数社で広報職を経験し、現在は〝パーソルグループ〟で新規事業を創出している会社にて広報責任者を務める『さや姉』。そんな彼女がお届けする短期集中連載も、今回が最終回となりました。さて、最後のお悩みは…?
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転職してなくたって、はたらいていたら壁アリだから頑張りすぎなくてもいい。けど、いちばん大事なのって…

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こんにちは! さや姉です。
前回は、「転職前にしておくこと」としておすすめなことをお伝えしました。そして、はい!! もう勘が良い方ならおわかりですね。今回のお悩みは、「転職後に気を付けることを教えてほしい」というもの。
しかも、今回お悩みをくださった方はすでに転職されているようで「プレッシャーもある中、即昇進の推薦が貰えるようポジション獲得を相当頑張ったのに、何か空回りしている気がします。面接では、期待しているよと言ってくれた今の上司も、入社したら全然自分への対応が違っていて…どうしたらいいのでしょうか…」と、かなりお悩みの様子。
別の方からも転職後の人間関係に関しての質問を頂いておりますが、その方は、先ほどの方とは反対に、部下との人間関係に関して悩んでいるのだそう。「上のポジションの方が抜けて、自分が昇進すると思っていた部下からすると、突然管理職としてやってきた自分が嫌なのか、アタリが強すぎて…怖いです」とのこと。これは、つらい(汗)
そもそも転職後ということは、これまでと環境が変わっていて、すべてが新しいわけですので、その点に改めて注目ですね。転職した先の業界が前職と同じだとしても、企業カルチャーはそれぞれ。ましてや一緒にはたらく人も変わります。前職で評価してくれていたであろう上司や、助けてくれた部下もいない。新しくいろんなものを築いていかないといけないということで、まさに【孤独】。人間関係しかり、実績しかり、すべてがリセットされてしまう。でも視点を変えると、一から新しい自分になれるチャンスであり、自らが選んだ道でもあります。
頑張ってる=評価されるとは限らない
だからこそ、その会社で何を大事にしているかを心得る
昔、新卒ではたらいていた会社で営業をやっていたときの上司が、管理部門ではたらく方々に対して言っていた言葉で、私が今でもチョコチョコ戒め的に思い出している言葉がこちら。
誰かが見てくれているという想いで、ひっそりと“ぼろ雑巾?? ”のように頑張るのって…報われるのか?
たとえば、わかりやすい営業のようなお仕事で、結果が数字にでるのであれば、まだすくい上げてくれる人がいるかもしれないけれど…そうじゃない職種の方々が周囲に努力を伝えるなら、“自分のアピール力も大切なんだよ”と言っていた元上司。この「報われる問題」はいつの時代もありそうです。なぜって、皆、自分の中での正義で動いているので。不平等、不条理…そんなこと、アラフォーならいくらでもこれまでの仕事の中であったはずなのに、たまによくわからないところで、何だか(自分を否定したくないのもあるのか?)信じてしまう、いつか報われる感。
結局は、ヒトとヒト
問われるコミュニケーション能力ないしはホスピタリティ力

