事故前の兆候か、実際に起きた事故かという点が最大の違い!
Summary
- インシデントは被害が出ていない、または軽微な段階の出来事を指す。
- アクシデントは、業務や安全に実際の影響が生じた事象を指す。
- インシデントを記録・共有することが、重大事故の予防につながる。
「インシデント」と「アクシデント」という言葉。似た意味を持ちますが、2語の違いを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。特に企業のリスク管理においては、この2つを区別し、それぞれに応じた対策を講じることが求められます。
本記事では、「インシデント」と「アクシデント」の違いを整理し、実務での活用方法を解説します。
「インシデント」と「アクシデント」の違いとは?
まずは、それぞれの言葉の定義を整理しましょう。

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「インシデント」とは?
「インシデント」は、もともと出来事や事件を意味する英語です。「インシデント」という場合には、誤った行為が重大な事件や事故に発展する可能性のある事例を指すことが多いです。医療や航空、除法セキュリティーの分野で使われることが多いでしょう。
辞書では次のように説明されていますよ。
インシデント【incident】
1 出来事。特に、ちょっとした事件。
2 《operational incidentの略》航空機などの運航障害。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
参考:『日本大百科全書』(小学館)
「アクシデント」とは?
アクシデントは、思わぬ故障や事故など、実際に業務へ影響が生じた事象を指します。
辞書では次のように説明されていますよ。
アクシデント【accident】
不意の出来事。思わぬ故障。事故。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「インシデント」と「アクシデント」の違いは?
インシデントとアクシデントを簡単にまとめると、以下の通りです。
インシデント
・重大な事故に発展する可能性があった出来事。
・実際の被害は出ていない、または軽微な段階。
アクシデント
・思わぬ事故や故障が実際に起こり、影響が出た出来事。
つまり、
インシデント=事故の一歩手前
アクシデント=事故が起きた後
と理解すると分かりやすいでしょう。

「ヒヤリハット」とは? インシデント・アクシデントとの関係を解説
業務においてミスを防ぐためには、問題が表面化する前の段階で気づき、適切な対応を取ることが重要です。その中で「ヒヤリハット」という概念は、インシデントやアクシデントと深く関係しています。
ここでは、ヒヤリハットの意味と、それが業務改善にどう生かせるのかを整理します。

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ヒヤリハットとは?
ヒヤリハットとは、「問題が起こりそうだったが、実際には発生しなかった出来事」を指します。
辞書では次のように説明されていますよ。
ひやり‐はっと
《「ヒヤリ・ハット」とも書く》危険な目に遭いそうになって、ひやりとしたり、はっとしたりすること。重大な事故に発展したかもしれない危険な出来事。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
ビジネスシーンで起こりそうな例としては、
・取引先への見積書を送る際、社内向けのコメントや別会社名が入ったまま送信ボタンを押しかけ、直前で気づいたケース
・重要な会議の直前に、資料の売上数字が前年データのままになっていることに気づいたケース
などが挙げられます。
インシデントレポートとは?
「インシデントレポート」とは、医療現場で事故に繋がりそうなヒヤリハットした出来事をまとめた報告書のことです。「ヒヤリハット報告書」ともいわれますよ。
医療事故や医療過誤の発生を未然に防ぐことが主な目的で作成されています。
医療事故となった場合の報告書は、アクシデントレポートと呼ばれます。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

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最後に
- インシデントは事故に発展する可能性があった出来事。
- アクシデントは実際に被害や影響が発生した事故。
- インシデントの記録・共有が、事故防止の鍵。
インシデントとアクシデントの違いを正しく理解し、インシデントの段階で記録と対応を適切に行うことで、リスクを未然に防ぐことができます。ヒヤリハットの段階での気づきを大切にし、より安全な業務環境を整えていきたいですね。
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