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2024.10.30

誤用しやすい言葉「失笑」を正しく使えてる?|本来の意味から使い方、類語もご紹介

「失笑」とは、間違った意味合いで使われやすい言葉です。実際には「こらえきれない笑い」を表す言葉ですが「あきれて笑えない様子」と誤認識されやすい語句でもあります。今回は「失笑」の正しい意味や使い方をご紹介します。笑いに関する四字熟語なども確認していきましょう。

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6割の人が勘違い?「失笑」の正しい意味とは

「失笑」(しっしょう)とは、おもしろさのあまりに思わず笑い出してしまうことです。一方で、「笑い」を「失う」と書くことから、約6割の人に誤った認識をもたれています。

笑う人たち

(c)AdobeStock

まずは「失笑」の本来の意味についてご紹介します。勘違いしやすい意味も紹介するため、自分が誤った使い方をしていないか、ぜひ一度確認してみてください。

6割の人が勘違い?「失笑」の正しい意味とは
  1. 「失笑」の本来の意味
  2. 「失笑」にまつわる勘違い

「失笑」の本来の意味

笑ってはいけない場面で笑いをこらえきれない状態や、吹き出してしまった出来事を表す言葉として「失笑」は用いられます。

例えば、厳粛な場面でのアクシデントのおもしろさにこらえきれず、聴衆からクスクス聞こえ出した笑いも「失笑」です。

笑いを失うと書きますが、そこに笑いが生まれていないわけではありません。失笑している人は、何かにおもしろみを感じ笑っている状況にあります。

「失笑」にまつわる勘違い

「失笑」は、「笑いも出ないくらいあきれる」という意味に勘違いされることがあります。「失う」と言う字を使うことが誤った認識を生んでしまうのでしょう。

苦笑する人

(c)AdobeStock

実際に、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」(平成23年度)では、誤った認識をしている人の割合が、本来の意味を知る人の割合を上回っていました。10代から60代まですべての年代で同じ結果です。

本来の「がまんできない笑い」という意味を知っている割合は、年代を重ねるほどに高くなっていました。

また、同調査では「にやける」、「割愛する」なども誤った使い方をしやすい語句として調査対象にあげています。

「にやける」の意味は、笑いを浮かべることだと捉えている人も多いのではないでしょうか。本来の意味は、「なよなよとしている」ことです。

また、「割愛する」は「惜しいと思うものを手放す」が本来の意味ですが、実際には「不要なものを切り捨てる」という意味で多くの人に認識されていました。

「失笑」を含め、言葉の意味を勘違いしていないか今一度よく確認してみましょう。

参考:文化庁『平成23年度「国語に関する世論調査」の結果の概要』

「失笑」の類語は「あざ笑う」

「あざ笑う」とは、人をばかにして笑ったり、大声で笑ったりすることです。漢字では「嘲笑う」と書きます。

失笑との違いは、「がまんできずに笑ってしまう」という要素がない点です。類語ではあるものの、「人の失敗をあざ笑う」、「あざ笑うような、からかった態度をとる」のように、ネガティブなイメージを持つ言葉といえます。

辞書

(c)AdobeStock

「失笑」を使った慣用句や四字熟語

「失笑」には、以下のような慣用句や四字熟語があります。

慣用句とは、2つの語句が合わさって別のひとつの意味を成す言葉です。四字熟語である「失笑噴飯」は、「失笑」と同じような意味合いを持ちます。

ここからは、それぞれの使用例とともに正しい意味について確認していきましょう。

「失笑」を使った慣用句や四字熟語
  1. 失笑を買う
  2. 失笑噴飯(しっしょうふんぱん)

失笑を買う

「失笑を買う」とは、愚かな言動を笑われることです。失笑する側ではなく、される側に立った言葉といえます。

また、「買う」を使った慣用句には「一役買う」「怒りを買う」などの表現があります。

「一役買う」は、自分から役割を引き受けることです。「怒りを買う」は、他者から怒られることを意味します。

このように「買う」を使った表現には自分から求める行為を指すものもあれば、他者からの影響を表すものがあります。他者から笑われることを意味する「失笑を買う」の場合は、以下のように使用しましょう。

・じゅうぶんな練習をせず試合に臨んでも周囲から失笑を買うだけだ。
・思いもよらぬミスをして周囲から失笑を買ってしまった。
・プレゼンがうまくいかず失笑を買うような思いはもうしたくない。

失笑噴飯(しっしょうふんぱん)

「噴飯」には、食べかけのご飯を吹き出すという意味があります。「失笑噴飯」とは、おもしろさのあまり思わず吹き出してしまうことです。ばかばかしくて思わず笑ってしまうという状況に適しています。

・出所不明のあやふやな情報を真に受けるなんて失笑噴飯ものだよ。
・社会人になってそんな常識もわからないなんて失笑噴飯だ。
・思いもよらなかった楽しい提案に失笑噴飯してしまった。

「失笑」と「苦笑」「冷笑」「嘲笑」との違い

ここからは、「失笑」と以下の語句との違いについてみていきましょう。

それぞれ日常会話で何気なく使っている言葉でも、確かな意味はわからないこともあるのではないでしょうか。誤った使い方にならないよう、正しい意味についてぜひ目を通してみてください。

クエスチョンマーク

(c)AdobeStock

「失笑」と「苦笑」との違い

「苦笑」(くしょう)は、他者や自分の置かれた状況にとまどいながら仕方なく笑うことです。「失笑」のように、おもしろくてこらえきれずに出るような笑いではありません。

「にが笑い」とも呼ばれ、「苦笑」するときは、愚かしさやこっけいさに不快感を持つ状況にあります。「苦笑をもらす」、「苦笑する」のように用いられる表現です。

「失笑」と「冷笑」との違い

冷たい笑いと書く「冷笑」(れいしょう)は、人をさげすんで笑うことです。「失笑」とは、他者に抱いている感情が大きく異なります。

そもそも「さげすむ」とは、他者を自分より能力や価値が低いものとしてみなすことです。そのため、「冷笑」は不用意に言葉にすると相手に対して失礼な印象を与える可能性があります。

実際には「冷笑を浮かべる」、「人を冷笑する」のように用いることが多い言葉です。

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