「工程」の意味とは?
「工程(こうてい)」は、仕事や作業などを進めていく順序を意味します。また、その段階や進み具合などを指す言葉です。
【工程】こうてい
仕事や作業を進めていく順序・段階。また、その進みぐあい。「製造ー」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
例えば「製造工程」は、製品を製造するために行われる一連の作業を表します。コンセプトの考案や設計、製造、流通と工程に含まれる内容はさまざまです。
製品づくりだけでなく、プロジェクトを企画進行する際も「工程」は存在します。「工程」は、目標達成に向け複数の段階を経るビジネスにおいて、関連性の高い語句といえるでしょう。
「工程」を使った熟語や慣用句
「工程」には、以下のような熟語や慣用句があります。
「工程管理」は、主に製造現場で用いられる言葉です。「工程表」には、各工程にかかる日数や納期までのスケジュールなどがまとめられています。ここからは、それぞれの具体的な意味について掘り下げていきましょう。
工程管理
「工程管理」は、製造工程を統制することを意味します。管理項目は、労働力や原料、設備とさまざまです。
工程管理の主な目的は、一定の品質、数量の製品を能率的に生産することです。製造業との関連性が高い語句ですが、システム開発や営業活動などさまざまな分野で工程管理の手法は用いられます。
工程管理で業務内容を具体化し、そのプロセスを統制すれば品質の安定化が図れます。プロセスを分析するなかで業務のムダが省かれるため、生産性の向上も期待できるでしょう。
工程表
「工程表」とは、作業を進める日程や順序などを記した表のことです。主に、仕事や工事の順序、進み方などをまとめる際に用いられます。
【工程表】こうてい‐ひょう
作業を進める順序や日程を示した表。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
工程表を作成すれば、関係者間でスケジュールを共有できます。目標達成に向けた手順や期限を確認でき、今やるべきことをひと目で把握できる点もメリットのひとつです。
「工程」と「行程」の違い
「工程」と同じ読み方をする語句に「行程」が挙げられます。2つは意味も似ていることから、使い方を迷いやすい言葉です。
また「行程」には、「工程」と同じように「行程表」といった熟語も存在します。ビジネスで正しく使えるよう、ここからは「行程」の意味や類義語、それぞれのニュアンスの違いについて確認していきましょう。
「行程」の正しい意味
「行程」は、以下のような意味を持つ言葉です。「工程」に比べると、意味合いの幅が広いことがわかります。
【行程】こうてい
1.目的地へ行くまでの距離。道のり。「歩いて約一時間の—」
2.(比喩的に)ある目標に達するまでの過程。里程。道程。「—表(=ロードマップ)」
3.旅行などの日程。
4.ピストンなどの往復する距離。ストローク。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「工程」が仕事や作業を進めていく順序を表す言葉であるのに対し、「行程」は目的地までの距離や道のりも表します。また、日程を示す際にも用いられる表現です。
「工程」がビジネスに関わる要素が多い一方で、「行程」は日常生活での登場機会が多い言葉と考えられます。
「行程」の類義語
距離や道のりを表す「行程」には、以下のような類義語があります。
どちらも距離の長さを表す言葉です。具体的な使用例を参考に、それぞれの意味を深掘りしていきましょう。
道のり
「道のり」とは、ある地点から他の地点への長さのことです。漢字では「道程」と書きます。「行程」のように距離を示す言葉であり、主に以下のように使用されます。
・駅からわずかな道のりですから、迎えは結構です。
・タクシーがつかまらず、2駅分の道のりを徒歩で移動することになった。
・地図で確認したところ、まだかなりの道のりを要するようだ。
道程(どうてい)
「道程」も、「行程」や「道のり」と同様に距離を表す言葉です。また、距離だけでなく時間も意味します。
例えば、ある境地や状態になるまでの過程を表す際には、「道のり」ではなく「道程」という表現が適しています。「道のり」とのニュアンスの違いを踏まえ、実際には以下のように使用してください。
・駅から目的地までの道程を教えてください。
・今回の旅は長い道程を要した。
・目標を達成することだけでなく、そこに至るまでの道程も重要だと考えられる。
・プロジェクト実現までの道程は、容易なものではなかった。
・勤続30年の長い道程を振り返った。