『映画ドラえもん』第42作目となる『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』が公開中。本作は、誰もが幸せに暮らせて、何もかもが完璧な理想郷(パラダピア)を舞台に、ドラえもんたちが空をかける大冒険へと飛び立つというストーリー。
Story
幸せの楽園「パラダピア」に隠された秘密とは?
ある日、空に謎の島を見つけたのび太。「あれこそは僕が探していたユートピアだ!」と言い出し、ドラえもんたちと一緒にひみつ道具の飛行船〝タイムツェッペリン〟で、その島を探しに出かけることに。たどりついた島は誰もが幸せに暮らせて、何もかもが完璧な楽園「パラダピア」だった。のび太たちは、その島で出会った〝何もかもが完璧な〟パーフェクトネコ型ロボット・ソーニャと一緒に行動していく中で、島に大きな秘密が隠されていることに気づく。のび太たちは楽園の謎を解き明かすことができるのか!?
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2023
本作は、King & Princeの永瀬 廉さんや南海キャンディーズの山里亮太さん、藤本美貴さんなど、豪華声優陣の出演も話題になりました。今回は、3児の母である藤本美貴さんに映画を通して、「親として子どもたちに伝えたいメッセージ」ついてお話しを伺います。
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ドラえもんの思い出を振り返ると、いつもそこに〝家族〟や〝友達〟の存在があった
――本作への声優出演が決定したときのお気持ちをお聞かせください。
「ずっと観ていたドラえもん映画に関われると聞いて、本当に嬉しかったです。でも、まさかそんな素敵なお仕事の依頼がくると思わないじゃないですか。嬉しすぎてマネージャーさんに何度も『本当に私に来た仕事ですか?』と、確認したほどです(笑)」
――声優を担当するにあたって、何か準備したことなどはありますか?
「普段の自分を見て頂いて、声をかけてくださったそうなので、特別な準備はしていませんが、今回の役が先生という子どもたちと関わる職業なので、子どもたちを包み込むような気持ちを声に乗せられたらいいなと思いながら収録させていただきました。声優という仕事は初めてだったので、緊張もしましたが、スタッフのみなさんが、すごく褒めて伸ばしてくれる現場だったので、とってもやりやすかったです」
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――実際に完成した作品を観ていかがでしたか?
「子どもの頃から観ていた『ドラえもん』のキャラクターたちが、私の声に反応してくれたり、答えてくれたりするのを見て、本当に感動しました。ストーリーも素晴らしくて、つい親になると子どもに対して“こうだったらいいのに”と完璧を求めてしまうことがあるのですが、ふと我に返らせてもらったというか。完璧じゃない部分、それが個性だったりしますよね。親としてもう一度子育てについて考えるよい機会だったと思います。
色んな人がいるのが世の中だと思うし、親として完璧を求めてしまいがちだけど、完璧ってなんだろう? 完璧は本当に素晴らしいのかな?って、すごく考えさせられるというか。ダメな所やクセがあって、その子の良い所やポジティブなところも出てくると思うので、私は親として自分の子どもを見つめなおすきっかけになりましたし、自分もそうだけど親って子どもに完璧を求めてしまいがちというか、何か出来ないと『なんで出来ないの?』って、出来るようにさせようとするけど、本当に全て出来るようにしなきゃいけないのかな?みんな違っていいんじゃないのかな?ってすごく感じました」
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2023
――映画を通して、子どもたちに伝えたいメッセージはありましたか?
「今回の映画もそうですが、のび太って普段はダメダメだけど、いざとなったら仲間のために諦めずに頑張るじゃないですか。我が子にも、大切な人やものを見つけて、ここぞという時に、真っすぐに頑張れるようになってほしいなと思いましたね。世の中には色々な人がいて、時に“あの人、嫌だな”と思う人が現れたりすることもあると思うんですけど、良いところも悪いところも認め合えるのが友達だったりしますから」
――今回の声優出演、お子さんたちも喜ばれたのでは?
「とても喜んでいましたよ。『一緒に映画館に観に行こうね!』って言ってくれました。この世界に入って、20年が経ちますが、頑張っていれば子どもたちも喜んでくれる、こんなプレゼントのような仕事がいただけるんだなって。改めて、頑張るのって素敵だなと思いました」
写真をもっと見る――『ドラえもん』の中で好きなキャラクターはいますか?
