こんにちは、editor_kaoです。
先日、バスに乗っていたら目の前に素敵な女性が。予想するに50代の、私より少し年上の方でしょうか。ネイビーのコートにグレーのストール、小さめのキャンバストートを持ち、足元は確か、ブラウンのブーツだったような……。シンプルだけど、ほどよくゆったりしたシルエットの着こなしで、リラックスした雰囲気。流行の最先端ではないけれど、自分のワードローブを、長く愛用しているような印象です(このあたりから、勝手に妄想が広がり中)。
素敵な女性の、気負わないパール使いに目を奪われて
全体的にこざっぱりした、好感度の高い着こなしだったのですが、特に私の目を引いたのは、耳元にあしらわれていたパールのピアスでした。直径6~7ミリほどの、淡水パールと思われる楕円形のもの。真円とは違う、ナチュラルな雰囲気が気負わない感じで、洋服にとても似合っていました。
「あー、そういえば最近、パールのピアスしてないなぁ……」。というのは、以前にこの連載でも書いたことがあるのですが、ある日、ずっと身につけていた6ミリのパールピアスに違和感を感じて、もっと大きな輝きをもつ10ミリのものを買い足した経験があるのです(過去記事【vol.15正統派のパールピアスが似合わなくなった日】)。それ以来、私がパールのピアスをするときはそちらが定番で、6ミリは冠婚葬祭用となっていました。だけど、あの女性が身につけている感じを見たら、やっぱり6ミリも気になってきた……。復活させてみようかしら……。
着こなしに自然になじむ感じが今の気分
私がもっているのは淡水パールではなく、真円のアコヤパールですが、とりあえずしてみることに。ざっくりしたニットなどに合わせると、パールの落ち着いた輝きがニットのカジュアル感になじんで、なかなかよい感じです。10ミリだと、もう少し主張が出ると思うのですが、控えめな6ミリは、スキンジュエリーに近い自然な存在に。
そうそう、私がバスで出会った女性から感じた素敵さって、こういうことだった! 全体を通してさらっとしていて、自分になじむワードローブを身につけていて、でも細かいところにも手を抜かず、おしゃれをしている印象。あの人、毎日あのピアスをしてるんじゃないかしら……。いよいよ私の妄想も、広がるところまで広がっていますが、彼女の耳元とパールピアスのなじみ方が、それくらい印象的で、今の私の気分にぴったりだったんです。
これからのおしゃれの方向性を考えるきっかけに
そういうわけで、今は彼女の真似っこをして(本当は妄想なので違うのですが)、ほぼ毎日6ミリのパールピアスをつけるようにしています。より自分になじませるには、とにかく慣れることが大事なので、どんな着こなしであろうと関係なく。題して「パールを身につけ続ける女」。パールに限ったことではないのですが、何かしらのアイテムが、自分のアイコンになるのっていいですよね。前回のコラムで触れたレザーライダースも(過去記事【vol.39 レザーライダースに、永遠の片思い】)、私はあきらめたけれど、制服のように着こなしている人もいます。ほかには、ボーダーカットソーやデニムをMY定番にする人も。そうやって「その人らしいアイテム」が増えていくと、おのずとおしゃれの方向性も定まってきて、頑張らなくてよくなりそう!
これからもっと大人になったとき、おしゃれをどうしていくか。思いがけないところからヒントを得た出来事でした。
【今日のひと手間】
最近話題の付け襟を、ネットで買ってみました。ベーシックなクルーネックニットもこのとおり。顔まわりが明るくなるのはもちろん、レイヤードしたときのかさばった感じもしないので、着心地が圧倒的に快適に! それこそ、パールのピアスとも相性がよさそうです。
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