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頂いた質問に戻ると、新しく上司となった人も、自分のポジションを狙っていたかもしれない部下も…ある意味、転職者であるご質問者と同じくらい? いやそれ以上に、転職も異動してもいないのに、半ばサプライズ的に新しい環境に陥るわけです。それこそもしかしたら、前の上司や部下のほうが良かったとうっすら心の中で比較?して、「超絶迷惑なんですが。あなたは自らの意思で転職しているかもしれませんけど、こっちは勝手に環境が変わって想定外!」と思っていたっておかしくありません。で、新しく上司や部下としてやってきたご質問者が、会社になじもうという努力すらしない上に、既存社員の方々の心情に気づかず、いきなり結果を出そうとがむしゃらに動いていたら? 自分が! 自分が!のヒトに見えて、煙たく思われてしまうというのもあるのかもしれません。
かくいう私も何度か転職しておりますが、その時々で、受け入れ側の雰囲気は違いました。今の会社はどうでしょうか(笑)歓迎されているというよりも、管理職で転職してきているのだから、事業側にとってもプラスになることへ貢献してくれますよね? とみられていた気がします。信頼関係も築けていない中、色々と厳しいことを言われる度に、“えーーーーーーっと。私、なぜに、この会社に入社したんでしたっけ? 面接でそこまでコミットしましたっけ?”と思うこともありました。が、裏表なく本音でリクエスト? というかぶつかってくれる風土、これこそが、この会社の企業カルチャーであること。そもそも私がオファー面談で質問していなかったことにはじまり、今の状況は何が起因しているのか内省できていなかったことに気づきました。そこで私は、気持ちいいくらいに一旦「とにかく頑張る」というスタイルをやめたんです。
つまり、早く結果を出して認めて貰わなきゃという動きをとるのではなく、傾聴を心掛けた上で、私が思うことを素直に相手にぶつけてみました。するとどうでしょうか…お仕事が驚くほどスムーズに動きはじめたのです。企業カルチャーの理解や企業に馴染むことこそ、とても大事だと思った瞬間です。
まっ。これこそ転職に限らないのかもしれません。異動含め上司、部下が突然変わるなんていう同じ状況はいくらでもあります。そしてお相手も自分と同じ人間なので、関係値も無いヒトからの何気ない言葉が嫌だとか失礼だと思ったりする可能性も高いのです。これらの経験を踏まえ、私は、自分のまわりではたらく人には、何気ない一言が命とりになること、リモート環境ではたらくのであれば、コミュニケーションスタイルは殊更気を付けるように言っています。もちろん面接などでも、結果に厳しい環境であることも包み隠さず念押ししています。←カルチャーフィットしないミスマッチは、双方にとって不幸になってしまうので。
と言いつつ、直近、パワハラ・カスハラ・ハラハラ含め、どこからがハラスメントなのか気になるのも事実ではあります。私が在籍している会社が展開中のコミック教材を活用した研修サービス『コミックラーニング』でも、ハラスメントに関するコンテンツが大人気。受講者数110万人を突破した法人向けサービスから、Domani限定コンテンツをご用意させていただきました。
双方にとって不幸つながりでこちら、セクハラをテーマにしているコンテンツをお披露目しております。
Comic Learning Companyの代表に聞いてみた!

▲Comic Learning Company 代表の仙波 敦子さん
そんなこんなでどさくさ紛れに、このComic Learning Company 代表の仙波 敦子さんも転職組なので、質問してみました。
“メンバーがカルチャーフィットしているかどうかって、何を見ればわかるんでしょうかね?”と。
『当たり前な回答かもしれないけど、それは、楽しそうにはたらいているかどうかじゃない?』『それに転職先の企業カルチャーの確認方法でいえば、直属の上司に質問するといいと思うけど?? 「社内や部署内で活躍している人材はどんな方ですか?」「**さん(上司)がはたらく上で大切にしている価値観は何ですか?」とか。入社する前に疑問は潰したほうがいいでしょ』と涼しげ、かつ具体的に回答をくれたのでした。だーいすき♡
もはや私のアドバイスではなく、敦子姉さんのアドバイスで締め括るという荒業ではございますが、皆さま、あっという間の3回連載にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
これまでの連載、すべて嫌な顔せず、会社の方々が積極的に協力してくれたお陰で書き終えることができました。これもまた素敵な企業カルチャーだと改めて思えた、とってもよい機会でした!
協力/パーソルイノベーション
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キャリアアップから人生相談までこなす多才なPR
さや姉
PRの奥深さをこよなく愛し、ホスピタリティに重きをおいている。数社での広報職を経て、現在はパーソルグループで新規事業を創出しているユニークネスな会社の広報責任者として、新領域における人材紹介や副業のマッチングサービスからはじまり、リスキリングなどのラーニングサービスにわたるまで複数のPRを統括。全力でサービスに向きあい、情報開発をしてきたため“さや姉が動くと掲載が増える”とも。面倒見のよい姉御肌として、社内外問わず信頼されている。