「のび太が一番好きです。特に映画ののび太は一生懸命な姿が大人も胸を打たれますし、子どもにとっては『頑張れば大丈夫なんだ』という気持ちにさせもらえるので、いいなって思います」
――ひみつ道具を作れるとしたら、どんなものを作りたいですか?
「24時間じゃ足りないなって思うことが多いんですけど、でも24時間以上あっても困るしな、と思うし…時間を自分で調節できるひみつ道具がほしいですね」
――本作は〝理想郷〟というのも大きなテーマになっていますが、藤本さんが考える理想郷とは?
「私は理想をあまり持たないタイプです。今を見て生きるタイプなので、こうなったらいいなというのはないですけど、家族でいえば、毎日笑顔で過ごせたらいいなと思いますね。でも、笑顔だけもつまらないのかな、とも。
我が家は長男がのび太タイプなので、子育て中に大変なことも多かったんです。『宿題やりなさい!』と怒ったりもしていましたね。でも、振り返るとどれも大切な思い出なので、やっぱり少しは波があった方が『あの時こうだったよね』と話せたりするのかな、とも思います。波があるから良いと思うし、それを乗り越えてこその楽しさがあると思うので、あまり“こうだったらいいな”っていうのはないかもしれないですね」
――現在藤本さんは38歳。まもなく40歳ですが、どんな40代を過ごしたいですか?
「この先もずっと自分のやりたい事にチャレンジしたり、諦めずに前向きにこのまま生きたりしたいな思います。〝これがやりたい〟というより〝これは諦めない〟という感覚のほうが強いかもしれないですね。例えば〝女を諦めない〟とか、そういうことです。前向きに笑顔で過ごしていくためには、簡単に『無理』と言わないことも大切だと思います。それは40代というより50代・60代もそうありたいな、と。今の目標と言えば、本当に家族円満で子どもが無事に育ってくれればそれだけで十分です」
――藤本さんと庄司さんは、とっても仲の良い夫婦という印象です。夫婦、そして家族円満の秘訣を教えてください。
「うちは2人とも働いているので、生活している時間もバラバラな日もあります。でも、会話する時間はできるだけ多くとっていますね。あと、休みの日はできるだけ外に出かけて、楽しい思い出をたくさん作るようにしています」
――家事についてはおふたりの中でルールなどありますか?
「基本的には私がやっているんですけど、旦那さんがやってくれたらラッキーみたいな感じで。でも自分で完璧にやるのは大変じゃないですか。昔は完璧を目指していたんですけど、2人目の子が生まれたぐらいからは完璧にできるわけないとわかって…。掃除機って毎日かけなきゃ死んじゃうかな?とか、じゃあ洗濯物は今日洗わないと着るものがなくなるわけじゃないよね?って考えて、優先順位をつけるようになりました。あとは初期投資じゃないですけど、お掃除ロボットを買うとか、そういうところにお金をかける(笑) そういう風にしています。やっぱり完璧でいるってのは難しいんですよね」
全国東宝系にて公開中
【原作】藤子・F ・不二雄
【監督】堂山卓見
【脚本】古沢良太
【キャスト】ドラえもん:水田わさび のび太:大原めぐみ しずか:かかずゆみ ジャイアン:木村昴 スネ夫:関智一 マリンバ:井上麻里奈 ハンナ:水瀬いのり 未来デパートの配達員:山里亮太(南海キャンディーズ) パラダピアの先生:藤本美貴 ソーニャ:永瀬廉( King & Prince )
【主題歌】NiziU「 Paradise 」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2023
藤本美貴
1985年2月26日 北海道滝川市生まれ。
2009年にお笑い芸人「品川庄司」の庄司智春さんと結婚。現在、3 児を育てながらタレントとして活躍。また自身のことについて赤裸々に語るYouTube チャンネル「ハロー!ミキティ」も好評。
2023年3月12日には「藤本美貴20周年記念!大感謝ライブ!~ミキティアイドルやります!春の大集会!〜あしたから21周年~】を開催。
撮影/熊谷直子 スタイリスト/JURIKA.A ヘアメイク/太田年哉(maroonbrand)