります。それなのに、一体どうしてなんでしょう……。
と、考えていたら、ある日、知り合いの男性から同じような話をされて驚きました。「黒のライダースを買ったんですけど、どう着ていいかわからないんですよね……」。普段の彼はとてもおしゃれ、なおかつシンプルな着こなしをしている人だから、いくらでも合わせられそうなのに。
ただ、その話を聞いて気づいたのですが、なぜ私たちがライダースを上手に着られないかというと、「単に自分が納得できていない」からではないでしょうか。コーディネートは正しくできるので、はたから見たらそうは感じないかもしれないけど、実際に身につけている自分自身は首を傾げてしまう。だから数回着てはみるものの、さほど活躍させることができず、結局は友人に譲ったり、リサイクルショップに出すことになってしまうんです(4回もうまくいってないなら、いいかげん学習しろと自分に言いたいところですが)。結局その知り合いの男性も、その後ライダースを着ているのを、一度も見たことがありません。
うまく着られないアイテムより、自分になじむ一枚を
私はもう、ライダースを着ること自体をあきらめました。雑誌やSNSでかわいい着こなしを見つけても、なかったふり! 私とその人は違うんだから。
「定番」「ベーシック」といわれるものでも、なんだか自分にはなじまないアイテムってありませんか? ライダースはやや個性が強いものの、私みたいに、手を替え品を替え挑戦してもダメということは、もうダメなんだと思います。それなら気持ちを切り替えて、自分になじんで、安心して着られるものを着ていたい。
これ、「似合う・似合わない」とも、また少し違う気がします。顔立ちや体型、年齢よりも、着る人のライフスタイルや、キャラクターとの関係のほうが、強いのではないでしょうか。大げさに表現するならば、「人生とアイテムの相性」(本当に大げさ!)。おしゃれの悩みで「どうやって着ていいかわからない」という声をよく聞きますが、ひょっとしたらその原因は、そういったところにあるのかもしれません。
本来レザーのアウターって、合わせるアイテムの素材を選ばないので、便利なんです。冬はニット、春はブラウスやカットソー。冬素材とも春素材とも相性がいいですし、レザーそのものには季節感がないので、アウターでありながら着る時期を選ばない。だから一枚あると、とても活躍するはずなのに。あーあ、私の片思いは、永遠に叶いそうもありません。
【今日のひと手間】
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